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塩見直紀の試行100(060)「制約マニア」

半農半X研究所の塩見直紀が試みてきた小さな100個(本、ワークブック、ワークショップ、ツーリズム、コンセプト、コレクション、法則など)、紹介しています。

京都市立芸術大学の博士後期課程(メディアアート領域)の3年間(+1年)で気づいたことの1つは、僕は制約をかける発想が好きだということでした。「半農半X」というコンセプトは小さな農と天職を組み合わせて生きるという制約系のコンセプトです。僕がこの10年、自己探求やまちづくりなどに使ってきた古典的編集手法「AtoZ」も創造性開花のための制約法です。「1人1研究所」というコンセプトは、「みんなが自分のライフワークを研究所として探究するとしたら?」という制約からの創造性開花をめざしたものです。「天職観光」というコンセプトは、これからの時代、人はどこでも旅するというより、天職のヒントを探す旅をもっとするようになるだろうというもので、「人はなぜ旅をするのか?」という根源的な問いを制約にすることで、新しい時代を少し早く招来させるものです。

制約がわかると、何をすべきかがはっきりする。
『THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略』(テイラー・ピアソン著、2017)にあることばです。「世界は広く、何でもあり」としすぎると、結局何もできない。大事なのは、上の写真で紹介しているベネッセ、福武財団の福武聰一郎さんの「あるものを活かし、ないものを創る」のこころかなと思っています。新しい型の創造を意識しつつ、あえて枠に、型にはめてみること。制約マニアとしては、新しい制約を探してみたいと思います。

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