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6/26〜28のお菓子「氷室」

*こちらでのご案内遅くなりました!
ご提供 6/26(火)〜28(金)
菓銘 #氷室 (ひむろ)
暑さ極まる厳しい夏を無事に越せるように。夏越しのお菓子といえばなんといっても京都の水無月ですが、あいにくわたしの中ではこれぞ水無月といえるものがまだ定まっておりません。
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代わりに水無月の由来のひとつにもなっている行事、かつて陰暦六月朔日に行われていた宮中の氷の節会、あるいは江戸時代の氷室の節句にちなんで氷を模したお菓子をおつくりしました。
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三角のかたちは和菓子においては氷を表す意匠です。氷室から切り出された氷は暑気払いとして宮中では群臣に下賜され、徳川幕府では大名から将軍に献上されたそう。冷凍庫など無い時代、庶民には到底手が届かなかった本物の氷のかわりに京都では水無月を、江戸では氷餅(凍み餅)を食べて無病息災を願ったとか。
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今回のお菓子は三層とも錦玉羹のアレンジで食感と風味を変えています。
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透明な層…吉野羹
本葛粉入り。新生姜の蜜を合わせて風味をつけています。
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白色の層…上南羹
もち米を加工した上南粉入り。火入れをしてあるのでほんのりお米の香りがします。
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薄赤紫色の層…みぞれ羹
もち米を加工した道明寺粉入り。水無月などは小豆の赤い色で邪気を払うとされますが、今回は赤紫蘇の煮汁を使って赤紫色に染めました。
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こんな淡い色では邪気が払えるか甚だ疑わしいですが、かの清少納言は「枕草子」の中で氷室から切り出した氷でつくられた当時のかき氷のことを「あてなるもの」、雅やかで上品と表したそうで、そんな大変貴重だった頃の氷をイメージしました。
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薬味になる生姜や紫蘇は漢方では生薬として使われ、おなかにきやすい夏風邪の予防にも良い食薬です。遅れに遅れた梅雨入りもそろそろ。どうぞご自愛ください。
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#氷室 #夏越 #水無月 #暑気払い #錦玉
#japaneseconfectionery #ice

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