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これでスッキリ?1分で分かるナゾ用語!「透過的」の意味が腹落ちした件

「『それは透過的だから問題ないね!』って、その言い方が「透過的」じゃない!」

こんにちは!松井真也です。今回は、ずっと意味がワケワカメだったIT用語についてお話ししますよ。それは、

「透過的」(transparent)

です。この単語、多くの書籍で特に解説なく、当たり前のように使われます。しかし、これって一般用語ですか?意味が分かりません!

ネット上で解説を探すと、「独立して影響を与えない」とか、「存在を意識する必要がない」などが見つかります。ふむ、言葉の雰囲気は分かります。

しかし、言葉の使い方がよくわからないですよね?「透過的」という単語をどう使えば、意図する意味のとおりに伝わるのか?同じモヤモヤを抱えていましたか?1分ほどで、そのモヤモヤを解決しませんか?

気になる方は続きをどうぞ!

透過的は「Transparent」の訳語?

そもそも「透過的」って会話の中で使いませんよね?え、使っているのですか?友達を失いますよw?

なんでこんな不自然な言葉があるのかといえば、情報技術の文脈で使われるtransparent(透明な)の訳語でしょう(裏付けはないです)。日本語に取り込むときに、「透明な」とせず「透過的な」としたものと推測します。

trasparentは、日常会話でも使える一般用語なのに、日本語に取り込む時に「透過的な」としたため急に学術用語的なオーラをまとった格調高い言葉になったのではないでしょうか?繰り返しますが、推測です。

なぜそのように日本語訳したんだ?

情報技術は、米国を中心に発達しました。結果として、IT用語のスタンダードは英語です。

ITの文脈において、英語では「A is tranparent to B」という言い方があります。これがどうやら、transparentの標準的な言い回しです。自然な英語ですね。

この言い回しを日本語に取り込みたいのですが、その結果、よく教本でみかける「AはBに対して透過的だ」となったのでしょう。もっと自然さを保持して「AはBにとって透明だ。」くらいにならなかったのでしょうか?

影響を受けず意識しなくていい

難しそうな言い回しのわりに、その意味するところは、本当のところ難しくありません。

「AはBにとって透明だ。Aがスケスケなので、BはAの存在すら感じられない。結果として、BはAの存在を意識せず振る舞えるし、Aの影響を受けることもない。」

どうですか~?なんか意味がつかめてきましたか?

ちょっとITの文脈を離れましょう。その方が分かりやすいはず。例えば、こんな例はいかがでしょうか。

  • 「ガラスは光に対して透過的」だ。光はガラスの存在を意識せず、ガラスの影響を受けることなく、その向こう側を照らすことができる。

  • 「車のエンジンは私に対して透過的」だ。私は、エンジンのメカニズムなんて意識せず影響も受けず、目的地にたどり着ける。

だんだん言葉のイメージが湧いてきましたね!

反対が成立するとは限りません

では、ITの文脈に戻りましょう。実際の使用例はこうなります。

  • 「MACアドレスは、IPアドレスに対して透過的だ」

上位層であるネットワーク層(第3層)にとっては、下位層(第2層)の設定値はどうでもいい、影響がない、意識する必要もない、という趣旨ですな。自分(パケット)を運んでくれているのが、誰(フレーム)かなんて気にしません。

逆もしかりですね。MACフレームからすば、IPパケットを運んでいるものの、そのIPパケットの最終目的地なんてどうでもいいです。

このようにプロトコルレイヤーが互いに独立して透過的だから、ネットワークは効率的に機能するわけです。

他には、

  • 「アクセスポイントはユーザに対して透過的だ」

なんとどうでしょうか。ユーザにとって、アクセスポイントがどんな機械でどんな処理をしているのか、どうでもいいです。ただネットにつなぎたいだけです。

しかし、この場合は反対が成り立ちません。アクセスポイントからすれば、「あなたは誰?本当に山田さんですか?暗号化したいですか?」などユーザを意識して処理しないといけません。

逆が必ずしも成り立つわけではないことは留意しておきましょう!


はい、本日はここまで。今回は、ナゾのIT用語「透過的」について解説しました。裏付けが少な目で申し訳ないのですが、たまにはこういう記事もいいでしょう。

ではまた!






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