ラノベの表紙エロすぎ問題について


※ 加筆修正・まとめなおしをしました。(2019/4/5)

ツイッターで勃発した「全年齢ラノベの表紙エロすぎ」問題について。
三日間くらいやたらツイートしていたのですが、まとまらないのでnoteにまとめようと思いました。
全然まとまってなくて、めっちゃ長いです。
本来、複数に分けるべき長さの記事ですが、この件を分散して何度も記事にしたくないので、まとめます。随時修正編集しています。
また、コメントは読まないです。すみません。

最初に言っておきますが、私は「エロはけしからん、根絶しろ!」という考え方ではありません。

エロは男女関係なく性欲解消という重要な役割を担っていますし、昔から芸術とエロスは切っても切り離せない間柄です。エロがあったからこそ発達した芸術分野や作家も多いです。私が好きな作家や作品にもエロスを扱ったものはたくさんあります。
エロ根絶なんて絶対に無理ですし、そんなことをする必要もないです。

ただ、だからといって野放しに好き放題して良いものでもないと思っています。
それはむしろ、発信側の首を絞める行為だと思っています。



今回の件の発端はシュナムル氏のこのツイートです。


これについて、さまざまな立場の人から、さまざまな意見が寄せられました。それについて思うことを書きます。

1.なぜ論点が「個人の好き嫌い」の問題にズレるのか。


私は最初にこのツイートを見たときに、「エロコンテンツを、子供の眼前に公然と並べること」への問題提起ととらえました。
そのため、論点は「このイラストが、年齢規制対象である『ポルノ(わいせつ物)』に該当するかどうか」になると思いました。

ところが、その点を指摘したり、論じるツイートは少なく、圧倒的に支持されたのが、「嫌いなものは見ない自由があるにも係らず、自分の嫌いなものを排除するような言動はいかがか」といった反論でした。


非常に多かったこれらの意見ですが、私は驚愕しています。

「女児がエロコンテンツを嫌がる」のは「個人の好き嫌いの問題」ではありません

もちろん、「多様性を認める・認めない」という話でもありません。

これは「人権を侵害された」という問題なのです。

「人権問題」なんですね。


これを、いい年した成人が理解していないというのは、恐ろしいことです。

というわけで、大分根本的な話からしなければならないということになりました。わかっている人には、とても回りくどい説明になって申し訳ありません。



2.エロコンテンツには「人間の尊厳を傷つける」性質がある。


■エロコンテンツは「男性の性欲処理の道具にされる女性像」である■


子供に限らず、女性にエロコンテンツを見せると嫌がられることが多いです。セクハラになるケースもあります。

それはなぜでしょうか。


「女性はエロが嫌いだから」
そう思ってる人も多いようです。(実際のところ、女性にも性欲はあり、女性向けのエロコンテンツもたくさんありますので、誰もが常に嫌いというわけではないです)

では、なぜ嫌いなのでしょうか?



エロコンテンツの女性像というのは、「男性に都合よく歪曲され、男性の性欲解消の道具にさせられている女性像」です。

私はそれ自体は否定しません。男性の生理上必要なものだと思うからです。

ただし、それを「女性に見せる」「女性が普通に見える場所に設置する」となると、話が違ってきます。

「いざとなれば、自分を強姦し得る力を持った人間」が
「自分が持つ体と同じ体」を
「性欲解消の道具として都合よく使っている」

これを見せ付けられたら、たいていの人間は傷つきます。


「おまえらの体は、俺達にとっては、性的な道具に過ぎない」

こう言われているのも同然だからです。

だから、女性はエロを見せられると嫌がるのです。

あれは「人間以下扱いをされ、人間としての尊厳を傷つけられ、ショックを受けている」のです。

つまり、女性蔑視、人権問題に関わることなのです。
言ってみれば、人種差別問題などと同じなのです。

蔑視問題を「個人の好き嫌い」で片付けて、「多様性を認めろ」と被害者に認めさせようとするのは、重大な人権感覚の欠如と言わざるを得ないです。




■「フィクションだから現実には関係ない」という意見■


必ず出てくるのは、「エロコンテンツはフィクションなのだから、現実には関係ない」という意見です。

そういう人は、次の例を見れば多少はわかりやすいかと思います。

あなたは今外国に住んでいて、将来的にもその国に住み、その国で自分の子供を育てる。
その国の人間は皆体格が非常に良く、日本人より大きい。

しばしば、その国の人間は日本人をからかい、侮蔑的に扱い、時に暴行する。日本人は体格が小さく、その国では地位も低いので、抵抗したくても難しい。

そういう状況の中で、

『日本人は、全員がチビで釣り目、真黄色の肌に出っ歯


『日本人は何をされても笑っているだけで反抗しないから、何をしてもいい』

『日本人は我々に、殴られたりけられたりしても、むしろ喜んでいる。そういう民族なのである』

という内容の本が
、子供も見られる場で、非常に多く、普通に売られており、人気がある。
その国の子供たちは、実際の日本人と触れ合う前に、そういう本をたくさん読んでいる。



この状況で、「この本の内容はフィクションで、実際の日本人には関係ないから、文句は言うな」と言われて、納得できるでしょうか。

こういった本が、本当に「現実の日本人に関係しない」といえますか?
特に、子供達がこういう本を読んで育つことに、危機感を抱かないのでしょうか?

女性がエロコンテンツに物申したくなるのは、そういう心理です。
差別内容が禁止されているのと、まったく同じ理由です。

差別内容と違って、条件付(年齢制限など)で許されているのは、生殖に必要な本能であり、禁止などできるわけがないということと、男性の生理上の問題が大きいと思います。

しかし、同じ国に住み、一緒に生活し、仕事をする相手が、自分が属する人種や性別について、『相手の都合の良いように歪められたフィクション』により『相手を侮蔑的に扱ってよい』という先入観を持っているというのは、非常に恐ろしいことなんです。
増して、相手のほうが力が強く、いざというとき勝てない相手なら、なおさら
です。





3.娘さんの「気持ち悪い」という言葉の意味



驚くべきことに、娘さんの「気持ち悪い」という言葉を、当該絵、あるいはオタク文化に対しての「侮蔑語」「罵倒語」として受け取った人が多数いることを後から知りました。

そのため、「女児に、好きなオタク文化を『気持ち悪いと罵倒された自分たちオタクこそ被害者」と思い込み、攻撃的になっていた人もいたようです。うそやろ。

つまり、こういう人たちは、2.に書いた「エロコンテンツは女性を傷つける」ということを知らず考えもせず、娘さんの「気持ち悪い」を「ゴキ●リって気持ち悪いよね」と同じ意味の言葉として受け取ったということになります。

全然違いますよ。

この「気持ち悪い」は、「絵自体が気持ち悪い」ということでは確かにあるのでしょうが、なぜ気持ち悪いと感じたかと言うと、「絵を見たことで傷つけられたから」なんです。2.に書いたとおりです。

シュナムル氏がちゃんと書いているじゃないですか。
「女性の肉体が、男性に性的奉仕するための道具として消費されている」気持ち悪さと。

自分の「女性としての尊厳を傷つけられた」その違和感・恐怖・不安を、まだ幼いゆえに「気持ち悪い」という言葉でしか表現できなかったんです。

これは女性ならわかる人も多いと思います。自分も少女時代に、同じような経験があるからです。
大人や男子から悪意なく繰り出されるセクハラに傷つきながらも、それを明確な言葉にして伝えることはできない。でも胸の中に、気持ち悪いモヤモヤは残る…。男子でも幼少期にセクハラなどを受けた経験があるならわかると思います。

絵に対する侮蔑や罵倒ではないんですよ。
「自分が傷つけられた感想」なんです。
彼女はまぎれもなく「傷つけられた被害者」です。


私は、このすれ違いに気がついたとき、驚愕しました。
つまり、一部のオタクは、あの絵を見て女児が傷つくという可能性を、一切考えなかったということになります。(ツイ主さんがちゃんと説明しているにも関わらず)
それどころか自分達こそ被害者だと勘違いして、相手を攻撃していた…と。うそやろ。

そりゃ、そこからわかっていなければ、自主規制だゾーニングだと言われても、わからないだろうなと思いました…。
なぜ規制しなければならないか。人を傷つけるからですよ!


セクハラに傷ついた女児に対し、傷ついていることにすら気がつかず、自分たちこそ被害者だと思い込んで、逆恨みから反撃する大人が多数いること自体、問題の深さを示しているように思います。




4.エロコンテンツは「悪」ではないが、「取り扱い注意物
」ではある。



■エロコンテンツは車などと同じ、「危険な面もあるけど生活必需品」■

とはいえ、「エロコンテンツ」は女性蔑視的でけしからんから、全てこの世から排除せよ、とは思いません。(そういう考え方の人もいますが)

まずエロというのは人間の本能に根ざしたものです。生殖行為につながるものであり、当然悪ではありません。

芸術面からしても、エロスは切り離せるものではなく、私が好きな作家さんにも、エロスの表現を取り入れている人は多いです。

エロコンテンツは、そうした人間の本能・生理上、強い需要があって作られているものです。特に男性にとっては必要不可欠なものでもあります。
生活必需品
の一面もあると思っています。

そういう意味で、2.の例に出した人種差別と同様に、「人を傷つける」性質は持ちつつも、人種差別のように徹底的に排除して良いとは思いません。
というか、人間の本能と生殖に根ざしているのだから、完全排除なんてムリに決まっています。

刃物や銃、薬、酒、車などと同じで、「良い面もたくさんあり、生活必需品でもあるが、一方で、他人を傷つける可能性のある、取り扱い注意な危険物」として取り扱うのが良いと思います。

一人で部屋で楽しんだり、気心が知れた恋人や友人と楽しむ分には「良いもの」でしかないでしょう。しかし、見たくない人に見せたり、子供に見せたりすると、話は変わってきます。

「絶対的に全部禁止!」にするべきものでもないけれど、「誰がどこでどう使おうと自由だ!」というものでもないのです。

個人的に、具体的にどう取り扱い注意にするのかというと、

・子供には原則閲覧禁止にする
・見たくない人が見ないですむ配慮をする

このあたりは必要なのだと思います。
実際日本の法律や条令にも今、こういったことは組み込まれていますので、基本的には「常識」の範囲の話なのだと思います。
なので本来こんなに長く説明するようなことではありませんが、これをわからない「大人」が多いのも事実です。





■エロコンテンツ自体や、その製作関係者の批判ではない■


こういう話をしていると、「エロコンテンツ自体」「エロ作家やセクシー女優などエロコンテンツの製作関係者」を否定していると受け取る人がいますが、私が言いたいのは、あくまで「取り扱いに注意が必要」ということです。
エロコンテンツや製作関係者を否定しているわけでは、まったくありません。(取り扱いに注意が必要という話を、否定として受け取るなら別ですが)

今回の件についても、当該ラノベの表紙を担当されたイラストレーターさん及び、このイラスト自体を否定する意図はまったくありません。
問題があるとしたら、この絵を「全年齢」とし、子供が普通に見るような場所に置いた、その判断でしょう。
それについては、イラストレーターの責任ではなく、出版社や販売側の判断の問題です。私が非難したいのは、そちらです。


「いや、おまえ、この記事でこのイラストの悪口言いまくってるやろ!」と感じる人がいるとしたら、「取り扱い注意」と「その物自体の否定」を混同しています。

個人的には「タバコは禁煙場所では吸わない」とか「アルコールを子供に飲ませるな」というのと同種の話だと思っております。

●お酒は取り扱いを誤ると、健康を損なったり、人を傷つけることがある危険な物である
●私は、子供にアルコールを飲ませるべきではないと考えている
●私は、お酒が好きであり、よく飲む
●私は、美味しいお酒を作り売る人々を尊敬し、感謝している


上記は何も矛盾しませんが、なぜかエロ問題になると、「子供に見せるべきでない」と言っているだけにも関わらず、「エロを否定するな!」「エロ作家を侮辱するな!」と言い出す人がいるのは不思議な現象です。

ちなみに、私に寄せられた意見の中に、「あなただって、自分の作品がポルノだと言われたら嫌でしょう!」というものがありました。
別に嫌じゃありません。個人の感想ならその人はそう受け取ったんだなと思うだけです。もしポルノであることで何らかの規制を受けた場合は、指摘のある部分を修正して交渉するか、規制どおりの処置に従うかのどちらかになると思います。当たり前のことだと思います。

正直、こんなことを言ってくる人こそ、ポルノに偏見を持っているとしか思えません。ポルノ作家の人に失礼だと思います。


5.子供にエロコンテンツを見せることの何が悪いのか?



これは記事を書いた当初「余談」でした。
ほとんどの人は常識としてわかっていると思っていたからです。

しかし、実際は2.にも書いたとおり、エロコンテンツが人を傷つけるということすらわかっていない人が多かったので、ここも長く書いています。

最初はなぜこんなことがわからないのか不思議でしたが、よく考えてみれば、後述していますが、子供にエロコンテンツを見せた場合の具体的な被害は、ほぼ女性に集中します。
逆に加害者側に回るのは男性です。

つまり、男性の一部は、「自分が一切被害を受けてこなかったので、実害が見えない。わからない」んですね。そりゃずっと加害者側にしかいなかったらそうなりますね。

実際、エロ問題について話をしていると、「それで、何か実害があるんですか?被害は何なんですか?」と食って掛かる人は多く見かけます。

「そんなこともわからない大人が多数存在すること自体が実害の一つです」
としか言いようがないです。

実害はあります。後述しますが。

繰り返しますが、私は、大人が節度を守ってエロをたしなむ分にはまったく問題ないと思っています。それがどんなエロであっても他人に迷惑さえかけなければ。

しかし、子供相手となればまったく別です。

では、なぜ子供にエロがよろしくないのか?というと、

ショッキングであり、心的ダメージを受ける

今回のシュナムル氏の娘さんが「気持ち悪い」と傷ついたように、過度にエロな絵というのは、子供に大きなショックを与えることがあります。

この「傷つく」という中には、いろいろなものを含みます。

女子だと、上述のように「女性の肉体が、男性に性的奉仕するための道具として消費されている」現実を目の当たりにし、深くショックを受けることもあるでしょう。

大人の女性なら、不快ではあっても、一部の男性の限定された「趣味」であり、現実とは切り離された物であることは理解できますが、女児にそこまでの理解はできません。
「女とはそういうものだ」という無言の圧力に、言語化すら出来ないショックを受けるだけです。
まさに「精神的な性暴力」と言ってよいでしょう。

男子でも、実物を見たことがない若い女性の肉体を、いきなり「性的に過剰に強調された状態」で見せられると、ショックを受ける子は多いと思います。トラウマになる子もいるようです。

だからこそ、「ポルノを子供に見せるのは性的虐待」なのです。


子供はまだ現実と虚構の区別がつかない場合もある


エロコンテンツの話になると、必ず多数出るのが「これはフィクションに過ぎない。現実と混同するな」という意見です。

まあ、女性からすれば、そもそも「フィクションのエロコンテンツを現実と混同する性加害者」がいるので、そういう話になるってことなんですが…、ここでは成人については、「フィクションと現実は区別がつく」という前提にさせていただきます。

でも、子供には、フィクションと現実の区別をつけるのは難しいです。

もちろん、個人差は大きいですよ。
以前春風ちゃんが「ぼくたちは自分達で本を選べる」とおっしゃっていましたが、確かに子供全員がすべて春風ちゃんなら、そうでしょう。しかし現実はそうではないのです。

子供にとって、エロコンテンツは直接的な「性犯罪指南書」になることもあります。

大人になっても、AVと現実の区別がつかず、彼女にAVに出てくるセクシー女優と同じことを求める男性がいるくらいですからね…。そりゃ子供は真似しますよ。

過去には、漫画の影響で、全国の小学生男児の間にスカートめくりが流行し、多くの女児が傷つけられたこともあります。

私自身、エロコンテンツに影響を受けた男児から、セクハラというには重い性被害を受けたことがあります。彼はエロ漫画の真似事をしたかったようです。

例えば件の「巨乳少女がおっぱいを差し出しているイラスト」にしても、性に興味を持ち始めた少年の中には、ああいったエロコンテンツを自慢げに女子に見せるような輩もいるのです。(いました…)
見せられた女子は、当然傷つきます。

しかし、男子にしてみれば、「全年齢本として、普通に本屋に売られているもの」です。
それを人に見せることの何が悪いのか?という話になります。

大人がそれを「悪いこと」に位置づけていないのに、子供には「悪いことだと認識しろ」って無茶な話です。

そう考えたら、「見せられた方が傷つく」本は、やはり全年齢本にはなり得ないと思います。





■正しい人権意識が身につく前に、誇張・歪曲された異性像に日常的に触れると、人権感覚が歪む可能性がある


本件では、幸い娘さんは「気持ち悪い」という正常な反応を見せましたが、もし子供のうちから「こういうの最高!大好き!」となってしまった場合、もっとマズイと思います。そして「こういうのが当たり前」になってしまうと、相当にやばいです。

エロコンテンツは、当たり前ですが、見る人にとって都合よく作られています。

そこでは、自ら積極的に性的アピールしてくれる魅力的なキャラクターがあふれ、喜んで性的奉仕をしてくれ、レイプなどの性被害にあってもなお、そのことを肯定的に受け止める表現が溢れています。これは女性向けのTL(エロ多目の少女漫画)やBLにも多いパターンです。

分別のついたまともな大人なら、「そんなものは虚構であり、現実そんなわけがない」ことは理解しています。
そのうえでフィクションを楽しんでいるのです。これはまったく問題ないと思います。

しかし、子供にはそれが理解できないこともあると思います。

まだ、現実の異性と交際もせず、正しい性教育や人権教育を受ける前に、いきなり、「自分に都合よく歪められた虚構」の方に先に触れたら、そちらがスタンダードとして刷り込まれる可能性は低くありません。

その結果、現実にどういう被害が出るかというと、私は主に「無意識の女性蔑視。それに伴うセクハラやセカンドレイプ」に大きく現れると思います。

たとえば、性的に誇張歪曲された女性像ばかりを見ていると、「女の子が自分と同じ一人の人間である」という人権感覚の前に、「女の子というのはエロい存在である」という思い込みをしてしまう可能性があります。

異性を悦ばせるための、性的消費物・道具」ということです。すなわちエロコンテンツですね。

これについては、すでに成人している男性でも、そうなってしまっている事例が多く見られます。

以前女子高生が性被害にあった際、ワイドショーのコメンテーターの男性がこう言いました。

「女子高生なんて、そりゃそういう目で見られるに決まってるものなんだから、自衛しないほうも悪いよ」

…この発言の何が問題か、わからない人はちょっとヤバイです。

例えば、男子高校生が轢き逃げにあった時に、「そりゃ、男子高校生なんて轢き逃げされて当たり前の存在なんだから、自衛しないほうが悪いよ」と言う人がいたら、おかしさもわかるでしょう。

男子高校生は「轢き逃げされて当たり前」の存在じゃないです。
もちろん自衛は大事です。しかし自衛しないのが「悪い」わけじゃないです。轢き逃げするほうが一方的に悪く、おかしいのです。

「犯罪にあって当たり前の人間」など存在しません。

でもこの方は、女子高生を「性犯罪にあって当たり前の存在」と言ったのです。

「女子高生は、男性から性的搾取されるのが当たり前の、『性的消費物なのだから、自分が性的消費物であるという自覚を持って行動する義務があり、その義務を怠ったなら性的被害を受けるのは当たり前である」


ここまで書くと、この発言に問題があるのがわかる方もいると思います。

この方は、女子高生を人間扱いしていません。「性的消費物」として扱っています。しかもそれを自覚して振舞うのが義務であると。

言うまでもなくセクハラであり、セカンドレイプです。

でも、こういうこと言う男性、決して少なくないですよね。女性でもいるでしょう。
これがセカンドレイプだと気がついてない方も多いと思います。

普段から無意識に、「女性は男性から性的搾取されて当然」「男性は女性を性的搾取して当然」と考えているとそうなります。

これが、人権感覚が歪むということです。
子供たちをそういう人間にしてはいけないという話なのです。

男性だけではありません。女性にも悪影響はあります。
セクハラや痴漢をされても、「女だから被害を受けても仕方ない」と諦め、「男はそういうものだから仕方ない」と許してしまう。
自らが「性的消費物」であることを受け入れてしまい、「人間としての権利」を手放してしまう。
あるいは、過激なBLなどに感化され、同性愛者の男性にセクハラを行ってしまう女性もいます。こちらも同様に問題です。

よって、「子供にエロを見せることによる実害」は、主には以下のような歪んだ価値観を持ってしまうこと・及び・それに伴うセクハラやセカンドレイプ等だと思っています。
私は、これから大人になる子供たちに、以下のような感覚を持ってほしくないのです。

・女は性的消費物であり、男に性的搾取されて当たり前の『エロい存在』。

・だから男が女をエロい目で見てセクハラをするのは、当然の権利。

・女はセクハラにあって当然なので、笑って許すべき。騒ぐ権利などない。

・女が性犯罪にあうのは『性的消費物』のくせに自衛を怠ったのが悪い。

※もちろん、これは男女が逆でも同じです。

そのためには、やはり「子供たちの日常の中に、エロコンテンツがある」という状況は望ましくないです。

よく、「子供に悪影響だと言うなら、証拠を出せ!データを出せ!」と言う人がいます。

しかし、正直に申し上げて、「今のこの、セクハラやセカンドレイプがはびこっている世の中自体が、証拠だ」と思います。

上記のコメンテーターのような「人権感覚が歪んだ大人」が多数いる、今のこの世が、「エロコンテンツに寛容だった日本の現状」なのです。
これだけで、証拠としては十分ではないでしょうか。

ラノベの件でも、女児に「嫌なら見なければ良い」「何でも嫌だといえば通るのはわがまま」という意見が浴びせられました。冒頭に引用したとおりです。
しかし、そもそも「女児の目に日常的に入る範囲に、エロコンテンツを置く行為」自体、セクハラです。
セクハラを受けた女児に対し、「嫌ならおまえが見るな」と対応する。これも紛れも無いセカンドレイプです。

でも、この意見を寄せた人の多くは、自分がセカンドレイプをしているなんて、思いもよらないでしょう。おそらく正論を言った気になっているはずです。
「いい年した大人が、女児にセカンドレイプをしておいて、自分に正義があると信じ込んでいる」
それはやはり、その大人たちの生育環境に問題があったと考えるべきでしょう。

だいたい、エロコンテンツは取り扱い注意と書きましたが、そんなことをわざわざ書かないとわからない人がいる時点で、おかしい世の中なんですよ。

そして、今の大人・・・特に男性で、子供のころに少年誌やアニメのお色気サービスに触れてきていない人は少ないと思います。

私は弟がいましたので、多くの人気少年漫画を読みましたが、ほとんどの少年漫画、あるいは少女漫画にも、「気軽なセクハラ」は山のようにありました。クラスの男子のほぼ全員が見ているようなアニメにもありました。

もちろん、アニメ漫画ゲームなどだけが現状の原因ではなく、後述しますが教育の問題、あとは実写のエロコンテンツや、バラエティなどで日常的に流されてきたセクハラなど、原因は多岐にわたると思いますが、アニメ漫画等も一因なのは間違いないと思います。


■重要なのは「大人が隠している」こと■


なお、「今のご時勢、いくら本を規制しても、ネットにエロはいくらでも転がっている」という反論もあるでしょう。

それはそのとおりです。ネットがない昭和でも、少年達はなんとかしてエロコンテンツを見ようとしていたものです。
子供たちを完全にポルノから引き離すことは不可能だと思いますし、逆に引き離すべきでもないと思います。

重要なのは「大人が隠そうとしている」ことなのです。

子供たちは、大人たちが隠すことで、「これは子供には早いものだ」「子供はまだ見てはいけないものだ」ということを学びます。
もちろん、隠すことでかえって好奇心を煽ることはあります。しかし、その副作用を考えても、「大人が、子供に見せてはいけないという判断をしているものである」という認識を、子供に与えることが重要なのです。

その事実からだけでも、子供達はいろんなことを感じとり、学びます。
大人になったあとでわかるようなこともあるでしょう。
どうせ子供達は、なんとかしてエロにたどり着きます。大人に隠れて少しずつ。そうやって大人になっていくものです。

でも最初から野放しになっていると、子供たちは、エロコンテンツの世界を「当たり前の自分達の日常」として取り込んでしまいます。その弊害は上記のとおり、子供達が大人になってもなお、続くでしょう。



■性教育の問題?

こういった意見を言っておりますと、「それは本来教育でカバーされるべき部分であり、表現の規制でカバーするものではない」というご意見もいただきます。

これについては半分賛成です。まず、教育が重要であるのは間違いありません。特に性教育・人権教育ですね。
いかに、世の中にエロマンガやエロ絵があふれていようと、「そういったものはあくまでフィクションであり、現実の女児や女性と混同して考えてよいものではない」という意識さえ、子供時代からガッチリ叩き込んであれば、現実に悪影響が出ることは少ないでしょう。

しかし、教育があれば、表現規制は不要かというと、「教育の一環として、表現規制が必要」だと思います。
子供達が、「異性の体はいやらしいものではなく、いやらしい目で見てよいものでもありません。それは一人ひとりの人間の体です」と学校で教わった帰りに、本屋やネットに、エロを過剰に演出したエロコンテンツがあふれ、テレビでタレントが公然とセクハラしていたら、その教育は説得力を失います。
そして当然、子供達は授業や教科書よりも、マンガやテレビの方が好きで、強く影響を受けます。
ですので、教育を強化するにしても、表現規制はセットで行わないと意味がないと思います。

そして現時点では、残念ながら有効な教育はあまりなされていないようなので、どちらにしても規制は必要になってくるかと思います。

エロは取り扱い注意の危険物と書きましたが、「子供たちは包丁の使い方も危険性も知らないが、それは包丁ではなく教育のせいなので、子供全員に包丁を与えよう」というのは間違っているのと同じです。

危険なものなのですから、教育ができていないなら、まずは取り上げて、ちゃんと教育をしてから渡しましょうという話です。

あと、おそらくですが、「性教育や人権教育が行き届く」と、子供達は過剰なエロには拒否反応を示してゆくようになるようです。
すでに「ド●ゴンボール」の原作が「エロすぎて読めない」と言っている子がいるようなので・・・。

確かに、正しい性教育や人権教育を受けていたら、女子が意味もなくエロサービスをさせられている絵面は、受け入れがたくなるでしょう。
(逆に言えば、そういうものを子供に見せても良いと言い張る人は、まともな性教育や人権教育を受けていないということになります)

なので、ちゃんと教育が行き届けば、そもそもそういったものは少なくとも子供達には需要が減ってゆくかもしれません。
「男児が女湯に入れるのは何歳までか」という問いに「女湯に入りたいと思う年齢になるまで」という秀逸な回答がありましたが、それに似たものを感じます。


6.あのイラストは「ゾーニング」が必要なのか


ようやく本題です。
ここまでに書いたことは、個人的には「当たり前のこと」だったのですが、どうもそうではない人がいるみたいなので、長々と失礼しました。

先に個人的見解を言うと、私はあのラノベ表紙のイラストは、「R15くらいの扱いが必要」と思っています。
なぜなら、あのイラストは「女性を性的に誇張・歪曲している」と言うのに十分なデフォルメ・表現がされているからです。

そうなると、上記で長く説明したように、「日常的に子供の目に入る範囲」に置くのは、子供の性感覚や人権感覚を歪める恐れがあると思います。



■性的に誇張とはどういうことか■

まず、ここがわからない人もいます。
必要以上に扇情的とか、まあそういったことなのですが。

なにせオタ界にはエロ絵が多すぎます。
ツイッターでもピクシブでも、普通にあふれてます。
なので、感覚が狂ってる人がいるというのは感じます。

これについては、わかりやすく説明してくれているツイートがあるので、引用します。
ちなみにこれは、駅乃みちか問題と萌え絵問題 について言及されたツイートのようです。

左の絵が「交通会社のマスコットキャラとしては、性的すぎる」という批判があったのですが、オタクには「これくらい性的じゃない」という人がいた件ですね。

私自身も萌え絵系の絵を描くことがあるのでわかりますが、萌え絵系の絵は「性的に見せる」ためのテクニックがいくつかあります。
それが「性的に誇張する」ということでもあります。

●体型→女性の標準のサイズより、かなり大きめの胸・腰など

☆ポーズ・構図→胸元・股間・太腿・尻・脇などを強調するような、あるいはなまめかしく姿態をアピールするようなポーズまたは構図

●服装→露出が多い/胸元・脇・太腿・腹等をチラ見せ/体型を浮き上がらせるピッタリした服

●肌の質感→頬・ひざ・ひじ・太腿・などを蒸気したかのようにピンク色に染める/水滴などでシズル感を出すなど

●表情→性的絶頂を思わせるような恍惚とした表情や、恥じらいを表現した表情・何かを耐えているような表情など。頬染めピンク率高し。

表現の細かさ・生々しさ→胸元・太腿・脇などの影のグラデーションが細かく表現されている。また影などにより性的部位が生々しく強調されている。いわゆる乳袋など。(乳袋のある絵はそれだけでエロ寄りとなります)

不自然な肉体の強調→ブレザーなど厚みのある布地の服なのに、胸の形がくっきりとわかる・着物のように胸を押さえて着る服なのに胸の形がくっきりと出て帯に胸が乗るなど、「現実にはありえない肉体の強調」

上記一つでも満たしていたら「性的」というわけではありません。
ただ、3つくらい満たすと、一般には「性的」と受け取る人が増えてゆくと思います。
なお印は、「特にこれを満たしてるものはエロになる可能性が高い」ものです。

例えば、女児向けや家族向けアニメにも、露出度の高い衣装は登場します。プ●キュアもそうですし、サ●エさんのワカメちゃんも下着を見せています。
でもあのあたりの絵を「性的」と感じる人は多くありません。
それは、やはり他の描写の問題です。

個人的には、一番わかりやすい判断は「胸の影のつけかた」だと思います。
女児向けなどのアニメは、巨乳キャラはいても、胸のふくらみをあらわす影のつけかたは単調です。巨乳であっても2~3段階程度のグラデーションです。生々しさが出ないようにしてあるのです。

しかし、エロ味ありの萌え絵は、貧乳であっても胸の表現にはこだわりを持っている人が多いです。細かなグラデーションがつけられ、乳房の量感が生々しく表現されています。巨乳だと「乳袋」(胸が袋のように見えるような生々しい表現)になっていることも多いです。

「エロ萌え絵がダメなら、プ●キュアもダメだろ!」と言い出す人がいるのですが、そういう人はおそらく「衣装の露出度」だけで判断していると思われます。
しかし、性的度はもっと幅広く総合的に判断されるもので、露出度だけが問題になるものではありません。

例えば先日「性的かどうか」で話題になったキズナアイというキャラクターについても、メインビジュアルになっている、こちらに手を差し伸べているイラストについては、「服装」「肌の質感」「表現の細かさ・生々しさ」(特に乳袋があるのが大きい)が該当しますので、「ほんの少し性的」くらいだと思います。

性的度自体は決して高くなく、個人的には全年齢で問題ないレベルとは思いますが、なぜこれが問題になったかというと、使われた場の問題ですね。やはり「取り扱い」の問題となります。主にはジェンダーロールの問題であり、性的であることはその一部にしか過ぎませんが(それがわからない人も多く、この問題もこじれたことこじれたこと)。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

ただ、3DCGになると、この「乳袋」もなくなり、胸の描写もすごくシンプルになるため、ぐっとエロ度が下がり、まったく問題ないといって良いレベルになります。

ちなみに、キズナアイのキャラクターデザイナーさんが、別途女性向けのCM用にデザインしたキャラクターがあります。
キズナアイと同年代くらいの女性キャラもいますが、まったく性的レベルが違うのがわかると思います。
特に胸の表現ですね。キズナアイが乳袋があり、胸の量感・質感が強調されたデザインなのに対し、女性向けキャラでは胸はまったく強調されていません。
女性も含めた不特定多数に対する「CM」での性的表現としては、このレベルが適切と思われます。

そこから考えると、キズナアイはやはり、当時Vtuberのメイン顧客であった若い男性層にアピールすることを考え、少し性的にデザインされていると思います。
繰り返しますがそれ自体はまったく悪いことではありません。
私だって顧客に若い男性層が多いゲームなどのキャラクターは、少々性的にデザインします。それがそこで求められる魅力だからです。逆に小学生が顧客の教育ドリルなどの仕事は極力余計な性的要素を排除します。

キャラクターデザイナーさんはちゃんと「使われる場」や「顧客層」に配慮して、性的レベルを細かく調整してデザインしているわけですね。(なのに使う側に配慮が足りないと炎上騒ぎになるという・・)


駅乃みちかさんの話題に戻りますと、左のイラストは、
「ポーズ」
「肌の質感」
「表情」
「不自然な肉体の強調」
の4つがあてはまると思われます。詳しくは引用させてもらったツイートのとおりです。
個人的には「少々性的」だと思います。もちろん18禁になるようなものだとは思いませんが、「公共の交通手段のマスコットキャラ」には「少々の性的」も不要であり、不適切だったのではという印象です。

2.でかいたとおり、エロは「取り扱い注意物」です。公共の場に出す場合には、より取り扱いに注意が必要だったということでしょう。

そして、件のラノベのイラストについては、全項目当てはまってると思われますので、もう完全に「性的」です。
少なくとも「エロくない」ってことは万人から見ても、まずないと思います。
というか、これで「全然エロくない」と言われたら、多分イラストレーターさんもガッカリです。
コレは完全に「エロく見てほしい」という思いをこめて描かれた絵です。そしてそのこと自体は別に悪いこっちゃないのです。

問題は、その絵が、子供の目に留まる場所に置かれてしまったことです。
最初から最後まで、この件の問題点は、そこなのです。



■出版社の自主規制は「絶対」ではない

まず、通常出版社は、ある程度自主規制をひいています。
これは、会社により違うでしょうが、「全年齢」の基準としては、

「性器・乳首が見えていない」
「全裸ではない」


…くらいの会社が多いと思います。
私はゲーム会社からの依頼でセクシーめな女性を描いたことがありますが、「乳首は見せない。見えそうでもいけない」というのは指示されました。

今回のイラストを「公共の福祉に反していない」と主張する人がいるとしたら、おそらくはこの一般的な自主規制にのっとって考えたのでしょう。

では、この二点さえ守っていたら、「それ以上の自主規制は不要」なのか?という話になりますが、これはあくまで各会社が自主的にひいている基準でしかありません。
絶対ではないのです。

ですので、ジャッジする会社によっては、「着衣で性器も乳首も見えていなくても、ポルノ認定される」という状況があります。

こちらがまさにその例ですが。

著作(ライトノベル)のカバーイラストがポルノ認定され広告を禁止された件についてTwitter日本支社に行ってきた話

顔以外にほとんど肌を露出させていないイラストがTwitter社に「ポルノ」として認定されてしまったという話です。
この方は異議申し立てをしたようですが、その後の経緯を追えなかったので受理されたのかはわかりません。

この方の「これはポルノではない」という主張の根拠は
「肌の露出がほとんどない」
「日本では全年齢で売られている商品である」

というものです。

前者については上記で述べたとおりですが、露出度ではなく、「乳首が浮くほどピッタリとした衣服を着た女体を、生々しい質感で表現している」というのが問題になったのでしょう。つまり表現の問題です。

後者は会社ごとに異なる基準を持つものなので、受けいれられない可能性は仕方ないと思います。他でいいならウチでもいい、というわけにいかないものです。

というわけで、日本のオタクからすれば、やや厳しすぎるように感じる判定ではありますが、世界ではこのような基準もあるわけです。

また、日本国内でも、このようなことはあるようです。

こちらの方の上げたイラストも、着衣で、局部はすべてきちんと隠れています。胸や腰を不自然に強調していることもなく、シュナムル氏が指摘したイラストに比べたら、だいぶん健全な印象があります・・・が、受け入れられなかったようです。
やはり、各組織で、ひいている自主規制のラインは違うのですね。

ですので、「今までこれで良かったから、これからもこれでいい」ということもなければ、「この会社では良かったから、他の会社でもこれでいい」ということもないわけです。

流動的なものなんですね。


自主規制ではなく、条例に照らして考えるとどうなるのか

ここで、シュナムル氏が指摘したイラストの話に戻ります。

まずは、日本の法律を見てみましょう。
出版社の自主規制などは、この法律にひっかからないようにひいているものなので、出版社の自主規制に合致していても、こっちにひっかかっては元も子もありません。

日本では刑法175条「わいせつ物頒布等の罪」というものがあります。
ここで言う「わいせつ物」とは、(いろいろと論議はあるようですが)wiki先生によると、現在のところ、以下の要件があるようです。


1. 徒に性欲を刺激・興奮させること
2. 普通人の正常な性的羞恥心を害すること
3. 善良な性的道義観念に反すること

なるほど、曖昧です。

じゃあ「わいせつ物」って具体的にはどういうものなの?ということになりますが、結局のところ「裁判官の判断」ということ、さらにその裁判官の判断は社会通念などに照らした結果になるとのこと。

現状、確実にアウトになるのは、「性器・(女性の場合は)乳首の露出」などがあたるようです。「その格好をして町を歩いたら、おまわりさんに捕まる」服装ですね。それ以外はケースバイケースのようです。

じゃあ、そこさえ抑えたらOKなのか?という元の話に戻ってしまいますが、「それはまずかろう」ということで、条例などでもう少し具体的に定めている都道府県もあります。

青少年保護育成条例による、有害図書の指定内容
「販売され、若しくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類又は映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」(第8条)となっている。2011年7月1日以降は新たに「強姦等の著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように描写し、又は表現する」
(wikipedia)

条例なので各都道府県で違うと思いますが、東京都の「東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則」によると、以下のように書かれています。

一 著しく性的感情を刺激するもの 次のいずれかに該当するものであること。
イ 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ロ 性的行為を露骨に描写し、又は表現することにより、卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。
ハ 電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより、人に卑わいな行為を擬似的に体験させるものであること。
ニ イからハまでに掲げるもののほか、その描写又は表現がこれらの基準に該当するものと同程度に卑わいな感じを与え、又は人格を否定する性的行為を容易に連想させるものであること。

件のイラストについては、イの前半「全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写」に該当するように思います。
半裸というか、もともと上半身の描写ですが、その上半身が「まともに服を着ている」とはとうてい言えない状態ですので・・・。

ですので、個人的には、「条例にはひっかかるのでは?」という印象になります。

つまり、「出版社の自主規制が甘いのでは」ということで、シュナムル氏が指摘したかったのも、そこだと思います。

ただ、個人的には、「条例にひっかかるから自主規制を厳しくしよう」というよりは、「これ以上条例を厳しくしないために、自主規制を厳しくしよう」という方が、意見が近いです。これは後述します。


ちなみに、シュナムル氏以外にも「ラノベの表紙エロすぎ」を指摘している人はけっこういます。



実際、ライトノベルの表紙はキモい

このあたりは「ライトノベル 表紙 エロ」で検索したら、たくさん出てきます。

というわけで、「たまたま、数少ないエロい表紙にあたってしまった人の意見」ではなく、ラノベ全般にある問題だと言えるのでしょう。

ちなみに、私も実際近所の本屋をいくつか回ってみましたが、子供もたくさん通る、普通に目立つ場所に、もっとエロい表紙のマンガが平積みされてました・・・ほぼ全裸でした。(乳首と局所だけ、わずかに触手で隠れていた)
エロい表紙のラノベもたくさんあったのですが、これが一番すごかったですね。さすがにあかんやろ。


■望ましい自主規制のラインは?■

どの段階からその自主規制の線を引くかというのは、非常に難しい問題だと思います。各会社それぞれの都合から定めるしかないでしょうが。

個人的には、「女上司」「上司の娘さん」「交際相手・配偶者の母親」など、ある程度気を遣う関係の女性に堂々と見せられるか、というのが一つの基準になるのではと思います。

見せられない、ということは「相手を傷つける」というのが想定できているということです。
大人の女性を傷つける性質のものは、当然子供の成育には悪影響を与えるでしょうから。

ただ、個人的には、「じゃあそういうものは全部18禁だ!」ということではなく、あくまで子供の目に「普通に」は入らない場所に置けば十分ではないかと思っています。

今って、私が個人的に見てまわった数件の本屋でも、田舎都会関わらず、通路沿いの一番目立つ場所に、AV顔負けみたいなタイトル・表紙のラノベが堂々と平積みされている状況です。
少なくともその状況はやめてほしいですね。

全年齢かR18か、ではなくR15やR12など段階的に規制していくのも必要ではと思います。(現実問題大変すぎて難しいのかもしれませんが)

この話をすると、「そんなことをしたら本が売れなくなる!出版社がつぶれる!作家が路頭に迷う!」って意見があったわけなんですが、それは「まともに残業代を払ったら会社がつぶれる!」と同じレベルの話としか思えません。


7.自主規制の必要性


「なぜ、公的な機関から指摘されたわけでもないのに、わざわざ自分から表現の幅を狭めなければならないのか」という考えはあると思います。


そういったことを繰り返していけば、表現の自由はどんどん狭まってゆく。それは抗うべきではないかということです。
これは一理あると思います。

それでも、自主規制としてゾーニングしなければならない理由には、表裏一体の2つの理由があると思います。

①「訴えられなければ、違法の可能性があってもかまわない」という行為は、良識ある大人がすることではない

これは当たり前のことで、説明は不要なはずですが、ツイッターではこれを理解している人は少なかったですね・・・。そういうところも不安要素です。

「訴えられなければ合法」という考え方は、先日、無断転載漫画で広告収入を得ていた「漫画村」の考えにも似ています。
あれは、出版社が本気を出し、なんとか違法性ありで処分されましたが。

「漫画村」の所業に業を煮やしていた人なら、「訴えられなければ、何をしてもいい」という考えに同意できないのは、わかってくださると思います。

まあ、これは一般の「人としてのモラルの問題」と言えるでしょう。


②公的な機関から指摘されるような事態になれば、理解のない第三者から理不尽な規制を強制される可能性がある。


まず、前提として知っておいて欲しいのは、

・世の中の大半の人間は、エロ漫画やエロイラストが無くなっても困らない。むしろ無くしたい。

・1.で述べたように条例を持ち出されたら、現在のオタクイラストの多くが「正式に条例違反」とされる可能性もある

あるいは条例がより厳しくなる可能性もある。

つまり、「世論とおおっぴらに戦ったら、オタクのエロ文化は負ける」ということです。

だから「戦ってはいけない」し、「戦わないといけない状況にしてもいけない」のです。

そのために必要なものが、まずは自主規制であり、特にゾーニングなのです。


興味がない人の目に極力触れさせない

これが一番大事です。
長らくオタク文化に漬かってるとわからないかもしれませんが、オタクのエロ文化というのは、「一般の目」から見ると、ほんとーに異常でヤバく見えるモノなのです。異論はあるかもしれませんが、残念ながら現実です。

何年も前ですが、あるワイドショーで、コメンテーターやゲストたちが、おそらくは成人指定の、ロリエロ同人誌を回し読みするという、地獄絵図を見たことがあります。いったい何を考えてそんなことをしたんだか不明ですが、そのときの反応が想像できますか…。

一切の理性的判断の余地なく、一刀両断にアウト
でした。もう脊髄反射です。男女年齢関係ありません。
一見して「ありえない!!!」という反応でした。

あれを見たとき、少なくとも一般市民については、「話をする隙」すらないと感じました。
一部の知識人や有識者は必死で論理的なフォローをしてくれるかもしれませんが…、あれが世論ならば、戦うのは無理だと感じました。どんなに言葉を尽くしても理解はできないでしょう。

つまり、オタクのエロコンテンツは、日常的に彼らの目に触れさせないように、隠すのが一番重要なのです。

ゾーニングは、もちろん一番重要な目的は「子供達の目に触れさせない」ことですが、R18やR15のようにある程度きちんと分けていけば、成人であっても、そういったコンテンツを見たくない人も近寄らないでしょう。

これを言うと、「いや、わざわざ成人コーナーにやってきて文句を言い出す人はいる!」って意見が必ずと言ってていいほど来るんですが、「自分から積極的に見ようとしない限りまず見えない」場所にあるエロにまで文句つけるケースは本当に稀です。
私は少なくとも、このエロ問題で紛糾していたツイッター上ですら、そんな人は見たことないです。

そんな滅多にいない人への反感から、「じゃあいいもん!どうせ叱られるなら、最初からゾーニングなんかしないもん!」って考え方はまったく賛同できません。反抗期の中学生じゃあるまいし。そうやって野放しにした結果、過剰に批判を受けたり、条例が厳しくなったりするわけですから。

BLが男性向けエロほど批判を受けないのは、何より「BL」というカテゴライズ自体がゾーニングの役目を果たしていることがかなり大きいと思います。
(「性的加害者」になる可能性が比較的低い女性が読者層であること・作中当事者がすべて男性なのに対し、読者の大半が女性なので、直接的な悪影響が現実に出ることが少ないなども大きいと思いますが)
興味がない人はBLというのを目にした時点で遠のきますので、そもそも「見ていない」「知らない」なんですよね。だから文句をつける人も少ない。もちろんいますけれどね。

もし、少年漫画と過激なBL漫画が、同じ棚に混じって置かれていたら、批判もかなり多かったと思います。男性からも「分けろ」と意見がくるのではないでしょうか。
今のラノベってそれに近い状態なんですよね。まったく性的じゃない物も、かなり性的な物も、全部一緒に置かれている。(本屋によっては分けているかもしれませんが、私が見た本屋は全部ごちゃまぜ)
だからせめて、「アダルトラノベ」とか「オトナラノベ」みたいに新ジャンルにして、全部そこに集めてくれりゃいいのにとも思います。まあこれもゾーニングなんですけども。


今回シュナムル氏の指摘も、ちゃんとゾーニングされていたならば、そもそも出てこなかったでしょう。
もしも、この本が完全に18禁コーナーとして他から切り離された場所にあったにも関わらず、女児を連れてそのコーナーにわざわざ行ったということなら、私もどうかと思いますが、そうでなかったから彼は問題提起をしているわけですし。

シュナムル氏が指摘したことで「余計なこと言いやがって」という論調がありましたが、シュナムル氏に限らず、「指摘をさせない」なんてことはできません。「指摘が出てこない状況を作る」のが重要です。


きちんとした管理能力のアピール

上記で、「エロコンテンツは取り扱い注意」と書きました。世間には、「毒と薬、両面を持つもの」が多数存在します。
薬、銃、タバコ、酒、車・・・。使う人間によって、毒にも薬にもなります。
こういったものは、「管理能力のある人間によって、適切に管理されている」ことを前提に、許されています。
薬は薬剤師が適切に管理し、車や銃は(合法の国でも)ライセンスが必要です。タバコや酒も、年齢制限や摂取してよい場所が決められています。

エロもそれに類するものだと思います。
誰にも迷惑かけず、適切に節度を守って楽しんでいる分には、誰に文句を言われる筋合いもありません。
しかし、「条例に触れる可能性があるレベルのものを、子供も普通に見られる場所に置く」のは、「適切に節度を守って」の範囲から外れています。
「他人に迷惑をかけている」わけです。

「他人に迷惑をかける趣味」というのは、迫害されます。タバコもそうでしたよね。最初から非喫煙者に一切迷惑をかけないような、完全分煙が実施されていれば、ここまで迫害されなかったでしょう…。

しかも、そのハタ迷惑で危険性のある「趣味」が、「適切に管理されていない」となると、なおさら周囲の不安は募ります。

今回のように、
「この程度エロくないですが?っていうかエロくて何が悪いんです?子供に有害?子供には嫌なことも我慢するように教えたほうがいいですよ?我々にはエロを堂々と表現する権利があるんです!」
という見当違いの開き直りをする人ばかりだと、「そもそも適切に管理できる能力・意志のある人間がいない」とみなされるわけです。

そこを「世論様」に見つかってしまうと、これはもう大変です。
「子供に有害なエロが、エロボケした非常識なオタクどもによって、ちゃんと管理もされず、好き放題に垂れ流されているぞー!」となってしまう。

そして「これは良識ある我らがなんとかしなければ」とばかりに、PTAだとか議員様だとかが出てきて、創作や表現のことなんか二の次三の次の第三者が、融通のきかない杓子定規な規制を作って逃げられないようにしてしまう。それは避けたい事態です。

自主規制は「我々はきちんと適切に管理している」というアピールになります。

これもまた、オタク文化を守るのには必要なことだと思います。

ここまで話せば、「現時点で、違法だと指摘されていないのだから、自主規制を強める必要はない」という考えが危険なのがわかると思います。

「外部から違法だと指摘されるような事態になってからでは遅い」のです。

それを避けるために、素人判断で「グレーでは?」のレベルのうちに、ゾーニングなどの自主規制が必要なのです。

えrこ

■実際に少女漫画に起きた事例■

2010年前後、あるメジャー少女漫画雑誌にはエロ表現が溢れていました。エロを取り入れたある作品が爆発的に人気になり、それに乗っかる形で、雑誌自体がどんどんそちらの方向へ向ってしまったのです。

しかし、なにせメジャー雑誌ですので、人の目につきます。
各所で問題になり、条例改正や販売規制が入ることになりました。

その結果、「法に照らして、規制対象ではないのでは」と思われるような作品まで規制されるようなこともありました。(物語のテーマを伝えるために必要な性描写のシーンまでが「わいせつ」認定されるなど)

そういうことがあると、当然ですが、作家側も出版社側も、過度に萎縮してしまい、本当に必要な表現までができなくなってしまいます。
個人的には「表現の自由の侵害」でいえば、「全年齢のラノベコーナーに、エロ表紙の本を並べられない問題」より、こちらの方がよほど重要です。

もちろん、本来そういった「誤った規制」とは真っ向に戦わなければなりません。
しかし、相手が公的権力になってしまうと、この戦いは非常に困難なことになります。というか出版社が戦ってくれないことが多いです。

なので「世論と戦わない道」を選ばなければならないのです。

なお、この件について、私は「条例改正になったのもやむを得ない」と思っています。
あのエロエロ蔓延は、それほどに少女達の性意識に悪影響を及ぼすものになっていました。実際に「有害だった」と私でも思います。

なので、ここで悪いのは条例改正や販売規制をした側というより、「相手にそこまでさせてしまった出版社側」です。
「表現の自由」という自らの大切な権利を、自分で潰してしまったんです。

「表現の自由」は「好き放題していても必ず守られる権利」ではありません。
時には戦って勝ち取るものですし、時には目先の利益のためだけに人を害するものになっていないか、自浄作用も持っていなければなりません。
自分たちでしっかり守っていかなければならないものです。
この件については、出版社にその意識が足りなかったと私は感じています。


8.準児童ポルノ問題



そもそも、日本のアニメ・漫画におけるエロ表現については、条例よりももっと恐ろしい敵がいます。

「児童ポルノ」にフィクションである二次元を含める、という案です。準児童ポルノ問題ですね。
実際に過去、二次元は何度も児童ポルノに入れられそうになっています。そのたびになんとか回避してきました。

児童ポルノに二次元を含めるとどういったことが起きるかというと、「製作」「流通販売」「所持」すべてが禁止となります。
ゾーニングしてようとしていまいと関係なく、所持だけでも逮捕される可能性が出てきます。

なお、これは「年齢設定が18歳以上ならセーフ」ということではなく、「見た目が18歳未満に見えたらアウト」ですので、ロリババア(見た目が幼く見えるだけの成年女性という設定)でもダメです。

日本のオタク文化の特徴ですが、絵柄が幼く、キャラクターが未成年に見えるものが多いです。
児ポに二次元を入れられたら、特に男性向けオタク文化は、同人誌界も含め、壊滅します。

そんなアホなことがあるのかと思う方もいるかもしれませんが、海外では実際にこのような法律が制定されている国もあります。

特に、今はオリンピック前で、政府も海外の目を気にしています。
欧米基準からすると、日本のアニメ・漫画はかなり扇情的であり、「児童ポルノの輸出国」として元々問題視されていた傾向はあるので、「海外の目もあることだし、この機会に法整備をしよう」なんてことになりかねません。

私は準児ポについては反対です。

もちろん、被害者が実在する児童ポルノについては、徹底的に根絶してほしいと思っています。しかし、フィクションの児童ポルノに被害者はいません。

では、なぜ禁止にしたいかというと、「児童性犯罪を誘発・助長する」というのが一番の理由ではないかと思います。

しかし、「成人がフィクションに影響を受けて犯罪を犯す」というなら、犯罪に関連するフィクションはすべて取り締まらないとおかしいです。

成人女性がモデルになっているAVやエロ本もすべて禁止にすべきですし、暴力表現がある映画やドラマや小説も、すべてアウトになります。

「成人はフィクションと現実の区別がつく」


この大前提の元に、適切なゾーニングのうえ、大人たちはエロコンテンツや暴力的なフィクションを楽しんでいるわけです。

児童をモチーフにした場合に限って、その前提がひっくり返されるというのは、納得がいかないというのがあります。

しかし、これは一般には理解されづらいでしょう。

世間では、そもそも「子供を性対象に考えること自体がタブー」であり、許されないことだからです。
しかし、「考えること自体が許されない」というのは、思考の自由に関わるように思いますし、だいたい不可能です。
心の中や頭の中を取り締まることはできません。

しかし、自分達がタブーと考える表現を見せ付けられると、「取り締まりたくなる人」というのは出るものです。

オタクのエロ文化が広く知られるほど、「これは児童ポルノだ!全面禁止にすべきだ!」と脊髄反射的に拒否を示す人が増えてゆくと思います。

「嫌なら見るな」とか言ってる場合じゃないんですよ…。オタクがエロを発信する権利は、残念ながらそこまで強くないんです。「非オタの一般人」が本気を出せば、潰されてしまうものだと思います。

なので、やっぱり結論としては

「戦ってはいけない」
「戦う状況にしてはいけない」
「攻め込ませる隙をつくってはいけない」

であり、そのためには、

「作家・出版社・書店・買い手(つまり関係者たち)で、適切にゾーニングして自衛し、今回のような指摘がそもそも出ない状況にする」

のが一番だと思います。

それこそが「被害者が出ない」状況です。


なお、今回のイラストが男性向けだったので、主にそちらの話に偏っていますが、女性向けのTL,BLも同様です。ある程度以上の性描写があるものは、男性向け同様にゾーニングは必要だと思っています。




9.オマケ・エロ問題について話をしたら、表現の自由戦士が、表現の自由を侵害しようとしてきた件


こういう話をしていますと、「エロ表現を規制するな!」という考え方の人が、私の仕事先の出版社に、私の仕事についてクレームを入れるということが発生しました。まあ、要するに嫌がらせですね。

私はそのとき、ちょうど新刊の本を出す原稿真っ只中で、あまりその人たちをかまうことができず、(本音を言えば面倒だったのもあって)ほとんど放置しておいたんですが、まとめを作ってくれた人もいるようなので、興味がある人がいれば(いるのか?)検索でもしてみてください。

ちなみに、私はそのまとめも読んでません。読むと何か言いたくなるタイプの人間なので、時間がいくらあっても足りないからです。
また、さらっと表面見たところ、私の主張をまったく理解していない人が見当違いの主張をしているだけで、多くの人は正しく理解してくれていましたので、放置して問題ないと判断しました。(もちろん、正しく理解したうえで私の意見に反対の人はいると思いますが、この件で変な騒ぎ方をした人はそういった人ではありませんでした)
そして、正直ツイッター等で嫌ってほど同じ内容を、このnoteなみに詳しく何度も説明しましたので、それを読んで理解できない人には、何をどう説明しても理解いただくのは難しいと判断しました。読まないで騒いでいる人についてはもちろん論外です。


結論から言うと、出版社にクレームを入れた人が数人いるようですが、その出版社の翌営業日にはすぐに担当の方からメールがありました。


・私の仕事に関係ない事から勃発した嫌がらせと認識していること
・私の仕事(イラスト)には何も落ち度がないこと
・今後も変わりなく私へ仕事依頼をしてくれること
・嫌がらせの電話等には顧問弁護士に相談のうえ対応すること

上記をご連絡くださいました。
ちなみに、私の方からその出版社には何も申し上げていません。
しかし、担当の方はことの経緯を把握してくださっていました。わざわざ調べてくださったんですね。

少なくとも、この出版社様については、「嫌がらせに屈してイラストレーターに圧力をかける」といったことはありませんでした。
表現の自由はまだまだ元気ですので、ご安心ください。

ちなみに、私個人にも「Pixivのあなたの絵は性的です!!!不快です!!!すぐ削除してください!!!」というメールをくださった方もいました。
上記に述べたように、私は「成人の場合は、不快なら見なければいい」と考えていますので、「禁止エロ基準をより厳しくしたいなら運営にどうぞ」とだけ答えておきました。
私が過去にFGOというゲームをやっていたことに対し、「FGOは実に性的でけしからん!!」と私よりよほど詳しく語ってくださった方もいました。これも「運営にどうぞ」です。

これらはなかなか興味深いことでした。

多分、これらの人々はどちらかというと「エロ表現規制反対」という考え方のはずですが、「エロ規制賛成の人へ嫌がらせをするために、自らエロ表現を規制する方向」に回ったんですね。

もちろん、私が「運営にどうぞ」と言ったところで、当然これらの人たちは運営にクレームなどつけなかったでしょう。私への嫌がらせが目的なのですから。
しかし、やった行動としては、私なんかよりよほど上の、厳しいエロ規制です。もはやダブルスタンダードどころではなく、ブラックジョークの領域です。

滑稽ではありますが、笑い事ではなく、教育の敗北という気もします。

その後、ネットで「表現の自由」を掲げて過激な活動をする人のことを「表現の自由戦士」と呼ぶことを知り、タイトルに使わせてもらいましたが、まあ、当然のこととして、「自分が気に入らない発言をする人を、攻撃し、出版社に嫌がらせをする人」と「表現の自由」は、対極にあります。
冒頭に紹介させてもらったツイートの「自分が嫌いだからといって、攻撃するのは良くない」という、まさにそのとおりの行動ですね。

今回嫌がらせに走った人たちは、本音では表現の自由などどうでもよく、表現の自由を持ち出すのは、単純に「自分が好きな物を規制するな!」ということを正当化したいためだけなのでしょう。
これこそまさに「個人の好みの問題」ですね。
本当に表現の自由のために戦っている人にしてみれば、迷惑でしかないのでやめてほしいとは思います。

なお、絵や仕事の感想については自由に送っていただいてかまわないと思うのですが、上記のように、状況等から嫌がらせと判断されると、最悪法的処分を受けることになりかねないことは知っておいてほしいと思います。
私も、誹謗中傷や名誉毀損の段階にあるものについては、迷わず法的対処します。



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汐街コナ

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6.それくらい、人の行動を制限することは慎重に、誰もが納得する手順で作られるべきです。誰もが納得するのは難しいでしょうが、「*人中&人がこれをエロいと判断して#人の子どもに悪影響を及ぼしたと$先生の研究結果で明らかになった」「そこで〇〇の資格を持った△人中□%が賛成した」くらいのきちんとした過程が必要です。
 「ラノベの表紙がエロいって何人中何人が言った?」こういう言葉は、(中にはヤジのつもりで言ってる人もいるかもしれませんが)難癖をつけているわけではないと思います。法律を持ち出し人の行動を制限するなら、せめて数値化しろ、「普通は」「常識的に考えて」じゃなくてもっと根拠を明確にしろ、と言っているんだと思います。あなたはグレーゾーンは隠すべきと言いますが、どこからが、どう言う基準でグレーゾーンなのかはあなた個人の感性でしか説明していません。
7.たかがラノベ、というかもしれません。あなたが「たかが」と思うものが、個人にとって大事なものである可能性はないですか? あなたがいらないと思っているものは、個人にとって大事でも踏みつけていいものですか? あなたは、自分が多数派であると思っているようですが、それを根拠に少数派に行動制限を強いるのは正しいことでしょうか。少数派を潰して不可視化し、可視化された多数派の中から別の少数派が出てきたらどうしますか。世の中には色々な人がいるので、ラノベに興奮しなくても、不倫ドラマに興奮する子供が出てくるかもしれない。そうしたらまた不倫ドラマを自主規制させますか?多数派が少数派をどんどん潰して行き、クローンのように同じことを考え同じことにエロさを見出す健全な世界を作りたいですか?清浄な世界で、あなたが異常だと見なされ排除される覚悟はありますか?
8.私にはそんな覚悟ありません。自分がいつ少数派だと見なされて排除されるかわかりません。排除されるならせめて、大多数の人が私の排除に賛成し、私を排除することが正しいという確証を持ちたいです。100人中90人にお前の感性は異常で、かつ放っておくと有害であると言われて排除されるなら諦めもつきますが、実は10人に囲まれて石を投げられていただけで80人くらいにはどうでもいい、いてもいなくてもいいと思われてるだけだった、というのは納得いきません。あなたが10人で石を投げているのではなく、90人の考えを代弁しており、自主規制は正しいというのなら、「普通に」などという曖昧な、あなたの中の常識に基づくのではなく、きちんとした根拠を持って規制する基準を定めて話して欲しいと思います。有害なものが規制されるのは仕方がありませんが、あなたが言うそれが本当に有害で規制するべきものかどうかを個人の感性で決めて欲しくない、というのが私の考えです。
最近はエッチな感じのラノベの表紙多いですね!bl物とかだと全裸とかもありますし
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