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ジュピター 平原綾香(2003/12)

 二番の歌詞が好きだ。キャッチーさが優先されるであろう一番の歌詞よりも、自由度のある二番の方が作者の本当に言いたかったことが深く沈澱しているだろうと思う。

 ジュピター、言わずと知れた名曲。クラッシックの原曲(ホルストの組曲「惑星」から「木星」)に歌詞を載せた歌。発表当初は、原曲の表現しようとした趣旨と違う、などと批判もあった。しかし、それを上回る歌の良さや歌唱力から、次第にそうした声は聞かれなくなった。

 たしか、新潟沖中越地震の時、陸の孤島となった村で皆でこの曲を聴いて励まし合ったという話をきいたことがある。以来、この曲は天変地異の被災者に寄り添う音楽となった。音楽の力を強く感じた曲エピソードである。

望むように生きて 輝く未来を
いつまでも歌うわ あなたのために

 終盤のこの歌詞は、何一つ思い通りにならない苦境のなかでも、がんばろうと思う気持ちを後押ししてくれる。

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