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学生の頃になんか戻りたくない①

まずはこちらをご覧頂きたい。

突然ですが、長澤知之というアーティストをご存知でしょうか。

「パーフェクト・ワールド」と題されたこの曲。

「小便臭い青春なんか美しいなんて思わないよ」

という歌詞から始まる。

誰もがよく聞く「あー学生の頃に戻りたい。」という言葉と対になる表現だと思う。

先に言っておくが、僕は、学生の頃に戻りたいなんて1mmも思ったことはない。1mmもだ。




過去に戻りたいか


まず、誰もがよく言う、よく聞く「学生の頃に戻りたい。」という言葉。
この言葉に改めて僕は全く共感ができない。

パーフェクトワールドの歌詞では次にこのように綴られる。

費えていく むしばまれてゆく いいやこれこそ前進なんだ

長澤知之「パーフェクト・ワールド」

過去に戻りたい多くの人にとっての「今」は「過去」より劣っているのかもしれないが、そうではないと。「今」起きている出来事は「過去」よりも前進している点で優れているんだよ。と語りかけてくれる。

そうだよね、「今」の苦しみって「過去」よりももっとリアルな痛みだけど、それで後退することはないよね、前進だよねって。

そして、その後に衝撃的な言葉が綴られる。

確かにあの日見た青空は今よりでかかった だから何

長澤知之「パーフェクト・ワールド」

この歌詞には脳天をぶち抜かれた。

まず「学生の頃に戻りたい。」という人は、何も知らないからこそ見えていた景色があって、その頃の純粋無垢な状態に戻りたい。という願望があると思う。大人になって色んな仕組みや裏側を知っちゃったせいで辟易して、何にも縛られなかったあの頃に戻りたいよって。

歌詞前半の「確かにあの日見た青空は今よりでかかった」は、そんな彼らの気持ちも「分かるよ」と寄り添う。

でも、その後「だから何」という衝撃的な言葉を歌う。

昔の方が青空が大きかった。それは事実だろうけど、だからどうした、大きいから何かあるのか、と。

過去に戻りたいと思わない僕にとっては赦しを与えられた気がした。

いやだって9.5割くらいの人が「学生の頃に戻りたい。」って言うんだもん。
え、俺なんか間違ってんのかなって。あと、戻りたい人の常套句で「この今の状態のまま戻りたい」っていうのも、申し訳ないけどよく分かんない。過去に今の自分引きずっていって、なんか答え合わせできるの?多分あんま良い気しないよって思う。あの頃はあの頃でベスト尽くしてたんだからもう良いじゃん、それで。



完全なんておとずれない


そんな衝撃的な言葉の後にサビがくる。

完全なんておとずれない 完成なんてしやしない 移ろいやすい街の中 待ったのない人の流れ

長澤知之「パーフェクト・ワールド」

これがタイトルの「パーフェクト・ワールド」に繋がってくるんだけど、
「過去を今の自分で補完しようとする無意味さ」を言ってると僕は思う。

超大前提として、時間は不可逆だし、過去を今から変えようとしても、もう無理だよねって。どう頑張っても操作はできないよねって。

僕も死ぬほど後悔していることなんて山ほどある。その過去を反省して自分の今の行動を変容させられるんだったら「後悔」は必要だと思うけど、戻ってどうこうするってのはちょっと違うかなとも思う。

過去にしたことで起きている今の事象がネガティブなものだったとしても、それは勉強する機会を貰えたと捉えればいいし、次に活かせばいい。根性論とかじゃなくて、時間が不可逆だからこそ、そうするしかない。それしかない。

果たしてその考え方はネガティブなのかと聞かれたら、決してそうではないと思う。あえてややこしい言い方をすると、

今生きている人間は今を生きてるんだから、今出来ることをするしかないでしょ。

ってことになる。

ややこしい話になってきましたが、もう少しお付き合いください。




本当に学生の時の方が楽しい?


少し話を戻して、「学生の頃に戻りたい。」について少し書いていきたい。

冒頭でも中盤でも何度も書いているが僕は全く戻りたいと思わない。今の方が楽しいし、これからの方がもっと楽しいと思うからだ。

今の学生たちを見て面と向かって「今が一番楽しい時期なんだから目一杯楽しみな。」と僕は絶対言えない。

むしろ、よく頑張ってるな、すごいな。と思う。

皮肉でも何でもない。

あれだけ閉鎖的な空間に入れられて、毎日早く起きて、同じ服を着て、それだけで大変なのに、少しはみ出ただけで叩かれて、酷い場合は「いじめ」に発展する。

すべての学校がそうではないと思うけど、同じ「人間」が運営している空間だからそう大差ないんじゃないかなと思う。学校あるあるとかだって、どこの地方から来た人でも概ね共感しあえるし。

よく学校は「社会の縮図」なんて風に言われる。でも僕は縮図どころかもっとしんどいでしょって思う。

仲良くもない人たちと同じ空間で数年過ごすことも、集団行動のために自分を律していかなきゃいけないことも、理不尽に耐えることも、会社という組織であれば「自分の生活のため」という理由があるから、そこで思いとどまれるとは思う(一方でそれが無理な人が一定数いるのも重々承知している)。

でも、学校に通うことが「自分の生活のため」になる学生はいないし、(基本的な教養を身につけるという点ではそうかもしれない)それらの苦しみを簡単に「あ、じゃあ学校辞めます。」で解決出来るようなものではない。だって、未成年は親の庇護下にいて、学校を辞めるにしても扶養している家族の事情が優先されるから。
その苦しみをずっと抱えたまま、解消もされず、出口も見えず、ずっと学校に行き続けるのってマジで地獄でしょ。
一方で社会人なら転職も大抵自由だろうし、自分の意志と行動で環境を変えられることが多い。

そんな状況で僕自身も何度もしんどい思いをしたからこそ、今の方が楽しいと胸を張って言える。

学生の頃の方が楽しい、という大人がいる一方で、今の方が楽しい、と言っている人がいる事を知って欲しくて長々と書いてみた。

自分が学生の頃、大人の「学生に戻りたい。」という言葉で何度も「じゃあ今がこれだけ苦しいんなら社会出たら絶望的じゃん!!」と思った経験から、あえてここに残しておきたい。

俺は今の方が断然楽しいぞ!!!!

これが今苦しい人に届いたら良いな、と思う。

さて、この「過去」についてはまだまだ思うことがあるので、このnoteを第1回として、来週第2回を更新したいと思います。

パーフェクトワールドも是非来週までに聴いてみてください。

最後までありがとうございました。

なんか今回真面目ですんません。

また来週!




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