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OSPFパケットの世界へようこそ:5つのタイプをわかりやすく解説

「エリア全体の経路情報を交換したら、回線がひっ迫するんでは?」

はい、こんにちは!松井真也です。シリーズ「基礎から分かる!ルーティング大全」第12回でございます。

前回は、OSPFの経路計算のコスト計算をやりました。各エッジのコストは、インタフェースの帯域幅に反比例するのでした。コストをもとに最適な経路を計算するのですが、管理者がネットワークのニーズなどに応じて調整をして使用するのでしたね!

さて、今回は、OSPFパケットについて解説します。OSPFでは、ルータはどんな情報を提供しあっているのでしょうか?RIPのディスタンスベクトル型アルゴリズムと異なり、結構複雑なやり取りをしているんですよ。

でも、大丈夫一つ一つ紐解いていきます!気軽なお気持ちで先にお進みください!

では、いってみましょう!

タイトル:OSPFパケットの世界へようこそ:5つのタイプをわかりやすく解説

難題!トポロジー情報が大きすぎる

ではでは、OSPFパケットについて、できるだけわかりやすく解説していきます!

OSPFは、ルーティングプロトコルの一つで、リンクステート型アルゴリズムを採用しているのでした。

文字通り、「ルータがつながっている状態」、トポロジー情報(LSDB)を管理して最適経路を決めます。が、このトポロジー情報に問題があります。

何が問題かといいますと、「データのサイズが大きくなりすぎる」ということです。ディスタンスベクトル型のRIPv1なら、ルーティングテーブルごとブロードキャスト!してしまうのですが、OSPFではそんなことできません。

この問題の対策として、トポロジー情報を管理する範囲をエリア単位に分割するなどが行われますが、ルータ間の情報交換も工夫します。

そのルータ間でやりとりされる情報の5タイプを下に解説していきますよ!

1)Helloパケット:ネイバーの確立

まず最初に、Helloパケットから始めましょう。

これは、ネイバーとの関係を最初に確立する際にHelloが使われます。まずは、ルータ同士の存在を確認しリンクしあうわけです。

「どうも、こんにちは!よろしくね」っという感じです。

加えて、このパケットは「生存証明」にも使われます。定期的(10秒置き)に送られるHelloパケットにより、ルータ間の「生存確認」が行われ、これが途切れた場合、「ネイバー(隣のルータ)はダウンした!」と判断されます。

中身が空のパケットを送ることで帯域への負荷を軽減するんですね。

2)DBDパケット:トポロジ情報の交換

次に、DBD(Database Description)パケットについて見ていきましょう。

ルータは、ネイバーの存在に気付いたら、自分がもっているトポロジ情報(LSDB)を他のルータと共有します。DBDは、このLSDBの要約です。

これにより、各ルータはネットワーク全体の構造を把握し、「どのルータにどの情報が欠けているか」を認識することができるのです。

「私の持っているLSDBの要約を送信しますよ。あ、これがあなたのLSDBの要約ですか。どれどれ。あれ、私のLSDBに足りない情報があるぞ…。」

3)LSRパケット:情報の要求

LSR(Link State Request)パケットは、足りない情報を隣接ルータに要求する際に使用します。

「すいません。情報足りないみたいなんで、送ってください!」

4)LSUパケット:情報の提供

LSU(Link State Update)パケットは、これらの要求に応えて、特定のLSA情報を伝達するために使われます。

「足りない情報は、これですか!え~い、もってけドロボウ!」

5)LSAckパケット:受信の確認

最後に、LSAck(Link State Acknowledgement)パケットの役割です。これは、LSUパケットの受信を確認するために送られます。

「あ、送ってくれたんだね。どうもありがとう!(…って今ドロボウとか言わなかった?)」

このようなやり取りにより?、OSPF通信の信頼性が高まり、ネットワーク内の情報が正確に保たれるのです。


はい、本日はここまで!今回は、OSPFでやりとりされるパケットの5タイプについて紹介しました。最初に、ネイバー(リンク)を確立し、LSDBの内容を確認しあい、足りないようなら要求して回答してもあらうという手順です。合理的ですね!

さて、次回は、OSPFのエリア分割についてご紹介します!

では!


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