高橋歩は言ってくれなかった。

僕が大学のころ、高橋歩ブームだった。彼の本を読んでいたし、彼のイベントにも行った。彼が作ったカフェにも行ったし、彼が聞いている音楽を聞いた。

とにかくやれよ、やれば分かるさ。頭で考えるより先に、行動しよう。人生にワクワクしよう。だって、人生は自由だから。

そんなメッセージに、僕もワクワクしたし、こんな大人になりたいと思っていた。そして、実際に、新卒で入った会社を1年で辞めた。結構、彼のメッセージを正直に受け取って、行動したほうだと思う。

その後、僕は、友人同士で雑貨屋さんを立ち上げた。少額だけど借金もしたし、お店をDIYで作って、仕入れて、販売した。店内でギャラリー展示をしたり、お店でイベントをしたり、いろんなアイデアを試した。

楽しかったけど、仕事にはならなかった。自分の力の無さを痛感した。社会では何も役に立たなかった。打ちひしがれ、人のご縁で今の職場に入った。

今、当時を振り返る。何が必要だったのか。

それは準備だと思う。

高橋歩は、行動せよ!とは言ったけど、本当はちゃんと準備も必要なのだ。とは言ってくれなかった。

この間、先輩とご飯食べに行って『準備をすること』についての話をした。やっぱり準備をすることを怠るべきではないし、準備をしていないことはできないんだ。

そして、準備をしてないことを無理矢理やるようなリスクは負わないほうがいいし、準備をすることでリスクは最大限減らせる。

たぶん、あれだけ成功している人だ。本当は、知っていたんじゃなかろうか。とか思う。そういうことも書いてくれればよかったのに。でも、あのキャラで「準備も大事だよ」なんて言ったらひんしゅくかな。それとも本当に大事なところは企業秘密だったんだろうか。

まぁ、でも、今となっては良かった。準備が大事だと学べたから。随分と若い時に。そういえば、Caravanを教えてくれたのは、高橋歩だった。

ここでないという何処かへ 行きたがる人の群れを抜け
僕はここにいようと決めた
目の前のドアを開くたび めくるめく日々は一人旅
少しびびったり 強がってみたり
1,2,3 とか A,B,C とかドレミではないメロディーを
心とか気持ちとか伝えきれない曖昧を
歌うよ 声を枯らし   歌うよ 声の限り
心の波に身を沈めて見上げた水面に映すのは
名前をなくした自分の姿
3つ目を開いてみつめるよ 自分をオリジナルと信じよう
気付かずに決め付けた自分らしさという箱に
気が付けば閉じ込めた下手くそな嘘並べて
書きなぐった胸の落書きや繰り返していた悪あがきは
口に出してみれば シンプル で カラフル で ピースフル
時に迷い込んだ迷路 その先の空に響いた音色
口ずさんでみれば シンプル で カラフル で ピースフル


将来的に「フェスティバルウェルビーイング」の本を書きたいと思っています。そのために、いろんなフェスに行ってみたい。いろんな音楽に触れてみたい。いろんな本を読みたい。そんな将来に向けての資金にさせていただきます。