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「都会と田舎の"本音の先"をデザインしたい」 ー信州つなぐラボが目指していること

信州つなぐラボ、第一次締切が明日に迫りました。信州つなぐラボにとってのnote最初の記事では、プログラム全体のコーディネートを担当する大宮より、公式ウェブサイト上では紹介しきれないラボの背景や目指していることについて紹介します。応募締切は8/20(月) 23:59まで。応募はこちらから!


初めまして、信州つなぐラボの全体コーディネートを担当している大宮です。

突然ですが、皆さんは、今住んでいる場所のほかに「第二の故郷」のような場所を持っていますか。

もしそういう場所があるとしたら、その場所やそこに住む人々とは、どのようなきっかけでつながり、今どのような関係にありますか。その場所や人のことをどのように思っていて、何を求めて、関係性を続けることができているのでしょうか。

一度行ったきりでそれ以降訪れることがなくなった場所と、あなたにとっての大切な場所とは、何が違ったのでしょうか。そのような、あなたにとっての「第二の故郷」のような場所を、他の誰かも持てるようになるためには、どんな仕組みやきっかけが必要なんでしょうか。

信州つなぐラボは、このような問いについて考えながら、信州の中山間地域を実証の現場として、都会と田舎の「持続可能なつながり」をデザインするプロジェクト/コミュニティです。

現在参加者を募集している第1期プログラムでは、参加者の皆さんとともに、自らが実践的として地域と関わりながら、都会と信州の人と人、人と地域の良質なつながりを生み出す、新しい事業をともに構想していきます。

注目されはじめた、「関係人口」という存在

今「関係人口」という言葉や概念が、今までになく注目されています。

この事業自体が総務省からの委託事業であるように、国も、交流人口と定住人口の間にある「関係人口」に注目し始めています。

日本全体で人口減少が進む中、それぞれの地域同士が人口の奪い合いをするのではなく、定住ではない形でも地域と関わりを持ち、応援してくれる人々を増やしていくことは、新しい地域のあり方を考える上でも、都会を拠点とする人々のライフスタイルを考える上でも、とても大切なことだと思います。

そういう時代の流れの中で、多くの地方自治体が今、「これからは関係人口だ!」「関係人口増加に向けた施策を打たないと!」と慌てて動き出している、というのが現状です。

「関係人口」づくりには、コツがある?

しかし、「関係人口」に近い概念やその重要性は以前から指摘されてきましたし、これまで地道に取り組みを進めてきた先進的な自治体は、全国にいくつも存在しています。

僕自身もここ数年、長野県小布施町を拠点に、「小布施若者会議」などをはじめとする、都会と地域のつながりづくりに取り組んできました。

その中で、都会から来る人間と受け入れる地域が、無理なく、でもお互いにいい意味での張り合いを持ちながら、継続した関係性を築いていく上でのコツのようなものがあるのではないか、と思うようになりました。

例えば、その地域への「入り口のデザイン」をどうするか。

突然友人もいない、見知らぬ地域に来て欲しいと言われても、そのハードルはとてつもなく高いと思います。一方で、自分の知り合いがよく通っている地域には、不思議と興味が湧いてきたりします。

ようやく関係づくりの「入り口」に立って実際に訪問したとしても、多くの場合、「いいところだね」どまりで、2度目に繋がらないことも少なくないはず。

最初に地域のネットワークのハブになっている方にお会いする場があったり、スポーツやお祭りなど地域の事業に参加し共同作業の機会があるなど、を地元の方々と「人としてつながること」ができるような入り口があれば、「その次」の関係性づくりにうつっていきやすいかもしれません。

うまく入り口をデザインできたとしても、今度はそのつながりが継続することはもっと難しいもの。

都会の人間、地域の人間それぞれがつくりたい「関係性の深度」によっても、必要な仕組みは変わってくるでしょう。例えば、年に1度訪問する関係性を育むのと、月1回訪問する関係性の育み方では、その質や方法論は全く異なるはずです。

このように、一口に「関係人口」をつくる、都会と地域の関係性をデザインするといっても、誰の目線に立つのか、関係づくりのどのフェーズをデザインしたいのか、どの程度の深度を目指すのか、などの切り口によって、そのデザインはかわってくるはずです。

そして、それぞれの切り口を丁寧に見ていけば、良質な関係性をつくるための何かしらのコツが見つけることができるのではないか。そんなことを考えています。

複数の地域が協働し、学び合う場に

信州つなぐラボでは、フィールドを一つの地域のみを対象とするのではなく、長野県主催のもとで県内の複数の自治体が協働し、同時にプログラムを実施していきます。

今回、その受け入れ地域(対象地域)として手を上げてくれたのは、「長野市鬼無里地区(旧鬼無里村)」「小川村」の2地域。どちらも、県庁所在地の長野市中心部から車で40分ほどの場所にあります。

参加者は、あるときは参加地域を超えて一緒の場で学びながら、あるときはそれぞれの地域で別々に活動しながら、地域の個性を踏まえつつ「都会と信州の新しい"つなぐ"をデザインする」という共通のお題に取り組んでいきます。

「ラボ」という名称にしたのは、「自治体を超えてともに取り組み、そこで学んだことを共有し合う」ことを前提としているから。ここで学んだ「コツ」は、県内の他の自治体にも、どんどん広げ、新しい取り組みにつなげていきたいと考えています。

都会と田舎の「本音」の先をデザインしたい

今回の対象地域の2地域は、どちらも、歴史的にはとても栄えた時代と、信州らしい豊かで美しい風景を持ちながらも、現在は急激な人口減少や少子高齢化、産業の衰退に悩んでいる地域です。

人口減少やそれによる地域の衰退に本当に悩んでいるからこそ、地域の人にとっては、「適当に関わって欲しくない」「住んでほしい」という本音があることも事実でしょう。

一方で、都会から田舎に関わりたいという人々には、田舎の良さを生かしつつも、なるべく地域の「面倒なこと」には巻き込まれたくないという本音もあるはずです。

えてして関係人口に関する取り組みは、そういった本音を隠したり、「だから田舎は」「だから都会は」と、それぞれの立場を批判することに終始したり、、、どうしても一方的なものに終わりがちです。

都会と田舎、それぞれの本音をしっかりと受け止めつつ、お互いの期待値に無理なく歩み寄れる場や仕組みについて考えながら、あたたかくも継続する都会と信州の”つなぐ“をどうデザインできるのか。

信州つなぐラボでは、この問いを大切にしながら、本音を踏まえたその先にあるつながりのデザインを真剣に考えていきたいと思っています。

素晴らしいメンターやコーディネーターが伴奏

第一期プログラムには、長年、地域での生業づくりを進めているつむぎや代表友廣さんや、関係人口という概念を提唱した第一人者のソトコト編集長指出さん、さらには全国のフリーランスの働き方などを支援しているフリーランス協会の平田さんなど、ともに悩み、素晴らしいフィードバックをしてくれるメンターやコーディネーターが数多く参加してくださいます。

ぜひこの機会に、「新しいつながりのデザイン」を、ともに考える仲間になってもらえたら嬉しいです。

第一次募集は8月20日(月)25:59まで

とても長くなってしまいましたが、改めて、第一次募集の締切は8月20日(月)25:59になります。

応募締め切り間近になり、続々と応募をいただいています。先ほどの問いに「面白い」と感じていただいたみなさまをはじめ、ぜひ多くの皆さんからの応募を心よりお待ちしております!

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