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人生を賭けた戦い 〜『動物園物語』に挑む〜

こんばんは。

寒いのか暑いのかと聞かれるとまだ暑い日が続いています。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

風邪ひいてません?

ちなみに僕は今年一度も体調を崩していません。

そうそう、今年から腹巻きを導入したからかもしれません。
腸さえあっためておけば万病に効くのかもしれません。

いや、わかりません。

そもそも本当に病に効く薬はあるのか。いや、対症療法自体、本当に正しいのか。

本当の真実は誰にも分からなくて、真実らしいものを信じてみたふりをしているのか。

ごちゃごちゃ考えていても答えなんか出ない気がします。いや、そもそも答えなんて。あ、そうだ。僕の家、最近ルンバを導入しました。人からの貰い物ですけどね。活用してます。

うん。

最近気づいたことがあるんですけど、俳優という仕事をしている人間は往々にして上の文章のような「そもそも論」と「支離滅裂で感覚的」な言葉をたくさん言っている気がします。

つまり、変。

僕もご多分に漏れず、こういうことを言ってよく煙たがられます。

飲み会の席でも、「とりあえずカラオケ行こ!」とか、「とりあえず生で!」とかの「とりあえず」がなぜ「とりあえず」なのか、言い出した人は誰なのか、そもそもなぜ人の歌声と自分の歌声を嬉々として披露し合えるのか、よくビールなんていう苦い汁をよくごくごく飲めるな。とか思っちゃうわけです。

厄介なことにそれらが顔に出ます。

僕は楽しい場なのに哲学者のような顔になってしまう病です。

しかも、先ほど書いたように僕だけでなく俳優の多くは変です。

そして、そんな変な人たちが自分たちの力だけで、最高に難解な戯曲に向き合い、それをお披露目する日が、まもなくやってきます。


とある俳優2人。

牛嶋裕太と諫早幸作。

この2人もそれぞれかなりクセが強い。

でも、そんな2人だからこそ必ずやり遂げてくれる。

そう信じて、今日は書いていきたい。




人生を賭けた戦い


稽古風景(左:牛嶋裕太 右:諫早幸作) 撮影:松井綾音

まず、この2人と僕の年齢差は3.4歳。

僕は牛嶋裕太はうっしーと呼んでいる。諫早幸作を幸作くんと呼んでいる。

うっしーにはタメ口、幸作くんには敬語だ。

このチグハグな状況は出会いが原因。うっしーとは映画の役で同級生として、幸作くんとはプライベートでうっしーの友人として出会っているからだ。

だとしても、敬語で統一しろという声がありそうなので先に言っておく。

全くもってその通りだ。

うっしーさん、いつもすんません。

でもね、うっしーには年下にも緊張させない何かがあるし、幸作くんには、、
うん、にもあるか。

あれ、なんで幸作くんに敬語なんだろ。

あ、幸作くんと出会ってまだ数ヶ月なのでしょうがないかもしれない。というか、敬語からタメ口への切り替えのタイミングって難しいからね。もう少し様子見させてください。

まあ、それはそうとして

今この2人はタイトルの通り

人生を賭けた戦い

の真っ最中である。

誰かに強制された訳でもなければ、ノルマでもない。他人に突き動かされたから戦っている訳でもない。2人だけの死ぬほど孤独な戦いだ。

それが

2人芝居への挑戦。

である。

冒頭で言い忘れましたが、俳優という人間のもう1つの特徴として、「アツい」というのもある。

しかし、うっしーと幸作くんはこのアツさを滅多に表に出さない。

静かに、でも確かに内側で燃えたぎっているのだが、表面的にはクール。

そんな2人が孤独な戦いを始めたのだ。

この瞬間を友人として協力しないわけにはいかない。
今回僕は俳優としてではなく、音響として参加させてもらうことになった。

2人の眼差しを日々見ていると、生半可な気持ちで関わることができない。

だから僕も本気だ。

そして、なぜここまで僕が誇張していると思われかねない
「人生」とか「孤独」という強いワードを選んでいるかと言うと

今回の戯曲(台本)がとてつもなく緻密で、難解で、そして傑作だからである。


動物園物語に挑むということ


今回のお芝居の戯曲は1950年代のアメリカを舞台にしている。

「動物園物語」という戯曲。

演劇好きな方ならご存知な方も多いとは思うが、この作品本当に難しい。

ネタバレになるのであまり言えないが、この作品を初めて見る人はとてつもない衝撃を受けると思う。

ピーターとジェリーという2人の登場人物のみしか出てこないが、その先に見えてくるものは誰にも予想ができないだろうと思う。

そして、この戯曲を演じる俳優の負担はというと、もう本当とんでもない。

つくづくこの仕事はドMの人しか出来ないなと思うほど。

傑作と言われる作品を演じるのはやっぱりとんでもない重圧だろうし、俳優のお芝居で大きく転換してしまう可能性だってある。

でも、この戯曲を選んだ2人のクセが弱いわけがない。

ここに自分から立ち向かえる俳優ってそんな多くないんじゃないかなって思うし、相当ドMでストイックじゃないと無理。

口ではいくらでも誰でも「やれます。」なんて言うだろうけど、実際にこの戯曲に挑むことを考えると足がすくむ。

それでも、自分の何かを犠牲にしてでも得られるものがあると思ったんだろう。

まず、この決断を僕は誇りに思っている。


うっしーと幸作くん


何かに悩む3人 撮影:松井綾音

今からこの2人のことを偉そうに書いていく。

僕の思いっきり私見なので、悪しからず。

この2人の共通点は、なんといっても気遣いの人だと思う。

ていうか、繊細なんだと思う。

うっしーも幸作くんも誰かを傷つけないように慎重に言葉を使う。それって、自分が傷ついた経験から他人に同じ思いをしてほしくないっていうことだと思う。

2人とも人間的な魅力がすんごい。

所々変だけど。

うっしーは気遣いすぎて、スイッチオフにしても良い時も、まだ気遣い続けるし、幸作くんは、まだ話が続くだろうと思って待ってたらいつの間にか終わってて、「え、これなんの時間?」ってなる時もあるし。笑

適度に人間らしくて、それでもこんな年下の意見にも耳を傾けてくれて。

あと、人との繋がりを増やしてもらった。出不精な自分にとっては目まぐるしい出会いは本当に有り難かった。この舞台に関われたからこそ頂いたご縁がたくさんある。

「みんなが色んな人と繋がる場所として機能したらいいなあ」

と、うっしーが言ってくれて、実際そうなってるし、

自己犠牲に近いというか、他者への尊重と愛に溢れた2人だと思う。

幸作くんとも出会って数ヶ月だけども、会うと実家のような安心感がある。2人とも良き兄貴でございます。

よく2人とも

「みんなが手伝ってくれてるおかげで何とかなってる。俺らだけじゃ無理だったよ。」

なんて言うけど、

違うよ!!あんたらの魅力がそうさせてんだよ!!って拡声器を使って言いたいくらいだ。
椎名林檎さんから常田大希さんへと繋がれた拡声器のバトンを僕にください、誰か。


舞台の上では


そして、こんな彼らが12月15日(金)から下北沢スターダストで『動物園物語』の初日を迎える。

散々彼らのことを、戯曲のことを書いてきたが

舞台の上では、等しく自由である。

と僕は信じている。

彼らが僕に与えてくれたものを今度はお客さんに届けてくれる。

自分勝手に、伸びやかに、楽しんで欲しい。
こんな人間的魅力に溢れた2人だからこそ演じられるピーターとジェリーがある。
そして、俳優として人間としての彼らの生き様をどうか見届けて欲しい。

初日は満席に近いようなので、ご購入はお早めに。

「動物園物語」作:エドワード・オールビー翻訳:鳴海四郎

▼出演
牛嶋裕太 諫早幸作

▼スタッフ
音響:山本篤士
衣装:永樂琢摩
宣伝美術:松井綾音 / fog.
当日運営:小日向雪

▼協力
株式会社ノックアウト
劇団東京乾電池

▼日程
2023/12/15(金)〜17(日)
15日 19:00-
16日 13:00- / 17:00-
17日 13:00- / 17:00-

▼アクセス
下北沢 スターダスト
東京都世田谷区北沢1-19-10 3F
(下北沢駅から徒歩2分)

▼チケット
前売:3,000円
当日:3,500円

▼ご予約
カルテットオンライン

▼公式サイト
ライブポケット

※こちらでもチケットの予約が可能です。

▼主催
株式会社ドルチェスター
お問い合わせ:info@dolce-star.com


これが終わったら、とりあえず生ビール飲んで、とりあえずカラオケ行って、バチバチに楽しみます。

あ、

こういう気持ちか。

さて、先週に引き続き、宣伝のようになりましたが、たまたま周りの大切な方のイベントが重なったんです。

来週からまたブンブン飛ばしていきますよ。

はい、ブンブン。



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