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スタインウェイとストラディバリウス

クラシック音楽好きなんですが、とても興味深い番組をふたつ見ました。どちらも過去の番組の再放送なんですが。

ひとつは、矢野顕子が10数年前に手に入れた、ドイツ・ハンブルク工場製のスタインウェイ&サンズのピアノの出自を知る旅を描いたドキュメンタリー『旅のチカラ“私のピアノが生まれた町へ』(2013)。
もうひとつは、イタリアの北部ミラノ近郊のクレモナという町で3年に一度開催される、弦楽器製作者のコンクール「トリエンナーレ」を描いた『地球に好奇心 ストラディバリウスに挑む』(2001)。

『旅のチカラ“私のピアノが生まれた町へ』(2013)

ニューヨークに拠点を置いて活躍する矢野顕子がひょんなことから気に入って手に入れたハンブルク製スタインウェイ。
これで初めて知ったんですが、スタインウェイって元々はドイツ人だったんですね。アメリカに渡りピアノ職人として成功して、故郷に錦を飾るべく作ったのがハンブルク工場、というわけです。

工場内をくまなく紹介してくれたんですが、この手のプロ用、あるいはコンサート用グランドピアノの手の掛け方は尋常じゃないですね。最低でも数ヶ月、場合によっては1年もかけて製作されるということで、値がはるわけです。何人かの職人の仕事に対する誇りみたいなものも素晴らしかったです。
番組では、ピアノの音を左右する重要なパーツである木(スプルース)の森もレポートしていましたが、伐採にもノウハウがあるということですとても興味深いものでした。

最後に“整音”を担当する人との感動の対面を描いていて、ずーっと弾き続けるのかと思いましたけど、驚いたのはなんといま矢野顕子はそれをファンの人に譲ってしまい、同じドイツのメーカーですけど、ベヒシュタインのピアノに鞍替えしてしまったそうです。
まぁ、この辺は、ドライと言えばドライですが、言ってみれば恋みたいなもので、自分の理想とする音により近いピアノに出会って惚れてしまったら、その直感に従うしかないんでしょうね。


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