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シール恐怖症を知っていますか?

いきなりですが、皆さんの周りにシールが苦手な人はいますか?

日常にありふれている身近な物なだけあって「何を言ってるの?」と思う人が大半だと思いますが、たとえば『集合体恐怖症』などがイメージしやすいのではないでしょうか。

ある対象に恐怖感もしくは嫌悪感を覚え、拒絶反応を起こしてしまう。

私は、『シール恐怖症』です。


先ほど挙げた集合体恐怖症や、高所恐怖症は誰でも一度は聞いたことがあるかと思います。おそらく、それに比べるとシール恐怖症の認知度はかなり低いです。

実は、私もシール恐怖症という言葉を知ったのはつい2年ほど前でした。

昔からシールが苦手で拒絶反応を起こしていましたが、それが何なのかは分からず、"恐怖症"の類いであるとは思いもしませんでした。

しかし、ある日ふと「調べてみれば何か分かるかもしれない」と思い検索してみたところ、同じように苦しんでいる人がたくさんいることが分かりました。
それまでは自分だけがおかしいんじゃないかと思っていたので、とても安心したのを覚えています。


シール恐怖症について調べていると、世の中には『○○恐怖症』と名前のついているものがたくさん存在することが分かりました。

Wikipediaにまとめられたページがあります。

この一覧にシール恐怖症はありません。…ということは、ここに載っているのはほんの一部で、あまり知られていない恐怖症はまだまだあるのだと思います。

Wikipediaによると、『恐怖症』は

特定のある一つのものに対して、心理学的および生理学的に異常な恐怖を感じる症状である。

とされています。

しかし実際は、その対象に抱くのが"恐怖心"であるか"嫌悪感"であるかは人によって違うような気がします。

私の場合は、嫌悪感の方です。シールを見ると鳥肌が立ち、吐き気を催し、触ることもままならない…
それが私のシール恐怖症の主な症状です。


恐怖症は幼少期の体験がトラウマになっていることが主な原因なのではないかと言われていますが、私はシールを苦手になったキッカケも時期も全く覚えていません。家族に聞いても分かりませんでした。

ただ、かなり小さい頃からだということは分かっています。
通っていた小児科病院で注射を受けるとご褒美にシールをくれるのですが、「ありがとう」と受け取った後にいつもこっそり親に渡していたのをよく思い出します。



ここからは、私の場合「どんなシールが苦手なのか」と「実際にどう対処しているか」、また「どんな物は平気なのか」を具体的に、あくまで一例として挙げていきたいと思います。


日常的に目にするシールの一例

・バナナやキウイなどの果物に付いているシール

バナナはひとふさのうちの一本だけに貼られている場合が多いです。なので、シール付きのバナナは家族にあげて自分はそれ以外を食べます。
仮に他の人にシールを剥がしてもらっても、元々付いていたことを思うだけで触れなくなってしまうのです。
キウイは一つずつにしっかり貼られていることが多いので、中身をほじくってお皿に出してもらわないと食べられません…。

・パンの袋やビール缶などに付いている、キャンペーンのシール

パンは袋から出して食べます。
缶は貼られているのが飲み口の近くだったり、飲んでいる時の視界に入る場合はコップに移します。それ以外なら支障は少ないので、なんとか見なかったことにしてスルーできています。
シールが点数になっているタイプのキャンペーンは今まで応募した(できた)ことがありません。

・スーパーなどでよく見かける値引きのシール

日常生活に支障が出ているとしたら、一番がこれです。
せっかく安くなっている物をシールが嫌だからといってわざわざ定価で買うのは惜しい…。
なので、なるべくシールに触れないよう反対向きにして買い物カゴに突っ込んでいます。

・コンビニやスーパーで売られているスイーツの原材料や賞味期限が書かれているシール

スイーツ好きとしては避けて通れないシールです。カップ型のものやケーキに付いています。
だいたいの物はぐるっと蓋までシールで止められていることが多いので、直接触れないようにティッシュを一枚挟んで、なるべく跡がつかないように綺麗に剥がしています。
剥がす時は半泣きですが、おいしさには勝てません…。

・飲食店のテーブルに貼られている、シールタイプのメニュー

ファミレスなどに多く見られます。これも結構ツライです。
テーブルの一部に貼ってあるだけならそこを避ければいいのですが、全面に貼られていると逃げ場がないので、もはやどうしようもありません。

・ライブハウスの壁やロッカー

私はライブを見るのが好きで小中大さまざまな規模の所へ行くのですが、特に小さいライブハウスに行くと、壁やドア、ロッカーなど全面にびっしりと貼られていることがよくあります。
ドアに貼ってある場合は息を止めながら入って(空気を吸いたくないわけではないのですが、体に勝手に力が入るのです)、壁際を通るのは避けます。荷物はクロークや会場外のロッカーを使います。
ライブが始まってしまえば気にならないので、それまではひたすら視線をそらして過ごしています。


私が平気なものと、最も苦手なもの

私は、"何枚も付いている小さいシールを台紙から剥がして使うタイプの物"を「シール」、"台紙自体が一枚のシールとして独立している大きい物"を「ステッカー」と区別しているのですが(シールとステッカーの違いは曖昧で海外ではどちらもステッカーと呼ぶそうです)、「シール」は使用・未使用どちらも苦手なのに対して、「ステッカー」は未使用であれば大丈夫なことが多いです。

使用済み(貼られているもの)の中で、濡れたもの・剥がれかけのもの・汚れているものは特に苦手で、一度見ただけでしばらく悪寒が止まらなくなります。

シール以外の粘着物

シール恐怖症の人の中には、シール以外の粘着物も苦手だという人も多いようです。たとえばセロハンテープやガムテープ、マスキングテープ、ラベルなどのテープ類、絆創膏、カーペットクリーナーなど。

私の場合、ラベルとマスキングテープはシール同様に使用・未使用に関わらず苦手ですが、セロハンテープやガムテープは平気です。
貼られているのも基本的には大丈夫なはずです。指紋がたくさん付いていたり使いまわした物だったらちょっと気持ち悪くなるかもしれませんが。

絆創膏も、未使用か自分が貼っていたのを剥がす分には何の問題もないです。人が貼っていたものはさすがに嫌ですが、それは恐怖症とはあまり関係ない気がします。

カーペットクリーナーも全然平気なので、毎日使っています。



この記事を書くにあたって色々と検索していたら、2010年4月の『探偵!ナイトスクープ』で「シール恐怖症を克服したい」という依頼が放送されていたことを知りました。

"ほっぺにシールを貼る""シールを触らなければいけない状況を作る"などの荒療治により、依頼者の方は無事克服に成功したそうです。

もし自分だったら…と想像しただけで鳥肌不可避ですが、これが放送されたことによって、それまでシール恐怖症を知らなかった人が知るキッカケの一つになったんじゃないかなと思いました。


今回私が書こうと思ったのも、シール恐怖症の存在を一人でも多くの人に知ってほしかったからです。

症状や苦手なもの・平気なものは人それぞれ違いますが、その中の一例として「こういう人がいるんだな」と思っておいていただけたら幸いです。

もしも近くにシールが苦手な人がいたら「変なの」と思わずに理解してあげてほしいし、もしも同じ悩みを持っている人がこのnoteを読んでくれていたら「一人じゃないよ!」と言いたいです。

そしてシール以外のちょっと変わった恐怖症を持っている人、ツイッターでもブログでも、なんでもいいです。もしよかったら発信してみませんか?

きっと他にも同じ悩みを持つ人がいるはずです。
そうでない人にとっても、まずは知ることが理解を深める第一歩になります。


さまざまな"苦手"を持つ人たちが、より生きやすい世の中になりますように!



<参考>


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