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絶賛移行中!?アドレス枯渇問題を解決する技術「IPv6」

「住所を増やせないなんて、なんか不思議な気がしますね。」

はい、こんにちは!松井真也です。シリーズ「着実に普及していくIPアドレスの進化版:IPv6」第1回でございます!

IPv6は、ネットワーク層のアドレスであるIPv4が不足している問題を解決し、機能的に改善させるものです。私の先輩は15年くらい前「IPv6なんて永遠に使われないよ!」といっておりましたが、当時とは状況が変わりました。随所で使われ始めています。

ただ、IPv4の偉大なレガシーのせいなのか、ネットワークを学ぶ過程ではIPv4がだいたい前提となっており、IPv6の知識が全然頭に入って来ないのですw。

ということで重要性を増してIPv6について学んで行くことにしましょう。まずは、IPv4が枯渇する背景のお話です。

では、いってみましょう!

IPv4アドレスの枯渇とその背景

ネットワーク機器のアドレスが足りなくなってしまった…。そんなこと、普段の生活で意識しませんが、実際に起きてしまったことです。

世界中にあるネットワーク機器の住所である「IPv4アドレス」は、単純な計算上、約43億(2の32乗)の組み合わせしかありません。一人ひとりがスマホやPCを持つ現代では「ちょっと少なくないか?」と感じますよね。

しかし、1980年代に設計された当時は十分すぎると考えられていました。

しかし、1990年代の半ばには、インターネットが一般に爆発的な普及しました。私もWindows95を親に買ってもらい、ダイヤルアップでネットにつなぎましたよ!

結果として、予想以上の速度でアドレスが消費されてしまいます。2011年には、ICANN(IPアドレスを管理する団体)の在庫が枯渇し、各地に新たなアドレスの割り当てができなくなりました…。

なんということでしょう…。

IPv4アドレス枯渇の具体的な影響

IPv4アドレスの枯渇すると何が起こるでしょうか。

ただ単に新しいアドレスが取得しにくくなるという問題にとどまりません。新規にサーバーや端末をネットワークに追加することが困難になり、インターネット上でのビジネスやサービス提供にも影響を及ぼしそうですよね。

例えば、新たなインターネットサービスを立ち上げたい企業がIPv4アドレスを確保できないと、その事業自体が成り立たないかもしれません。

なんとかせねば。解決する方法はあるでしょうか?

IPv6とは何か

アドレス空間が足りないなら、増やせばいいですね!

「IPv6」は、このIPv4の枯渇問題を解決するために開発された新しいインターネットプロトコルです。新しいといっても、使われ始めたのは1999年ごろですが。

IPv6は128ビット(2の128乗)のアドレス長を持ち、IPv4よりもはるかに大きなアドレス空間を提供します。どれくらい大きいかって?

IPv4を「バケツ一杯の砂粒にアドレスを割り当てる」とすれば、IPv6は、「地球上のすべての砂粒にIPアドレスを割り当てる」ことができるほどの膨大な数です(参考)。

これでもう枯渇の心配はないでしょう!まあ、「あつものに懲りてナマスを吹きまくり」感がスゴイですがw。

ということで、アドレス空間が巨大になったことでめでたし、めでたし!?

IPv6への移行状況

ところが、そんなに話は簡単ではありません。

多くの組織やサービスでは、IPv4とIPv6が共存する「デュアルスタック」環境が用いられています。デュアルスタック環境とは、1つのデバイスがIPv4とIPv6の両方のアドレスを持ち、両方のネットワークに同時に接続できる状態を指します。

でも、これではネットワーク構築・運用が負担です。IPv6に詳しい技術者も不足しています。

確かに、IPv6の普及は徐々に進んでいるのですが、すべてのユーザーとサービスがIPv6に移行するには、まだ多くの時間がかかりそうです。

とはいえ、日本でも、IPv6への移行を加速させるための取り組みが進んでおり、ユーザーが感じる影響を最小限に抑えつつ、スムーズな移行が図られているようです。


はい、本日はここまで!今回はIPv4の枯渇問題についてお話ししました。次回からIPv6の技術の詳細について進んでいきましょう。

では!

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