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移住しなくてもできる。都会の人が田舎とつながると、どんなことが起きる?

こんにちは、信州つなぐラボ事務局です。

長野県の地域に関わる「つながり人口(関係人口)」を増やすことを目指した実験的なプログラムとしてスタートした「信州つなぐラボ」。これまでに約77名が参加し、プログラムをきっかけに様々なつながりが生まれています。

「信州つなぐラボ」は今年で4年目を迎え、事業としてはひと区切りを迎えることになりました。そこで、2022年3月、「信州つなぐラボ」のこれまでの歩みを振り返るイベントをオンラインで開催しました。

当日は、過去にこのプログラムに関わった約20名の方が参加。各期の参加者にこれまでの取り組みを発表していただきました。都会に住む参加者が、長野県の田舎につながることで、どんなことが起きたのでしょうか?

発表① 中野市(2021年度に参加)

まずは、今年のプログラムが終わったばかりの4期・小松さんです。小松さんたちは、中野市を舞台に、伝統野菜「ぼたんこしょう」の魅力発信に取り組んでいます。プログラム期間中は、首都圏のイベントでマーケティング調査や地元の方たちを招いた試食会を開催しました。

今後も地域の方たちとつながりながら、ぼたんこしょうを使った新商品の開発などを今後もお手伝いしていきたいそうです。

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4期プログラムでは、地元の皆さんと一緒にぼたんこしょうの収穫を体験

発表② 辰野町(2021年度に参加)

同じく4期・清原さんは、辰野町でのプログラムに参加しました。清原さんたちは、辰野町小野地区とその地区を代表する老舗酒店・小野酒造店をPRするために、「姉御酒 ANEGOSAKE」プロジェクトを立ち上げました。小野酒造店の公式アンバサダーをSNSで募り、お酒や地域の魅力を発信してもらいます。

今後は、アンバサダーが作ったオリジナル日本酒が、実際に小野酒造店で販売されることになるそうです!今後の取り組みの様子は、こちらの小野酒造店公式Instagramで発信されるそうなので、ぜひチェックしてください!

発表③ 佐久市望月地区(2020年度に参加)

次の発表者は、昨年、佐久市望月地区を舞台にしたプログラムに参加した3期・伊藤さんです。3期の皆さんたちは、新型コロナウィルス流行拡大の影響を受け、なかなか現地に行くことができないという難しい状況の中で取り組んできました。そんな中、伊藤さんたちは「観光」をテーマに、望月地区の魅力を伝える体験プログラムを企画しています。

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佐久市では、プログラム終了後も「望月つなぐラボ」として、観光以外にも「学び」や「文化」をテーマに、引き続き、取り組みを続けています。

発表④ 天龍村(2019年度に参加)

天龍村でのプログラムに参加した2期・豊村さんは、お祭りを通して、天龍村に関わり続けているそうです。

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伝統ある天龍村向方地区の霜月神楽で舞う、つなぐラボ参加者の皆さん

天龍村は、「お祭りがなくなれば村がなくなる」という人がいるほど、お祭りと暮らしが密接に関わっているそうです。もともと伝統芸能に興味があったという豊村さんは、天龍村の伝統ある神楽にも参加しました。

天龍村はプログラム終了後、「天龍つなぐラボ」として取り組みを継続。新型コロナウィルス流行によって天龍村に通えない間も、参加者の皆さんが天龍村の魅力を発信するオンラインイベントを開催するなど、つながりを継続してきました。

今年は、天龍村で「秘境大学」というフィールドワークを企画。参加者だった皆さん自身が、天龍村のつながり人口を増やしていく存在になっています。

発表⑤ 小川村(2018年度に参加)

小川村でのプログラムに参加した1期の宮本さんは、信州つなぐラボをきっかけに起きた自分自身の変化を共有してくれました。宮本さんは、プログラムをきっかけに、首都圏で小川村をPRするイベント開催や小川村の食材を使ったギフト開発などを行ってきました。

さらに、信州つなぐラボに参加し、小川村の豊かな暮らしに触れたことで、「村に課題があると思っていたが、課題があるのは自分の暮らしの方では?」と思うようになったと言います。

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新型コロナウィルス流行の影響でなかなか小川村に行けない中で、都会での生活の中に、丁寧な仕事や季節の移ろいの美しさといった「小川村らしさ」を探すようになったと話してくれました。

宮本さんの発表を聞いた他の年度の参加者たちは「地域との様々なつながり方を考えるきっかけになった」という感想を話していました。

発表⑥ 小川村(2018年度に参加)

最後は、同じく小川村のプログラムに参加した1期・山崎さんです。山崎さんは、プログラムの中で初めて蔵の改修プロジェクトを今も継続しています。

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2019年以降も、使われなくなった蔵の床板を張り替えるイベントを開催。今年の春、いよいよ一般開放して使える状態になるそうです。

そして、2ヶ月に1回のペースで通ううち、小川村に知り合いも増え、「うちの蔵も使ってほしい」と声がかかるようになってきたと言います。今後も小川村に素敵な蔵がどんどん誕生していくのかもしれません。

多様なつながりが生まれた「信州つなぐラボ」

今回発表しなかった方たちの中からも、信州つなぐラボをきっかけに様々なつながりが生まれています。地域でプロジェクトに取り組む以外にも、「地域で知り合いになった人に会いに行っている」「首都圏で長野のイベントがあれば参加するようになった」など、そのつながり方も様々です。

都会の人が田舎につながることで、それぞれの人生や、それぞれの地域に、小さな変化が生まれるきっかけとなったのではないかと思います。事業としてはひと区切りですが、ここから生まれたつながりが広がっていくことを願っています。

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