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2019年iPhone搭載からの再注目!あなたも使っているかも近距離無線通信「UWB」

「あなたのスマホにも入ってる?UWB」

はい、こんにちは!松井真也です。新シリーズ「1分でわかる!ネットワーク用語」第1回でございます。

最初に登場しますのは、UWB(Ultra Wide Band)、すなわち「超広帯域無線」でございます!聞いたことないですか?そうですよね。

でも、身近な利用から工業利用まで幅広く取り入れられている技術です。ということで、この記事では、UWBの基本原理、特徴、応用例、そして将来性について簡単に解説します。

ではいってみましょう!

UWBって何だろう?

UWBは、数百MHz以上に及ぶ広い周波数帯域を使用し、高速でデータを送受信する無線通信技術です。広い帯域を利用しますから、他の機器に影響しないよう最大10m程度の近距離通信です。

高い周波数を用いて短いパルスを高密度に出力し、広い帯域を利用することで高速通信を実現します。

UWB vs Wi-Fi!ここが違う

さらに、UWBは、帯域幅が非常に広く、伝送速度は数百Mbpsから1Gbpsに達します。個人利用の場合、十分に高速ですね。

ちょっと待てよ、近距離でその伝送速度…なら、Wi-Fiでよくないか?はい、その通りでございます。

「一般的な高速な無線通信用としてどれくらい普及しているか」という観点からは、Wi-Fiに後塵を拝している状態です。

こんなところに?UWB

では、UWBはいらないのではないか?というとそうではありません。

UWBは、例えば、近距離でデバイスで大容量のデータを送信するのに適しています。デバイス間での画像や動画の送信に利用されています。

しかし、UWBの強みは別のところにもあります。障害物に強いこと、そして、位置情報取得が高精度にできることです。

このUWBの強みに目を付けたのがApple社です。2019年9月、新しいiPhoneにUWBが搭載されました。AirDrop(近距離のデータ送受信)用としてだけでなく、2021年4月以降はAirTag(紛失防止のタグ)に利用されています。

AirTagは、Bluetoothのネットワークでどこで紛失したかを知ることができます。さらに、UWBを使い正確な方向や距離を知って紛失物を見つけ出すという仕組みです。よく考えましたね、こんなスゴイ仕組み…。

UWBは、Appleの「推し」技術なんですね!

このほかにも、UWBは軍事用レーダーや災害時の人命探索、高精度な室内測位技術など、幅広い分野で使用され、また応用が期待されています!

従前の方式と現代の方式

最後に方式の違いに触れましょう。

古くは、UWB技術はインパルス信号を使う通信方式を採用されていました。インパルス信号は、短時間でオンとオフを切り替える信号です。これを変調せずに発信します。

しかし、現代では、マルチバンドOFDMという方式へと進化しています。広い周波数帯を複数に区切ってから、Wi-Fiなどでも使われるOFDM(直交周波数分割多重)で変調し通信します(OFDMは過去記事で解説しました!キャリア波をずらして重ねて高密度にする技術でしたね)。

以上のように、UWBはそのユニークな特性から、今後さまざまな分野での革新をもたらす可能性を秘めています。UWBの更なる応用が楽しみですね。


はい、本日はここまで。今回は、UWBについて解説しました。調べていてとても楽しい内容でした。意外と身近で使われていました。ぜひ覚えてあげましょう!。

次回は、WiMAXをご紹介します。

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