エピソード4:心臓カテーテル検査

3月29日、搬送されてから19日目。心臓カテーテル検査を翌日に迎え、準備として点滴のルートを2本確保されました。自分は血管が細いのか、中々血管に刺さらなくて、5回位挿し直しました。その日の担当だった看護師さんがギブし、超ベテランであろう看護師さんが登場し手首辺りに一発で挿して去っていきました。2ヶ月の入院で採血や点滴を何度も行いましたが、やはい上手い人は上手いですね。上手い人は本当に痛みを感じないです。冷静に考えて、人の腕に針を刺すって中々の仕事ですよね。私は怖くて出来ないと思います。

翌日、朝9時から検査予定でした。朝起きて待ち構えていたら、その日の担当看護師さんがやってきて「検査の準備しましょうね~」と。まず検査着を渡され着替えた跡、尿道にカテーテルを挿入されます。いわゆる「おしっこの管」ですね。これが、まあ、とても痛いんですよ。思わず「痛いです~・・・。」と情けない声を出したら、「そうですね~、痛いですね~」と流されました(笑)。そりゃそうですよね。看護師さんからしたら、痛かろうが何だろうが、挿入しない事には始まらないんですから。おしっこの管だけで既に大ダメージを受けたような気分ですが、これもあくまで検査の準備です。
そのままベッドごと、心臓カテーテル室へ移動します。
部屋に入ったら検査用の台に移動し、頭の部分に薄いゴムマットの様なものを被されます。実際に管が入るところは見れないようにでしょうか。
ゴムマットは簡単に捲れるようになっていて、検査室の看護師さんが声をかけてくれるシステムになってます。
まず点滴のルートに薬を繋げます。そして左手首、足の付け根、首に局所麻酔を打たれます。そしていよいよカテーテルの挿入が始まります。
局部麻酔を打ってるとはいえ結構グイグイ挿しこまれるので、私は結構痛く感じてしまいました。そして足の付け根に挿すとは思っていなかったので、ここが一番痛かったですね。足の付け根からはカテーテルではなくペースメーカーを通したと思われます。
左手首はカテーテル、足の付け根はペースメーカー、首からは心筋生検用のカテーテルという感じになりますね。尿道カテーテルも入っているので管だらけですね。

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アセチルコリン負荷試験
さて今回私が心臓カテーテル検査を行う理由が、「冠攣縮性狭心症」がどうかの確認が前提になっています。ではどうやって確認するのかというと、この「アセチルコリン負荷試験」を行うというわけです。冠動脈にカテーテルを通じてアセチルコリンという薬剤を注入し冠攣縮を誘発する、という検査ですね。
詳しくはリンク先やその他サイトで詳しく解説されていると思いますので、ご参照下さい。
検査中、基本的にはずっと起きています。アセチルコリンを何段階かに分けて注入するのですが、その度に先生から「は~い胸が苦しくなりま~す」と声がかかります。本当に心臓の辺りがきゅ~、と苦しくなるのが分かります。看護師さんも毎回、顔を覗かせて「大丈夫ですか~?」と確認してくれます。
意識はしっかりあるので、先生達の話す声も聞こえてくるのですが、「(冠動脈の)反応無くない?」「無くはないけどこれでも冠攣縮の診断になるのかな?」「これニコランジル飲んでいれば(心室細動)起きなくない?」「ICD入れるの上手い病院何処よ?」等々、安心していいのか不安になるべきなのか良く分からない会話が聞こえてきました。

心筋生検
正直この検査の説明をあまりよく聞いていなかったのですが、以前先生から家族を交えての説明を頂いた際に書いてもらった診療計画書を見ると、心臓カテーテル検査の項目の中にアセチルコリン負荷試験と心筋生検と書いてあるし、首からも何かを挿入されたので恐らく心内膜心筋生検を行ったのだと思います。こちらも検査中は意識があったと思うのですが、何をされてるかは分かりませんでした。

一連のカテーテル検査が終了し、各部位から次々と管が抜かれていきました。抜かれる時は首が一番痛かったと思います。
先生の方から「終わりましたよ。お疲れ様でした。ご飯食べられそう?」とのお言葉が。時刻は12時30分位でした。9時から検査が始まったので3時間半位の検査でした。管抜かれたての首が痛かったので、「今は食べれません」と答えました。
検査台から病室用ベッドに移され、看護師さんと先生に連れられ病室へ。
最初は点滴をされながら安静にして、2時間後に点滴が抜かれベッド上安静、さらに2時間経過したら今度はおしっこの管を抜かれて安静解除となりました。
左手首は静脈に管を挿しているので、かなりの圧迫止血をされていました。こちらの圧迫は翌朝先生に取ってもらうまで続きました。検査後痛かったとすればその圧迫位ですね。体調が悪くなったとかそういうのはありませんでしたが、何故か一仕事終えたかのような疲れがやってきたのでその日はそのままベッド上で休んでいました。

結果説明
本来なら検査後に家族同席の元、診断結果の説明があるのですが、このコロナ禍の影響で妻に先生の方から説明を頂きました。結果的には冠攣縮の反応は少しあったものの心電図は異常なく、不整脈も起きなかったとの事でした。MRIでも異常は見られない為、あの日心室細動で倒れた時はもっと色々な条件が重なったのだろう、と。色々な条件とは、食事・ストレス・睡眠時無呼吸・何らかのアレルギー・etc…。お酒は普段から呑むわけでは無いけど喫煙はしていたし、冠攣縮性狭心症や心室細動が起きた根本的な原因は分からず仕舞いでしたが、とにかく現状の私の体では心臓発作を起こすような症状は見つからなかったという事になるんでしょうか。
しかしながら、1度起きてしまった事は覆りません。生活習慣はもちろん、ICDの埋め込みやそれに伴う人生の制限はもう避ける事の出来ない現実として受け止めるしかないのです。

そんな感じで、私の心臓カテーテル検査は終了しました。
心臓カテーテル検査(に限らず各種検査含む)を行うにあたり、同意書にサインをするのですが、その同意書には検査や手術に伴う合併症のリスクが詳細に書かれています。脳障害や心臓穿孔、アセチルコリン負荷では冠攣縮を誘発するのですから当然心室細動が起きる可能性もありますし、蘇生失敗からの死亡や脳死、植物状態もリスクに含まれています。そんな感じの事が書かれている検査同意書にサインをしなければならないのです。めっちゃ怖いですね。あんまり読まずにサインしちゃったので、後々同意書読み返して震えました。
そうはいっても患者側はお医者さんを信じるしか出来ないんですけどね。信用出来ないなら検査も治療も受けずに死ぬしかありませんからね。
皆さんも普段から健康に気を使って、なるべくストレスを感じないように生きていく事を心がけましょう。コロナ禍も相まってさらに生き辛いストレス社会ですが、死んだら元も子もありませんからね。

意外と長くなってしまったので、次回はエピソード5:コロナ禍と入院生活で宜しくお願い致します。

上記に書かれている治療内容や順序、検査結果はあくまで私の場合はそうだったという内容になっております。症状や持病の有無によって診療内容は変わると思うので参考程度にお読みください。
本日もありがとうございました。


続き→→→【エピソード5:コロナ禍と入院生活】

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