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"出版禁止"と"ダブルバインド"

最近、一冊の本を一気読みした。
長江俊和さんの"出版禁止"
いや、出版されてるんだけど。
売り切れ御免レベルで。
(なんかこの流れ、GRANRODEOのsingle、
"NOT for SALE"と一緒だな)

出版禁止は2冊出ていて、1冊目は見事に裏切られたけれど、2冊目は気持ちいいくらい真実に辿り着き、勢い余って超絶ネタバレな記事をはてブロに投稿してしまい少し反省しているけれど、これは書きたくなるよ。あってるかはしらんけど。

長江さんの世界観を手短に説明するならば、
"生々しい"の一言に尽きる。
毎度『ノンフィクションかこれは?』
と不安に駆られながらも読む手は止まらず。
引き込む力と生々しさで"読んではいけないものを読んでいる"とさえ錯覚する。
("出版禁止"というタイトルの効果もあるだろうが)

一冊目に比べると"放送禁止"感が強かった、
出版禁止-死刑囚の歌-を読みながら、
アーバンギャルドの"ダブルバインド"を思い出す。

出版禁止にテーマソングをつけるならこれだ。
(何かとテーマソングをつけたがるしおぎである)

僕たちの祈りは決して報われないけれど
神様だけに教えてあげる僕の気持ち
僕たちの祈りは空しく風に消えてゆくけど
神様だけは知っているでしょ
祈るしかないってさ
そのときフランシーヌは どうしたの
嫌な夢を終わらせたの
テレビの棺のなか どうしたの
闇を駆けてきたの

ダブルバインドについてはWikipediaをどうぞ。

*****

(小一時間この先が思い浮かばず)

この本は"テーマ"が重すぎる。
流石にnoteでのネタバレは避けるが、
良い悪いの問題ではなく、難しい。
運命を断ち切る為には、これしかなかったのかと、
どんよりとした気持ちで読了した。

望月の気持ちもわからないわけではない。
運命を断ち切るためには多分、
いや間違いなく、これしかなかった。
居た堪れない気持ちにはなるけれど
望月の贖罪の為にも、これが最善の策だった。

子どもを2人も殺しておいて?

と言われるかもしれないが、
それはもう是非この出版禁止-死刑囚の歌-を手に取って読んで頂きたい。

そこにはきっと、読者も唸る胸糞ワールドが広がっている。


おしまい。

※しおぎの"胸糞悪い"は褒め言葉です。
今回も大いに楽しませて頂きました。

#出版禁止 #長江俊和 #ダブルバインド #アーバンギャルド #小説 #放送禁止 #趣味

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