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違いを知って上手に使い分ける!光ファイバーのシングルモードとマルチモード

はい、こんにちは!有線LANの標準規格「イーサネット」について連続記事でご紹介しております。

前回は、ツイストペアケーブルのシールドについてお話ししました。ペアをシールドするのか、ケーブル全体をシールドするのか、さてまた、シールド素材は編組(メッシュ)かホイルか、などの違いがあるのでしたね。ケーブルをぶった切って観察してみたくなりますね~。

さて、今回は、銅線素材のケーブルから光ケーブルの話をしましょう!高速、大容量、そして、価格が高い…というイメージの光ケーブルですが、その実態にズームインしましょう!

今回は、モード(伝送路)の違いにフォーカスしますよ!いってみよう!!

光ファイバーケーブルとは?

まずは光ファイバーケーブルとは、何か簡単に確認しましょう!

光ファイバーケーブル(Fiber-Optic Cable)は、高速で信頼性の高いデータ通信を実現するのに欠かせない技術・機材です。

海底ケーブルなどの長距離伝送から、LAN(Local Area Network)内の短距離伝送まで、幅広く利用されています。

光ファイバーは、高純度の石英ガラスで作られています。光をデータの伝送に使いますから、電磁ノイズの影響を受ける心配がないだけでなく、電磁波の漏洩も起こらないためセキュリティ上も有利です。

さらに、ツイストペアケーブルに比べると伝送距離も長く、超高速です。

こうなると、銅線のケーブルよりも圧倒的に有利な点が多いですが、欠点もあります。構造が繊細で壊れやすく、取り回しが悪いです。そして何より、高価です。

以上が簡単な光ファイバーの説明です。

光ファイバーケーブルの構造

続いて、光ファイバーケーブルの構造を見てみましょう!次に説明するモードの違いを理解するための前提知識となります。

まずは、光ファイバーケーブルの構造を図示すると次のとおりです。

光ファイバーケーブルの構造

上図のとおり、コアとクラッドの2層構造になっています。

コアは屈折率が高く、クラッドは屈折率が低いです。この屈折率の違いを利用して、このコアの中に光の伝送路(モード)を閉じ込めて、信号を伝送します。

これで光ファイバーケーブルの構造は分かりました!次に2つのモードの違いを抑えるようにしましょう!

 シングルモードファイバー(SMF)

シングルモードファイバー(SMF)は、非常に細いコア(約10μm)を持つ光ファイバーケーブルです。この細いコアを光の伝送路(モード)一つだけが通ります。

シングルモードファイバー(SMF)

SMFを使えば、高速で長距離(数10km)の通信が可能になります。ですから、データセンタ、海底ケーブルやMAN(マン;Metropolitan Area Network)などで使われます。

ただし、(MMFに比べて)さらに高価で、さらに折り曲げに弱いです。

マルチモードファイバー(MMF)

一方、マルチモードファイバー(MMF)は、より太いコアを持ち、複数のモードを走らせます。

マルチモードファイバー(MMF)

光は多様な経路(モード)を通って伝送されますが、これが原因で長距離では信号の減衰が起こりやすくなります。

結果として、MMFは短距離の伝送(~500m程度)しかできないため、LANやCAN(Campus Area Network)で利用するのに適しています。

こう見てみると、MMFはSMFに劣っているように見えますが、SMFに比べて(相対的に)安価で取り回しがよいです。

以上が、SMFとMMFの違いでした!


はい、本日はここまで。今回は、光ファイバーケーブルとは何かと、モード(SMF、MMF)の違いについてお話ししました。

次回は、、、ケーブルの構造的な話から離れて、光ファイバーケーブルの通信規格についてお話しします。規格の覚え方のコツにも触れますよ!

では!

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