SixTONESの「人人人」があまりにも最高だったので語りたい

とりあえずこれである。

ほんとうはいわゆる沼落ちブログ的な、二次元オタクがSixTONESに出会うまでみたいなやつを書こうと思っていたのですが、元旦から公開された「人人人」があまりにもよかったものでうっかりこちらを先に書いています。
(よってSixTONESについてはにわかもにわか、ド新規の超超初心者なので、スト担のみなさまにおかれましては何卒お手柔らかにお願いしたく…。)

さて、「人人人」。2023年1月4日に発売予定の3rdアルバム「声」の収録曲で、唯一試聴が解禁されていなかった曲かと思います。
ただ、特設Webサイトのセルフライナーノーツには、松村北斗の以下のような文章が掲載されていました。

わかるようでわからない、想像の膨らむ素敵な文章です。個人的には沼落ちの決定打でもあったのですが、この話はここでは割愛します。
(ちなみに動画公開後、北斗のライナーノーツを改めて読みたいな~と思ったタイミングで公式がばっちり上記をツイートしていました。需要をわかっていらっしゃる…。)

タイトルが最高

正直最初の印象は「どういうタイトルなの…?」でした。
そも読み方から「ひとひとひと」でいいのか、「にんにんにん」なのか、あるいは「さんにん」「トリオ」みたいな変わった読みをさせるのか、何もわからない。

だからこそ、歌詞のこの部分が衝撃的でした。

手のひらに“人” “人” “人”!
って書いて飲んで書いて飲んで

SixTONES – 人人人 [PLAYLIST -SixTONES YouTube Limited Performance- Day.6]

誇張でなく息を呑みました。そうか、緊張した時に手のひらに「人」って字を3回書いて飲み込むあれ、あれのことだったのか!

子どものころ誰からともなく教わったその記憶と同時に、北斗の「おまじないのような歌」という言葉が思い出され、脳の回路がつながって電気が通ったみたいな感覚でした。
アハ体験とはまた少し違うかもしれませんが、音楽を聴いてこんなに頭を揺さぶられたのは久しぶりでした。

また、曲中に「支え合ってんだろ?」という歌詞があるので、「人と人が支え合って『人』という文字になる」という俗説を意識しているようにも思えます。「6人が支え合って『人人人』」でもあるのかもしれない、とか。
別のところではシェアとシェア…ではなくシワとシワを合わせた合掌の絵文字を「人」とも読んでいて、幸せ×3でもあるのかな、とか。
シンプルなのに不可解で、多面的な捉え方ができる素敵なタイトルですよね。

6人の歌唱が最高

歌に関して、ファーストインパクトはやっぱりラップです。
Twitterのおすすめトレンドに「全員ラップ」が入っていましたが、樹以外のメンバーもラップを(素人目には)歌いこなしている(ように見える)のは純粋にすごいなと思います。

ジェシーのJ-POPにないノリがラップに合うのは「知ってた!」という感じですが、慎太郎のリズム感の良さがまあ映えること映えること。北斗のがなりもよいアクセントになっているし、髙地からこの治安の悪さが出てくるのにもぐっときます。
個人的には、京本大我のラップがツボでした。もともとメロディアスな歌声のきょも、ラップもどこか旋律を感じる独特な印象を受けました。SixTONESは個性のおもちゃ箱なところが魅力だと思っていますが、ラップにおいてもきょもの個性をつぶさないでくれて大感謝です。
そして、みんなすごいな~と思ったところで再度登場する貫禄の田中樹。ラップ担当の面目躍如、痺れます。

もちろんラップ以外のパートも好きです。
特にSixTONESの伝家の宝刀(と呼ぶにはしょっちゅう抜いているかもしれないけど)、きょもと北斗のオクターブユニゾンの箇所。情感たっぷりな高音のきょもと、ややダウナーな低音の北斗、歌い方こそ違いますが、ふたりとも艶のあるなめらかな声質なので重なるととても綺麗です。
2回目のLet me hear~なんて、2人きりの歌唱パートなのにきょもは北斗に背を向け、北斗の方も目をつむっていて、お互いを見るそぶりがまったくないのに、それでも声を合わせている…。構図・構成萌えの気があるオタクにとってはちょっと殺傷力が高かった。勘弁してほしいです(いいぞもっとやれ)。

歌詞が最高

歌詞も秀逸だなと思います。たぶん制作側もその強みを自覚していて、それを正確に届けたいと思っていて、だからこそ動画内に歌詞表示がされているのかなあと。もちろん初出の曲であること、ラップの歌詞は聞き取りづらいこともあると思いますが。

北斗が「わざわざ聴かせるべきではない内容」と述べているように、ステージでは見せないアイドルの裏側、どうしようもなく人間の部分を軽妙に歌っています。
当然、歌っているSixTONESがアイドルなので、歌詞について深く考えると必然的に彼ら自身に思いを馳せることになりそうです。ただ、個人的な心情ですが、生身の人間を考察の対象にすることに抵抗を感じるタイプのため、どこまで踏み込んでいくかはけっこう悩ましいところでもあります。

単純に好きな歌詞をピックアップすると、まず「控えも替えもなんもいらねっ そう笑いだすsoul」。自らを追い込んだうえでなお笑っている感じがいいです。「いらね」の後に促音の「っ」が入っているところもなんか好き。

あとは「ためらいもLieもなにもかにもいらない イメージだけ」
ここは「イメージだけを持ってステージに上がる」という趣旨だと取りました。ステージ上のアイドルが我々に見せるのはあくまで「ファンに見せたい姿」であって素をさらけ出すわけではないけれど、それでもLie(嘘)は捨ててきた、という意味もあったらいいなと。
「ai」の母音で細かく韻を踏んでいるのもいいですね。下降していく音形と相まって、サビに向かっていく推進力を感じます。

それから、Hungry, Rumbling, Tambourineの韻踏みから「盛り上げるのにタンバリンはいらない」→「代わりに手拍子しよう」→「シワとシワを合わせて合掌のポーズ」→「人!」の流れが素晴らしくて唸りました。
韻を踏みつつ歌詞の意味を繋げつつ主題に戻って来る手腕よ。何食って生きたらこんな詞が書けるんだ。

そのほか、有線マイクのコードをもてあそびながら歌うのが癖(へき)だとか、北斗の肩チラ見せニットがとんでもないとか、楽曲以外の見どころも多くありますが、今回は「SixTONESの楽曲って最高!」というところで〆にしたいと思います。

最後に

「人」つながりで「PARTY PEOPLE」のMVと交互に見ると手軽に狂えて最高です。業の深いオタクですまない…。