【旅行記】福井周遊 vol.1 2022.09

先日18きっぷを使用して日帰りの旅行を遂行した。諸般の事情で、どうしても1日分の切符が余ってしまったのである。唐突ではあったが、未乗の区間を乗りつぶす旅に出かけることにした。


【旅の目的】

  • 未乗の舞鶴線、小浜線、越美北線に乗車

  • 北陸新幹線延伸工事中の各駅視察(敦賀駅、福井駅)


さて、18きっぷ旅にも関わらず、早速特急列車に乗る羽目になった。舞鶴線のダイヤがうまく噛み合わなかったのである。というわけで、京都→綾部で山陰本線の特急きのさき3号に乗車することにした。どうやら繁忙期のみ運転される臨時列車らしいが、土曜ということもあってか4両編成の車内は満員御礼だった。これは私にとってかなりの大誤算で、すっかりJ-WESTチケットレスで乗車するつもりでいたのに、予約フォームでは普通席は全て満席を示す×印が示されていた。そしてなんとグリーン車もわずか2席のみで、慌てて予算オーバーの課金をすることとなった。またこの時は乗り換え時間が短く、10分ほどの乗り換え時間の中で特急券の発券も済ませる必要があった。加えて、ただでさえ各線ホームから離れている嵯峨野線で、さらにグリーン車は園部方の先頭車にあるので、私は慌ててきのさき号へと乗り込むことになった。

E5489の画面通り、きのさき3号は普通車、グリーン車ともに満員で、観光客と思われる乗客らで賑やかそうであった。ちなみに山陰本線の特急列車は今年度のダイヤ改正より、自由席が廃止され、全席指定席となっている。だから私は慌ててグリーン車に課金せざるを得なかったのである。普通席では4人組の大学生と思わしきグループが席を向かい合わせにして早速トランプに興じている場面が見られたが、そんな様子には目もくれず、私は自分の席がある車両へと急いだ。昨今の感染症対策の一環で、座席を向かい合わせにしての利用は禁じられているはずでは…と気づいたのはしばらくしてからのことであった。

グリーン車の指定した席に着席する。園部までの沿線は京都方面へのベッドタウンとしての需要が根強く、すれ違う列車も多い。また、京都市内のほとんどは高架化されており、線路状態も良好である。ただ、嵯峨嵐山から亀岡に至るまでの保津峡の風景はそんなベッドタウンの印象を打ち砕き、秘境路線とでも言うべき車窓が現れる。かつてのこの区間は山肌を縫うようにして線路が敷かれており、このとき使われていた旧線路は、現在嵯峨野トロッコの線路に流用されている、というのは有名な話である。ただ、かつての山陰本線は京都口も含めて全て非電化であり、かつ市内区間でもほとんどが単線であった、というのは今では想像もつかないようなことである。福知山線の武田尾付近の新線もそうであるが、丹波・但馬と京阪間の利便性は平成中期になって飛躍的に向上したといえる。

列車は園部駅に到着する。この駅から先は需要が減少し、普通列車も2両編成のワンマン車両にて運行される。ここから先は単線区間であるが、各駅の分岐器は高速運転に対応しているため、特急列車でもあまり速度を落とさずに通過していく。ただやはり、京都市内の快走っぷりに比べれば、スピードはどうしても劣ってしまうものである。山陰本線の遅いとも速いとも言えないような速度での乗車も終盤に差し掛かる。車窓右側から舞鶴線が合流すると、列車は綾部駅へと到着する。

満席の乗客を乗せた、きのさき3号福知山行き
かつて北陸地域で活躍していた683系を流用した289系が充当


綾部駅では舞鶴線の列車が対向ホームに発着する。綾部駅で降車した客が多く、まさかと思えばやはり降車客のほとんど全てが舞鶴線の2両編成の列車へとなだれ込んでいく。車内はラッシュさながらで、舞鶴線の途中駅でも降車客はおらず、結局終着駅までこの混雑の中を耐え忍ぶこととなった。京都丹後鉄道との乗り換え駅である西舞鶴駅では車内の半分の乗客が降車したが、それでも多くの乗車があり、驚きであった。終着の東舞鶴駅へと到着すると、舞鶴線の混雑した車内を抜け出し、小浜線の125系へと急いだ。

東舞鶴駅に到着した舞鶴線列車
今や珍しい国鉄型113系

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