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エンジニア・コミュニティの探し方と参加の心得 - 居心地 #とは

コミュニティの「居心地の良さ」ってなんだろう?

このエントリーのメインテーマです。

(noteでは)はじめまして、野球でエンジニアをしているなかがわ(@shinyorke)ともうします。

このエントリーでは、

・エンジニア・コミュニティの大まかな分類

・参加・運営両方の視点での「居心地」について

・結局、コミュニティの「居心地」ってなんだろう?

の三本立てでお送りします。
先にオチを言うと、

「自分が求めているコミュニティを"正しく理解"して参加・運営しよう」
「場合によっては"独学"に徹するのもいいこと!(無理に参加しない)」

そういう話です(エンジニア版のコミュニティ・マネジメント論かも)。

なお、このコンテンツはPyLadies Advent Calendar 2018 22日目の記事でもあります(コミュニティつながりってことで)。

自己紹介(Who am I?)

スポーツ関連のエンジニアをしていて、エンジニア・コミュニティ(勉強会・もくもく会など)によく参加しています&後述の通り、イベント主催・運営もしております。

・中川 伸一(@shinyorke

・(株)ネクストベース 野球エンジニア兼CTO

・エンジニアもくもく会「Pythonもくもく自習室(#rettypy)」オーガナイザー

「エンジニア・コミュニティ」の定義

このエントリーにおける、「エンジニア・コミュニティ」は以下のものを指すこととします。

・主にソフトウェアエンジニアやソフトウェアエンジニア志望の方々(学生、社会人両方)が技術やプログラミングの知識習得、仲間作り、発表などを目的として集まるコミュニティ

・100人以上集まる、カンファレンスなどの大規模イベントから数人〜数十人で集まるイベント(講義や講演、自習式のもの、飲み会的なミートアップ)が対象

connpassなどでイベント公開や参加募集がされる(=ウェブで公開されている)かつ、採用・営利目的ではない

なお、私はPythonというプログラミング言語のコミュニティを中心に参加・イベント主催をしているので、事例は(一部例外を除き)Python関連のイベントとなります。

エンジニア・コミュニティの種類

・ノン・ジャンルか特定ジャンルか

・誰でもWelcomeなのか一定の参加条件・資格があるか

で分類してみました(これが語りたいことの33.4%でもある)。
※主にPython中心(一部例外あり)

大まかな分類を左上から時計回りに解説すると、

【特定ジャンルかつ色んな人】
明確なテーマ(クラウド、金融、Web開発etc...)が決まっている、
誰でもWelcomeなイベント
例:GCPやAWSのユーザーグループ、fin-pyモグモグDjangoなど

【ジャンル広いかつ色んな人】
テーマが幅広いもしくは自由で、誰でもWelcomeなイベント
例:言語系のカンファレンス(PyCon JP)、勉強会(#bpstudy)、もくもく会(#pyhack#mokupyほか)

【ジャンル広いかつ特定の人】
主催者などの意向により、地域・Genderなどである一定共通項がある人達が集まるイベント・勉強会
例:女性限定のもの(#PyladiesTokyoほか)、地域コミュニティ(#kwskrbほか)、Pythonもくもく自習室(#rettypy)

【特定ジャンルかつ特定の人】
意図する・しない関係なく、上級者・初心者...など、一定の参加レベル限定かつ、ジャンル・やることが特定されるもの
例:PyData.Tokyo(誰でも参加OKだが、講演レベルなどは上級者向け)
初心者向けのハンズオン・チュートリアル系イベント(#pycamp#pynyumonなど)
重度の野球ファンが集まる野球とITの何かっぽいお祭り「Baseball Play Study

私が勝手に分類してるだけで、必ずしもこの通りじゃないと思いますが(#rettypy以外、異論を認める)、
それぞれの「特性」を考えながら、自分にとって「居心地のよい」コミュニティをどう見つけて参加すべきか?の私論をちょこっと上げます。

参加者からみた「居心地の良い」コミュニティの見つけ方&参加の心得

自分で勉強会(#rettypy)を運営しているから、というのもありますが、

・勉強会・イベントの探し方がわからない
・初心者だけど(エンジニアじゃないけど)行って大丈夫だろうか?
・行きたいけどなんか怖い

という話をよく聞きます。
そんな時の選択基準・ヒントとなるような「見つけ方」および、参加の際の「心得」を先ほどの四象限に照らし合わせて解説します。

探し方がわからないのですが...

色んな人が集まるイベントに行くのがベストかと思っています。
先ほどの四象限だとこちらです。

この段階では、

・やりたいことを探す
・やりたいことに近しいモノの話を聞く・学ぶ
・勇気を出して色んな人と交流し、情報収集する

に徹底して、(仕事や生活に支障をきたさない程度に)色んな所に顔をだすのがベストかなと思っています。


その後、「やることが決まった」か「やることが決まってない」かによって、次のアクションを決めるのが良いかなと思います。

また、「多くの人が集まる所には慣れないわー」という人は「独学に徹する」という決断を個人的には強くオススメしています(コミュニティ参加が勉強方法のすべてではないので、これも立派な決断です)
独学プログラマー」などの書籍を参考に一人で進めるのもいいかもしれません。

やることが決まってきたら

「私はWebサイトを作りたい!」

「私はフィンテックで何かをやりたい!!」

など、決まってる人は特定のテーマにそったイベントで集中するのがベストかなと思います。

テーマが明確に決まっている方は、

・同じようなことをしてる人を真似てみる(学ぶは真似る)
・イベントの懇親会やランチ、おやつなどを通じて共通項ある人と仲良くなる
・意気投合したら一緒に何かをやる(モノを作る、登壇するなど)

を自分のペースに合わせてやっていけばいいのかなと思います。

やるべきことが言葉にできない(&色々やりたい、主に初心者の方)

初心者の方はハンズオンや講習的なやつで基礎を覚えながらやりたいイメージをつける。

初心者じゃない人は、沢山の人が集まる所で自分で色々やる&色んな人の事例ややってることを学びながらやりたいことを作る。

そんなイメージが良いかなと思います。
四象限だとこんなイメージです。

手を動かしながら基礎を学ぶ、やりたいことを成熟化させるイメージ作りをするのがベストかなと思っています。

アプローチ的には、「今やるべきイシューを言語化」する、「イシュー化(イシューから始める)」を手を動かしながらやってく感じです。

行きたいけど、億劫だ・こわい

いかにも職人なエンジニアに怖いことを言われた、「何ハラ」かにあって嫌な思い出があるetc...
そういう場合は、共通項ある、お互いの気持ちがわかりあえる人(がいる可能性が高い)コミュニティに行くのがベストかなと思います。

Genderや地域しばりだと、「内輪ネタ」っぽい話で導入も早いですし、ある程度参加要件が絞られるので「怖いエンジニアおじさん」「よくわかんないけど強く出てくる偉そうな人」みたいな人に出会う可能性も低くなります(ゼロになるかどうかはまた別ですが)。

また、これは私が主催する「Pythonもくもく自習室」の話ですが、

・参加者同士、気持ちよく過ごす(参加者同士のコミュニケーション、インターネットとのお付き合い)
・技術とイイゴハン(主にランチ)を楽しむ

という共通項・理念に賛同する方のみ参加できる、という縛りをつけています。

参加の時に心得るべきこと

四象限に上げた、いずれのイベントも、家族や友人、職場の同僚とは異なる「社会」に参加することになります。

社会人も学生も、初心者もプロフェッショナルも、

・約束を守る(時間やルールなど)
・お互い気持ちよく過ごす(他の人に必要以上に干渉・粘着しない)
・他の参加者や協力者・インターネットに迷惑をかけない(例:スクレイピング)

といった「そんなの当たり前だよ、知ってるよ」的な事が心得となります(と、書かないとアカンぐらいモラルが低い事案・事件がちょいちょいあります)。

手前味噌で恐縮ですがこちらに詳しく書いてるのでご興味ある方はぜひご覧ください(私の別ブログです)。

勉強会・もくもく会に参加する際に守ってほしい2つのこと

運営として「居心地の良さ」を作る

一言で言うと、

「あなた・私が運営しているイベントは、どこに価値を求めるものですか?」

というイシューによって「居心地の良さ」の作り方が変わると思います。

四象限(再掲)でいうところのどのマスにハマるかで、考えるポイントが違うと思っています。

参考までに、「共通の文脈ある人たち」に該当する、「Pythonもくもく自習室(#rettypy)」では、

・参加登録時のアンケートにてイベントの主旨・ルールに賛同する旨を必ず確認する(賛同できない人は参加できない)
・参加アンケートや他の情報を確認し、「より賛同してくれそうな参加者」をなるべく抽選で指名するようにする
・当日の運営などで、ルール・約束に抵触することを見つけた場合は躊躇せず注意・カイゼンを促す

といったことをしています。

最終的に技術とイイゴハンを楽しみ、次に繋がる学びと体験をお持ち帰りしてほしいな、という強い思いでこのような運営にしています。

まとめ - 「 #居心地#とは

「エンジニア・コミュニティの居心地」というテーマで色々と書きましたが結局のところ、

「自分が求めているコミュニティを"正しく理解"して参加・運営しよう」
「場合によっては"独学"に徹するのもいいこと!(無理に参加しない)」

こんなことかなと?と思います。

エンジニア・コミュニティの中で研鑽し、学びたくさんの体験・経験を得た結果、良い転職に人生を賭ける仕事(野球の仕事)に出会った身としては、一人でも多くコミュニティを通じて幸せになってほしい、と思っているので、今後も「参加者」「運営」の立場としてサポートできたら、と思っています。

ではまた。

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