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少年たち 2023闇を突きぬけて 考察レポ

最初に

ずっとレポなり感想なり考察なり自分が見たものを自分の言葉で書き留めて置きたかったのですがなかなか始める機会が見つけられず意を決して!解説しました。
自分の感じたものを思うままに好きなだけ綴っていこうと思ってます。

早速ですが考察スタート。

開演5分前に大昇がタイヤ周りのひまわり🌻にお水をあげに来るシーンがあるとXで拝見し、
トイレ不安症な私はとにかく5分前には座らなきゃ!という気持ちでソワソワしながら私的初日を迎えました。だって1分でも多く美〜を見たいもん!(いつも必ずギリギリ着席💦)
まぁ想像通り舞台上に大昇出てくると各々双眼鏡のピント調整したり、ビジュについて連番相手とあーだこーだ言ったりしてるのが聞こえてきて、今までのコロナ禍では絶対あり得なかった状況で開演前の高揚感をひしひしと感じるわけですが…(ウキウキ🐒♪)
冷静にひまわりに水あげてるの可愛いな〜としか思ってなかったわけなんです(意味が分かるまでは)

まず。確認程度に役柄確認。

青チーム(South)
○藤井 那須 金指

赤チーム(Noth)
○龍我 浮所 大昇  ※○はリーダー

舞台は、現代のごく普通の日常からスタート。
Jr.たちがバズるダンス動画をSNSにアップしたり、カラオケに行ったり、バイトをサボったり。本当に普通の日常が怠惰に感じて刺激が足りない毎日に退屈な様子。
まぁ確かに同じことの繰り返しでつまらない日常生活にうんざりだなんてことみんなにもよくあることですよね。どこかジャニアイみたいだ〜ここは帝劇か!?と錯覚するのも束の間、サイレンがけたたましく鳴り響き、日本が戦争状態に入ったと。結構音大きくて怖かったなぁ。
ここで観客の集中力もグッとギアが上がった気がします。
大昇は太陽くんビジュで制服姿で登場するんだけど、戦争状態になったことを理解できてない様子。(あまりにも突然にことが進みすぎて理解できないというより追いつけない感じ)気がついたら、警察?に取り押さえられ向こうにいるはずの家族(父、母、姉)は爆弾によって街ごと破壊されてしまったショックで記憶喪失。ここから物語の時代背景は平和で平凡で退屈な現代から戦争に。戦後は物資が満足に届かず腹を空かせ生きることに必死な自由を奪われた青年が少年刑務所に次々と収監されていきます。生きるために盗みをしたのだから悲惨だけど仕方ないかな…きっと今回の罪状は過去2年間の少年たちとは大幅に異なり、生きるための食料盗みや隊長の命令に従わざるを得ない少年兵が存在したように、戦争が巻き起こした二次災害レベルの罪状。つまり全て戦争が巻き起こした災難の集いだったかのように見えます。

こんな感じでざっくり状況説明をしたところで本題へ。

今回私が着目するのは、
①なぜ大昇はひまわり🌻を斬ったのか
②なぜあんなに大切にしていた日記を最後に持っていなかったのか

この2点を考察していきます。

【開演5分前】
まず。
大昇が開演5分前、ひまわりに水をやりにくる時点で大昇は既に亡くなってると考えます。(歩き方や穏やかな顔の表情から記憶喪失の大昇には到底見えないからです)

【開演】
開演後は大昇の記憶が戦争により無くなってしまい、人格がまるで変わり子ども化してると考えます。(言葉遣いや無邪気な様子から)

少年院でみんなと生活し始めて仲間の大切さや喧嘩することはよくないことなんだと何かにつけて大昇はみんなに諭していきます。きっとこれは記憶がない状態だからこそ赤とか青とか関係なく公平に考えられている(青房に食事を運ぶシーンで、ま、俺も赤だけど💦って言ってるし)大昇にとってあまり赤とか青とかの確執はなかったのかも。

【日記授与式】
一世から日記を渡されて、記憶がない大昇にここで思い出をみんなで作れば良い、思い出はいくらでも作れると教えてもらって相当嬉しい出来事だったんじゃないかな…
(個人的には初代日記ボーイからの授与式がめちゃくちゃ感動しました みなさんも同じ気持ちですよね!?w)謎の圧力をかけてすみませんw
たくさんの出来事を日記に書き留めて大切にしてたんだと思います。これが大昇の記憶の欠片の一部なわけですから…

【ふじたい約束の歌シーンから脱獄決意まで】
子ども人格では大昇はここが僕の居場所でありずっとここにいたいって言ってるんですよねだからやっぱりこここそ大昇の生きる意味になってたとも感じます。
何よりも仲間が大事だったからね。

【一幕の終盤 大昇の夢のシーンから脱獄計画まで】

今までの日記の読み方と明らかにトーンや顔色が違います
「おはよう おやすみ こんにちは 僕に挨拶を交わす友達ができた」「だけど僕には悩みがある たまにする喧嘩は余計だけどみんなのことは大好きで」「でもみんなは、早くここから出たいと言う」「僕は仲間ができたこの場所が大好きなのに」「僕はどうしたらいいんだろう なにか僕にできることはないのかな」と。
まるで現実の記憶が悪夢と交錯してる感じがしますよね…
そしてその日記を広げると赤チームが次々と舞台したから出てきて、大昇の声も映像もどことなく歪み始めるシーンでは、結局のところ僕がみんなにできることはなんなのか自問自答の様子が感じ取れました。しかし、夢が覚めると赤と青はまたしても喧嘩し、看守長が来てボコボコにされて…とまたいつもの日常が始まります。
一世が拳銃向けられてそのほかたくさんの仲間が看守長らによって散々ボコボコにされる様子を見て、大昇は「みんなここから出ないと殺されちゃう だから脱獄しなきゃ😭」と脱獄を企てるわけですが、ここでもやはり大昇は自分は殺されても良いけど仲間は絶対に何としてでも脱獄させなきゃという思いが伝わってきてかなり辛いです…

【二幕スタート 脱獄開始】

脱獄計画によると、藤井と浮所がマスターキーを仕入れ開けるはずだったが、焦る気持ちからなのか全然うまく鍵を開けられないし、その後の道案内もカードキーも全て大昇がサラッとやってみせます。脱獄計画から一週間作戦を練る期間があったわけですが、一世主導に地下通路掘ったり、各々脱獄ルートを頭に入れたりみんな毎日の懲罰プラスアルファでよく頑張ったね🥺の気持ち。(いや命がけの脱獄なんだから当たり前なんですが)
でもやはりこのシーンでも大昇だけがあどけない様子だったのが少し気になりました…道間違えたりしてたし…でもここで大昇が鍵を器用に開けてくれなければ脱獄がうまくいってなかったかもしれないし、もしかしたらエンタメ的に👍ってハンドサインしたりだったのかもだけど。(やっぱ自分は脱獄する気がなかったから冷静になれていた部分もどこかあったのかな…考えさせられます)

【脱獄寸前】

浮所が那須を助けに行き、無事にみんなの元へ合流できたとき大昇めちゃくちゃほっとした顔するんですよね…やっぱりみんなの無事を心配して落ち着かなかったんだなって😭
一息つく暇もなく、看守長が現れ脱獄物語はクライマックスへ向かうわけですが、当たり前のようにみんなは早々牢獄を抜け出して、歩いてきます。
がやはり大昇は塀を登りみんなのおとりになると。こうでもしなきゃ看守長の悪事が世間に明るみになることはなくみんなの刑期も短縮されないどころかここで死んでしまう恐れがあるわけで。藤井は弟のために行かなきゃだし、龍我は生きる意味を失いかけた一世にパンを毎朝届ける夢があるし、浮所と那須はダンスの夢がある。だからみんなの生きる意味や夢を応援したい。仲間だから。っていう激アツ激重理由で大昇が撃たれてしまいます…(ほんとに切なすぎるし悲しすぎて表す言葉見つかりません)
大昇にだって幸せになってほしいよ…😭これオタクの総意。
家に帰りたいみんなと僕の家は少年刑務所の対比があまりにも辛すぎますよね。

とここで大昇は「僕の夢は家族を守ることだ」と。
戦争で家族を守れず後悔の念が残る大昇だけど不本意にもここで家族とするみんなを守ることができてしまったわけです。もしかしたらここで死ぬ直前走馬灯のように昔の記憶が思い出され、入り混じり父、母、姉が亡くなってしまったことを感じていたのかもと捉えています。

【看守長送還から出所後】

看守長だって戦争の被害者だし大事な家族を亡くしてます。舞台冒頭、あんなに子供ができたことを喜んで電話してたのに…世知辛すぎるよ!!
大昇の犠牲もあって悪事が明るみになって(きっとそれだけじゃないけど)ようやく出所ができる日が訪れた。出所おめでとう!ってちいのが言うけどずっと味方してくれてたから、ちいのが言う意味が重かった気がするな。きっと、ちいの達も大変だったよね。
そんなこんなで無事みんなが出所できてそれぞれの夢に向かって旅立つことができました!!
よし!!✊HAPPY END!!!!!!!!!!

じゃないですよ!!!!!!!!!😡

ここからですよ!ここから。もう少し真剣に考えていきます。

【みんなが大昇に会いにくるシーン】

結構時間経ったのかな、藤井は視力悪くなるくらいに考古学の研究できてるし浮所も那須もダンスのコンテストで賞取ったり、一世はリサイクルショップしこたマネーやっちゃってるし、龍我はちゃんとパン焼いてるし。それぞれやりたいことできてて夢叶えられてよかったな… 龍我は本当は一世にパン焼くはずだったけど一世はもう生きる希望見つけたからパンの必要は無くなったのかな…(かなりゅ応援隊としては一世のためにパン焼いてきたほしかったりするけどストーリーから逸脱してしまうのでここは割愛😭)

みんな大昇に会いにきてるけど、大昇は本当の夢は叶えられてないんだよな…やっぱり辛い。
戦争で家族守れなかったのは時代的にも仕方ないけど記憶失っちゃってたせいで、他のみんなとは生きる意味合いが違ってたし、犠牲にまでなったし。

ここで舞台上にあるのは、タイヤとひまわり🌻。
しかし、龍我は「俺たちの思い出の場所なんもなくなっちまったなぁ」
那須「残ったのは、これだけだな」とタイヤを指差して言います。

ええええええええええっっっっっっ!!!!!!!!!?????????????

ひまわりに触れてないんですけど。

え、みなさん思いましたよね?ひまわりの存在どうなってんの?って。

はい。また圧力かけます。明らかにここ着目ポイントじゃないですか!?

あんなに開演5分前から大昇がひまわりに大事そうに水あげてたのに残ったのがタイヤだけですって!? 

そんなわけないじゃん!!許せない!!(菊池風磨オマージュ)

とするとですよ?

最初からひまわり🌻は大昇だけにしか見えてなくて、
大昇だけにしか見えてないからこそ
大昇にとって思い出の花だったり”絶対に枯らしてはいけない” ”腐らせてはいけない”存在だったのかなと思います。それってつまり戦争でなくした家族の献花的意味合い!?
ひまわりが大昇だけの特別なもの=家族だとすると
ひまわりの花言葉「私はあなただけを見つめる」「あなたを幸せにします」が辻褄あっちゃうんですよね。

少年刑務所仲間と過ごした日々は確かに大昇にとってかけがえのないものだったかもしれないし、仲間の大切さを再確認した日々だっと思います。でも日記は亡霊となって生まれ変わってるはずなのに持ってないし。
しかし大昇にとって本当の幸せは何一つ変わらない当たり前の日常だし、家族が何よりも大事だったんだと思います。
きっと亡くなって亡霊となった大昇は記憶が戻ったことで人格が戻り、家族をひまわりと見立ててお世話してたんだと思います。

【みんなでご飯を食べにいこうと誘うシーン】

まぁ平和的にストーリーが終わって、みんなで仲良く久しぶりにご飯食べに行こう!的な感じでまた戦争前と変わらない、いつも通りの平和で平凡な退屈な日々が始まるんです多分。

過去の歴史的な戦争も、経験者が亡くなって話を継承できる語り部がいなくなれば人々の記憶から消え去り、風化されていってしまいますが。

本当にそれでいいの!?
同じことの繰り返しをしてるだけでまた悲惨なことが起きてしまうんじゃないの?

って。

【END】

みんながまさに平和ボケしてる最中、突然5人心の闇を吐き出すかのように
勢いじみてセリフ言うとこ(めちゃくちゃ聖徳太子になりたいのですが)
「本当にそれで良いのか」「卑怯」「ふざけんなよ」とか聞こえた気がします。
戦争が終わって、また平和な日常がやってきて、精神的にも肉体的にも傷を負った人々がいくら平和な世界に戻っても傷が癒えることはないと思うんです。

大昇が
あんなに大事にしていたひまわり🌻を
あんなに喧嘩が嫌いだった大昇が”警棒”で斬っちゃいます。
それもばっさりと。

そもそも戦争がなければひまわりなんて水をあげる必要も少年刑務所に入る必要もみんなが喧嘩する必要もなかった。
そういった複雑な思いが交錯して全てを壊したい、何もかも消してしまいたいという破壊心が最終的にひまわりを斬った理由かと。

狂気じみてますよね。めちゃくちゃ怖い。しかもそれがスクリーン上の少年たちのロゴと重なるし美少年のロゴもからも重なってしまうから本当に岩本くんの演出・構成素晴らしかったです。もはや怖いです。

やっぱり舞台は楽しいし色々考えさせられます。

美少年単独初舞台めちゃくちゃかっこよかったよ!😭
改めておめでとう!

余談ですが。
ひまわりは学名を「Helianthus」と言い、これは太陽の花という意味です。英名では「sunflower」。これは、太陽の動きに応じて、ひまわり自身もその花の向きを変えると言われていることに由来しています。ネット記事参照。

春は短し、恋せよ男子で太陽くん役をやった大昇が「太陽の花」
と関連した役をやるなんて偶然なのか必然なのか、引き寄せる運命はすごいですよね。


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