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気軽に聞く、をやってみる・場を作る

オンボーディング(昔風に言うなら「オリエンテーション」とか「受け入れ」みたいなもの)って言うのを聞いたりやったりしたときに唐突にこちらのエントリーを思い出しました。

かれこれ3年前の記事で、読んだ当時も「わかりみしかない!」とめちゃくちゃ興奮した記憶があります(牛尾さんのまとめ凄い)。

実際に気軽に質問することを実践すると、相当効率がよく感じます。聞けばその場で自分よりよっぽどわかっている人から教えてもらうことができます。もし、その前に自分でググるとすると、自分で調べる力はつくかもしれませんが、結局のところ自分がよく知らないことなので凄く時間がかかってしまいます。だから、気軽に教え、教えられしていると、本当に効率よく仕事が進みます。
ブログより引用

新しく来られた方は勿論のこと、今いる人達(私も含む)だって、効率を上げたいですし何より早期に活躍だってしたいです(それがチームのためであるので)。

って考えたと場合の、

「気軽に聞くをやるためには?」

「気軽に聞ける環境を作るためには??」

をどうするか?がこのエントリーのテーマです。

なお、自分は「気軽に聞く」ことを克服し、今は「どうやったら気軽にザッソウできるか?(ザッソウ = 雑談と相談 by 管理ゼロで成果はあがる)」を当事者として真剣に考え、実践してる感じです(まだ色々と試行錯誤してますが)。

なお、このエントリーの話は、「組織やコミュニティにおける知ってる者同士のチームでの話」であり、「聞いたらノウハウをなんでも教えるよ!ではない!!(ノウハウはただじゃない)」っていう事だけ断っておきます(つまり、信頼と信用がある程度できてる・これから作る者同士の話です)。

気軽に聞くためのコツとは?

自分が「聞く」側に回ったときのはなし。

自分が「気軽に聞く」ために心がけていることは以下の3つかなと自分で思っています。

・なんでも話せる関係を作る&感謝する
・質問・聞くことそのものより背景(イシュー)を大切に
・相手に答えを期待するではなく、一緒に考えてもらう

①仕事・プライベート・趣味なども話せる関係を作る・感謝する

仕事やコミュニティ活動、他のプライベートもそうなのですが、まずは相手の方・チームのメンバーに「自分を認知してもらった上で関係を作る」「相手になってくれたことを感謝する」事を普段から気を使って重要視しています。

具体的にはその場に顔を出したら、世間の出来事(雑談に見えてそうでもない)とか天気・今日の予定の話から入り、そこから脱線しすぎない程度に雑談を突っ込んだりしています。

その中で自分のエピソードだったり、相手やチームメンバーの事を色々と聞いたりして「関係を作る」ようにしています。

この辺は、「管理ゼロで成果はあがる」の「ザッソウ」のところに書いてるテクニックなどがそのまま生きます(本読む前からやってることもあってびっくりした笑)

あと、絶対忘れちゃいけないのは相手になってくれた方への感謝。

特にエンジニアに話すときは特にそうなのですが、明らかに作業してたりエディタを前に何かをやってる時に話かけて手を止めちゃったときなどは、話の終わりに「ありがとうね!」と声をかけるように心がけています。

なんせ自分もエンジニアで、手が止まっちゃった時に話しかけられた時に最後に「ありがとう!」って言われるとスッキリするので。

まあそういうことです。

②質問・聞くことそのものより、背景にある「イシュー」をクリアにする

「クローズドクエスチョン(yes or noなど、選択肢が限られる)」ものであれば、そんなに悩まないと思うのですが、

「オープンクエスチョン(yes or noじゃ済まない自由形競技な問い)」の場合は、「聞きたいことそのものよりイシューにフォーカスをあてる」

事を意識しています。

自分はよく人から質問や相談を受けて、すぐ答えられない・わからないときは、

・そもそも何を解決したいんだったっけ?
・この質問に至るまでの背景って何かな?

的なフリをよく使います。

??「Pythonのpandasでデータ読み込んで集計してグラフ描きたいけどわかんないなー」
ワイ「そもそもなぜPythonでやってるのかな?Excelとかでやらない理由ってあるんでしたっけ??」

的なやりとりは、私とある程度コミュニケーション取ってる人にとっておなじみかと思います(多分)

モノゴトって答えの出し方は一つじゃないというのが私の信念でして、「なぜ」の部分を聞き出すことによってほんとに抱えている「イシュー(課題)」をあぶりだし、一緒に考えることによっていい感じになるんじゃないかな?

と思っているのでこういうアプローチをよく取ります。

なお、これは自分が「聞く」側の時もそうで、「で、なぜこれを聞くかと言うと〜」という付加情報をつけたり、聞かれたら整理しながら答えるように心がけています。

ちなみにこれは一朝一夕でやれることではないと思っていて、意識してやったりテクニックもあったりするのでこの辺を参考にしながらやってます(大好きな本です)。


③相手から100%答えを求める、ではなく一緒に考えてもらう(そして感謝する)

①と②のまとめというか大切なポイントで、

聞いたことを「相手に委ねる」ではなく「一緒に考える」
聞かれたことを「自分が解決する」ではなく「一緒に考える」

を重要視しています、なので関係性を作るし、イシュー駆動でやるんです!

そして繰り返しになりますが、自分が聞く方だろうが、聞かれる方だろうが、「一緒に頭をつかう」ことには変わらないので、感謝の気持ちが何よりも大切です。

この繰り返しで関係もできるし、少なくとも個人間では聞きやすい雰囲気は作れるんじゃないかなと思います。

気軽に聞ける環境と雰囲気作り

とはいえ、一人でコツを覚えて実践するだけでは「気軽に聞く」事はできないと思っています。

ってことで「聞ける環境と雰囲気」を継続的に作ることがまずもって重要かなと思っています。

理由は組織とかコミュニティ関係なく、やっぱこういう国民性があるからです。

私を含めた日本人は気軽に何かを聞けません。聞いたところで、「ググれカス!」と言われたり、「よく調べてから質問しなさい」という風に言われることもよくあります。  米国で仕事をしているときは、誰でも気軽に質問していることに気づきます。それもとってもしょ~もない質問でも気軽にするのです。そして誰も「ググれカス」とかいいません。
※同じく、ブログより引用

「納得するまで聞いていいよ!」とまわりに明言する

エンジニア・技術屋の話(それが同業者同士だろうが他の業種の人だろうが)って一度ですべてを理解するのは無理だと思っています(ビジネス要件に緻密なスケジュール、複数の技術スタックで出来てるモノを一度で理解するのは無理です)。

エンジニア・技術屋の話じゃなくても、一度で理解できる話は限られていると思いますし、それが参画したばかりのメンバーだったらなおのことです(背景から入らないといけないので)

なので、最近自分が担当しているオンボーディングでは、

・遠慮なく声かけてね
・困った・わからないを抱え込まないでね
・わかる・理解するまで何度でもきいてね

というキーワードを明示的に書いて説明しています。

オンボーディングの時間・オリエンの一回程度じゃ全部は説明できない&理解も追いつかないと思いますし、そもそもベンチャーとかコミュニティなんて「今日話をしたことが明日変わる」なんて日常茶飯事(というか変わり続けて価値を出すのが何よりもの醍醐味)なので、「常に聞ける・話せる関係もとうぜ!」って宣言したほうがより健全かななんて思っています。

なお、これははじめたばっかりの事なので効果はどうなるか見守っていますが、自分のオリエンやったメンバーは早速翌日から色々と聞いてくれたり、一緒に考える事できたりと自分的には満足がいく結果になっています。

聞くは一時の勇気、聞かぬは一生の後悔

最後に、「なぜ気軽に聞けないか?」の考察を。

自分はこのことわざ?故事成語が原因かと思っています。

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥

「聞く=恥」と決めちゃってるから聞けないんじゃない?的な。

自分は最近、こっちの意味で読み替えています。

聞くは一時の勇気、聞かぬは一生の後悔

どんなに「気軽に聞く」環境ができても、やっぱ「聞く」って勇気がいる行動だと思います、「こんな事も知らんのか」って思われると...ってのはあると思います(し、自分だっていまだにあります)

が、それって「聞く瞬間だけ勇気をふりしぼろう!」って思えば行けそうだなって思います。

また、「聞かなかった事」は「恥」というより、「あの時ちゃんと聞いていれば、もっとスマートに解決できた!時間もったいない!!」っていう文脈で捉えるならばむしろ「一生の大切な時間のほんの一欠片を損した」ぐらいなのかなと。

昨今、「生産性」って言葉をたくさん聞くと思いますが、これって「協業」「一緒にやる」っていうスタンスで結構いい感じになると思っています。

もっと、気軽に聞ける世の中やってこい!

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