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今の葬儀トレンドを知り、自分らしく終えることを考える

※「死ぬじゅんび」というイベントのレポート記事になります。イベントの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

「死を考えるということは、あらためて生きることを考えるきっかけになる」をテーマに、クラウドファンディング、保険や法律、葬儀のプロなどを講師に招き、みんなで最新の「死」にまつわるあれこれを学びました。

みなさんは葬儀についてどのような印象をお持ちですか。

遺族が勝手にあげるのかなあ。お金がかかりそう。めんどくさそうとか思いつつ、よくわからないというかたが多いと思います。いつ自分の葬儀があるかもわからない。親の葬儀もいつ来るかもわからない。

今回は株式会社よりそうの高田綾佳さんに、望み通りの葬儀を執り行うポイントについて伺いました。

葬儀の3つのポイント

今回お伝えしたいことは3つ。

これらを抑えると故人も、残された人もお互いがハッピーな形でお別れの場を迎えられるコツがつかめるそうです。

そもそもよりそうとは?

よりそうはインターネットで葬儀を手配できるサービスを運営する会社です。ネットで問い合わせをすると、提携する葬儀社を紹介するサービスの仲介会社をやっています。同じことをお坊さんで、お坊さん便というサービス名でやっています。


今の葬式業界の当たり前について実例を交えて説明してくれました。

変わる葬儀のあり方

昔の葬儀の当たり前でまず浮かぶのは値段が高いこと。日本消費者協会曰く全て込みで200万円かかるとのこと。そして次に、昔は無茶苦茶派手でした。10-20年前だと会場は〇〇会館で、参列者が100〜200人。祭壇の花が一面に飾られていた。どの葬儀も派手さを競うではないが、派手にしようとしがちでした。また、お坊さんいるのがいるのが当たり前。立派な葬式ではお坊さんが2人以上いる場合もありました。

今のトレンド3つ

実は今のトレンドの1つは簡素化、小規模化にあります。現在参列者30名前後の家族葬は増えていて、他社の調査いわく半数にのぼるそうです。その背景には高齢化のため葬儀に来れる人が少ない、そもそも家族以外の人が参列できない、核家族化などの理由が挙げられます。

また、お通夜をなくした一日葬も登場しています。一晩泊まってもらうには参列者が高齢すぎて負担になる。その結果、一日葬を選ぶ人が増えているそうです。

無宗教葬を選ぶ人も増加しています。次男三男だとお坊さんとのご縁が薄くなって、お坊さんに頼みたくなっても縁がない。また、自分のお寺で葬儀をあげて戒名を付けないとダメだ、と付け直しになるケースも。

お別れに個性を加えるのもトレンドの2つ目です。亡くなる前に行う生前葬は顔を見てお別れを言える点が特徴です。最近ニュースになっていた例だとコマツ元社長の安崎暁さんの生前葬が話題になりました。

近年見直されているのは自宅で葬儀を行う「自宅葬」です。今だと葬儀は葬儀をするためのホールが一般的な印象かと思いますが、それを自宅で執り行うのが自宅葬です。

例えばIT会社のカヤックが子会社として自宅葬を専門に執り行う鎌倉自宅葬儀社を2016年に設立して、自宅葬をプロデュースしています。ご自宅であれば自分らしいお別れができるということで見直されています。

今までだったら一族の墓に入れるのが普通だったかもしれませんが、地方にあって、納骨に行くのが大変だったりすることも。そうした場合、いつでも近くで永代供養をやっているところに納骨しています。

また、お墓に入るというよりは自然に抱かれたい、という人たちが増えていてそういった海洋散骨を選んだりしています。

トレンドに乗り間違えるとこんなリスクが!

しかし、こうしたトレンドの乗り方も間違えると逆に苦労をしてしまう場合もあります。

①コスト重視の家族葬
かかるお金は安く、お香典返し少なくて楽かなと思っているとお見送りしたかった人とのトラブルになってしまうここともあるといいます。結局弔問するかたへの対応が大変だったり、香典返しが結局発生するケースも。

②なんとなくの無宗教葬
四十九日で納骨しようとするとお寺のお墓に向かうと、お坊さんに「なぜ私を呼ばなかった」とトラブルになる場合もあるといいます。また、自分のお寺で戒名をつけないとダメだと二重払いになるケースも。無宗教葬をするにしても、お寺とご縁があるならご一報を入れたほうが良いでしょう。

自分で挙げられないからこそやれること

当たり前ながら、葬儀は自分で自分の葬儀をあげられない。だからこそ自分にあった葬儀を考え、葬儀に必要な情報はきちんと残すことが大事になります。

書いてみると案外骨が折れるので、一度エンディングノートを書いてみるのがおすすめです!もし書こうかなと思ったら、ぜひ書いてみてください。

プレゼン後、会場からは「親にどうやってエンディングノートを渡せばいいか」、という質問が出ました。それに対し、高田さんは

「芸能人の訃報の時にちょっと話す」

と意外な変化球の答えを返していました。なかなか切り出しにくい話題ですが、芸能人の訃報のついでなら話題としてきりだしやすいかもしれませんね。

プレゼン後に寄せられた感想では以下のように、自分の葬式観が変わった!という人が多くいました。ぜひnoteを読んだ人もエンディングノートを読んでみることから始めてみませんか。

「葬式のいまの状況がきっちりまとまった形で理解できてよかった。最近のトレンドをいろいろ紹介してもらって、それでも乗っかったほうがいい理由、乗っからないほうがいい理由など、メリット・デメリットを聞けたのがよかった」
「結局残った人で頑張るんでしょ、と思ってたけど自分の葬儀を自分で選べるというのは目からうろこでした。まずは自分の意志を近くの人に話すって重要だなと思いました」


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