エピソード5:コロナ禍と入院生活

さて、心臓カテーテル検査も終わりいよいよS-ICDを埋め込む為の転院をするだけだとこの時は思っていたのですが、心臓カテーテル検査をしたのが3月30日、転院するのが4月16日なのでまだ2週間以上この病院での入院生活は続くのです。

転院までの間に何をしていたのかと、何故転院まで時間がかかったのかを今日は書き記そうと思います。

心筋シンチグラフィ

心筋シンチグラフィとは
心筋シンチグラフィーは、心筋に集まる特殊薬(放射性医薬品)を注射して心臓に血液が十分に届いているかどうかを判定する検査です。冠動脈の閉塞や狭窄を形態的に評価することができる心臓カテーテル検査や心臓CT検査とは異なり、虚血の有無などに関して心筋細胞の状態を調べることができるのが心筋シンチグラフィーの特徴です。(リンク先より引用)

4月2日、心臓カテーテル検査から3日経ち、心筋シンチグラフィの準備として注射を打たれました。その3日後に心筋シンチグラフィの撮影を行いました。1時間程度だったと思います。万歳の態勢で横になるだけの検査でした。CTやMRIの検査と同じような機械に入っての撮影なのですが、機械がグルグルと体の周りを回転するのがちょっと怖かったです。なんかのミスで挟まれたりしない?って(そんなわけない(多分))


呼吸器科受診
翌日は呼吸器科の受診でした。こちらは以前耳鼻咽喉科を受診した際に行った簡易的な睡眠時無呼吸症候群の検査結果が軽度だったものの、せっかくだから本格的な検査をしてみないかと紹介されたものでした。
レントゲンを撮った後、肺機能検査を行いました。

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肺機能検査はやり方的には肺活量を図る感じですね。一杯吸って一杯吐くをいう検査です。難しかったり痛かったりするものではないです。リンク先をご参照下さい。
その2つの結果を踏まえて先生から診察がありました。
まずレントゲンも肺機能検査も異常ありませんでした。心臓が止まるまで喫煙者だった私はちょっと安心。続いて睡眠時無呼吸症候群の検査の説明を受けました。「で、やる?」と先生から選択を求められたのですが、今はICD埋め込み手術等も待ち受けてるし、退院した後も減量をするので、その後でも良いですか?と返答しました。

眼科受診
2日後、4月8日に眼科を受診しました。MRI?か心筋シンチグラフィの結果から、眼の周りが炎症している可能性があると言われた為、今度は眼科を紹介されました。問診票を記入し視力検査?をした後に目薬を打たれました。少し時間が経ったら眼球の裏も診ますと言われ、眼球をグリッとされるんじゃないかと震えて待っていたのですが、実際は双眼鏡の様な機械を覗いて眼のレントゲンを撮っただけでした。
↓↓↓こんな感じでした↓↓↓

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いらすとや凄いな!何でもある!
終わった後先生から診察がありましたが、こちらも異常無しでした。

心肺運動負荷試験

運動療法においてまず患者様の運動耐容能を評価することが必要となってきます。その評価はいくつかあります。その中で心肺運動負荷試験は、運動耐容能やまた運動能力などを客観的に評価することができる方法です。本試験法を用いればどれだけ運動ができるのか、どの程度の運動強度までなら安全に体を動かすことができるのかということを知ることができます。
検査は、自転車エルゴメータと呼ばれるペダルを足でこぐ装置を用いて、運動をしながらマスクを装着し、呼気ガス中の酸素と二酸化炭素の量を計測します。医師の立会いのもとで安全に行われます。
※リンク先参照 このリンク先めっちゃ分かりやすいです。

これをやる前に「リハビリの検査」とだけ説明されていたので、エアロバイクを漕いでる姿をリハビリ担当の理学療法士の人に見守られるだけの検査だと思っていました。実際は呼吸を測るマスクを付け、腕には血圧計、胸には心電図を付けて主治医の先生や助手の先生立ち合いの元で行われました。
数分置きに先生が、下の表を見せながら「今どれくらい?」と聞いてくるので指を挿して答えました。試験中は呼吸中の酸素や二酸化炭素の量を計測しているので、絶対に喋らないようにと念を押されました。徐々に負荷を上げながら20~30分位漕いだと思います。この時間は個人差があると思います。

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頭のリハビリのテスト
運動のリハビリに平行して1日1回、頭のリハビリも続いていました。最終的にはテストの様なものを行いました。絵が描かれたカードを絵の内容にそって並べたり、小中学校レベルの歴史や科学のクイズを解いたり。中でも「5、ケ、1、サ、ウ、8」と言われたら「1、5、8、ウ、ケ、サ」と順番に並び替えて答える試験をしましたが、これは中々難しかったですね。
数日間に渡ってテストを続けましたが、成績は良い方だったと思います。かなりの時間心臓が止まっていて、ここまで脳にダメージが無いのはかなり奇跡的というか、現代医療の凄さを再認識ですね。

 転院までの日々
 上記の検査を終え、4月9日にいよいよ転院先が決定となりました。しかし世の中はコロナ禍の真っ只中。すぐに転院は出来ず、さらに1週間ほど、待機の状態が続きました。その間何をしていたのかというと、午前と午後に1回ずつリハビリ(約30分程度)を行う以外には何の予定も無くただ時間が流れていくのを過ごすという日々を送りました。
 心臓を病んだ循環器病棟に入院している患者は、基本的に「ホルター心電図」(下図参照)を24時間付けている為、棟内フリーは許可されても院内フリーは許可されません。

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棟内フリー:病棟内フリー。いわゆるその階だけの移動は自由だが、心電図の電波が届かない他の階は行っちゃダメ。
院内フリー:病院内フリー。色々行ける。病院の1階に併設されているコンビニやカフェにも行ける。
 つまり私が移動出来るのは病室とトイレとデイルームだけとなり、1日のほぼ大半の時間をベッド上で過ごす事になるのです。必然的にスマホを見る位しかなくなるのですが、1日を潰すのは中々辛いです。病院内にwifiが飛んでるわけでは無いので、youtubeやアマゾンプライムを見ようものなら動画でデータ通信料がマッハです。入院生活最後の方は、妻に家からPSPを持って来てもらって、10年以上前のゲームをやってました。モンハンポータブル2Gとか。世間ではライズが発売されてるんですけど。

一先ず、最初に搬送された病院での検査は一通り終わり、転院の日を待つばかりになりました。次回からはいよいよS-ICD埋込み手術を書いていこうと思います。実は転院してから手術前に結構な一悶着がありました|д゚)

コロナ禍の入院生活
令和3年3月からおよそ2ヶ月にわたる入院生活をしていたのですが、世の中はコロナ禍ど真ん中です。その影響を恐らく一番前線で受けるであろう病院は、ありとあらゆる制限が設けられているのでした。
☆面会禁止
・原則としていわゆる普通の面会は完全禁止。絶対無理です。患者以外が病棟に来る事もまず出来ないようになってます。
・手術の時や、主治医からの大切な説明、患者が危篤の場合のみ可。だが原則として2名まで。
・乳幼児等の付き添いの場合は1名のみ可
※荷物は1階受付に預けてスタッフから患者へ渡してもらいます。
☆入館制限
・発熱や咳がある方・県外居住やコロナ流行地域に来院前14日以内に往来した方は入館不可。
・県外居住の方は、転院時の付き添いすら不可。

その他、入院患者は病室以外はマスク着用厳守になっていました。リハビリステーションでエアロバイクを漕いだりする時も付けっぱなしでしたね。

オンライン面会
ICUにいる時は数回オンライン面会を設定して頂きました。ICUの時はスマホも家に置いてきていたし、まだ蘇生されたてで頭もボーっとしていたので、事務局の方が妻に連絡してくれてiPadの準備もしてくれました。事務局の方も只でさえ激務だろうに、大変有り難い事ですね。感謝感謝ですね。

コロナ禍じゃなかったら、友人や同僚に面会ついでにアレコレ持って来てくれーって出来たのでしょうが、さすがに荷物だけ受付に預けてくれっていうのは気が引けて出来なかったですね。ホルター心電図付けているからっていうのもあるかも知れませんが、コロナも棟フリーまでだった要因だと思います。実際ICD入れてからも棟フリーまででしたから。1階は外来の患者さんがたくさんいますからね。

転院も本来ならもっと早く出来たのだと思います。しかし手術可能な病院がコロナ患者受け入れ病院だったり、クラスターが発生した事があったりと、一筋縄ではいかなかったのでしょう。
まあそれは仕方ありません。大変なのは何より医療従事者の方々なのですからね、我儘を言ってはいけませんよ。

2ヶ月も入院していると、色々な患者さんを見ました。気の良いお爺ちゃんもいれば、礼儀正しいお婆さんもいました。そして態度のデカい人もいました。口の悪い人もいました。1日中、帰りたい、家族を呼べと叫んでる人もいましたね。聞いてて不快になるような暴言を看護師さんにぶつけてる人もいましたね。
ダメですよ。ちゃんと看護師さんや先生の言う事を聞いて、素直に謙虚に務めるのが患者さんが出来る唯一の事ですよ。命を助けてもらってるんですから。その恩は返そうと思っても返せないんですから、せめて迷惑を掛けないように協力しましょうね。

ネットで色々な病院の評判や口コミを見ると、「看護師の態度が悪い」や「悪い看護師がいる」等の口コミも結構見かけますが、そもそもあなたは「良い患者」だったんですか、と。

なんか偉そうに語ってしまいましたね。少なくとも私が入院した病棟の看護師さんやスタッフの方たちは、みんなとても良い方でした。お世話になりました。

今日も長くなってしまいました。いよいよ転院です。
次回も宜しくお願い致します。

続き→→→【エピソード6:S-ICD適応試験】

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