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ポケマルの「エモさ」が食卓を変える

ドラマ「きのう何食べた?」では、西島秀俊扮する弁護士の筧史朗が、楽しそうに料理をするシーンが毎話登場する。
「厄介な案件を一つきれいに落着させたぐらいの充実感だな。こんな充実感を1日に1回必ず味わえるなんて、夕飯作りってのは偉大だ」
そんなことを思いながら、彼は食卓に色とりどりの料理を並べる。ここが、この家での幸せの舞台だ。

筧史朗はスーパーをはしごして10円でも安い食材を求める倹約家だけれど、例外がある。食パンだ。第2話では、彼の恋人がそこに言及して口を尖らせる。
「あれなんであそこの店じゃないとだめなわけ?パンなんてスーパーの特売で1斤100円かそこらで売ってるのに。あのパン、260円もするんでしょ?」
筧史朗の答えはこう。
「パンに関しては、俺はパンドラの箱を開いちゃったんだよ。パンは、特に食パンは、うまいものを一度食うと戻れなくなるんだよ。それに、あそこのパンは国産小麦にこだわってるし、260円はむしろ安いくらいなんだ」

どうしてもこの人から買いたい。そう思えるこだわりの食材が1つでもあるだけで、食卓は鮮やかさを増す。袋から出す時、調理する時、お皿に乗せる時、味わう時。一瞬一瞬の、感情の量が変わる。そして、そんなこだわりが多くなればなるほど、家での食事って楽しくなる。

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今年4月に、株式会社ポケットマルシェに転職した。全国の生産者さんから野菜、魚、肉などの生産品を直接買えるサービス「ポケットマルシェ」、通称ポケマルを運営する会社だ。

当社代表の高橋のことを知ったのはもう3年ほど前のことになる。コンサル会社で働きながらも、いつか食や一次産業に関わる仕事ができたらと思っていた私は、タイトルに「農」や「漁業」が含まれる本を片っ端から読んでいっていて、そのうちの一つが高橋の書いた『だから、ぼくは農家をスターにする  「食べる通信」の挑戦』だった。どこだったか、北の方へ向かう列車の中で読み、2度泣いたことを覚えている。

ポケマルには、生産者さんに対して消費者から「ごちそうさま」のコメントを投稿できる機能があり、誰もが読めるようになっている。入社前、何とはなしにそれらのコメントを読んでいたら、またしても泣いてしまった。高橋の本を読んで泣いた時と共通するのは、人と人とのやりとり、その生っぽくて温かい部分に心を揺さぶられたということだ。

単に私が涙もろいだけなのか。いや、きっとそういうわけではないと思う。高橋が東日本大震災の被災地で感じた強い想いから端を発したポケットマルシェ。そこに共感した人が集まり、ポケマルはプラットフォームとしての体をなした。作る側の思いと食べる側の思いがその上に乗って、混ざり合う。生産現場での苦労が、食卓での喜びが、次々に投稿される。生産者と消費者の間で血の通った言葉が交わされる。なんてエモーショナルなサービスなんだろう。日常で「エモい」を使う世代ではないので用法がぴんと来ていなかったけれど、使うならきっと今だ。ポケマルはエモい。

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思うに、ポケマルは全国の食材を買えるだけのただのECサイトではない。お客様に旬の食材を楽しんでいただきたい。安全で美味しい食材を食べていただきたい。それはもちろんその通りだ。でも、そこからさらに、ポケマルというプラットフォームは生活の中に浸透し得る。生産者さんそれぞれのストーリーを知り、何度かやり取りを重ねていくうちに、食材に対する思い入れが強くなり、日々の料理や食事の時間が鮮やかで印象的なものに変わっていくのだ。

スーパーに行けば、野菜もスナック菓子も清涼飲料水も同じように並んでいる。以前の私は、一番安い食材を選んでカゴに詰め込み、食べきれずに傷んでしまったものをどんどん捨てていた。特にそこになんの感情も持ってはいなかった。

でも、ポケマルを使っていると、食材1つ1つにどれだけ生産者さんが愛情や誇りを持っているかがわかる。そんな食材を自分だけのために丁寧に梱包して届けてくれる。忙しいはずなのに、便箋2枚分の直筆の手紙が入っていたこともある。次第に、レシピサイトを見て足りないものを買いに行くのではなく、「これを使って何か作れないか」と考えるようになる。食材を切る時や炒める時に、やり取りをした生産者さんのことを思う。美味しさを余すことなく味わおうと、ゆっくりじっくり食べる。最初は興味がなさそうだった夫も、次第に「○○さんの葉野菜、今日はどうやって食べる?」なんて言いながら冷蔵庫を覗き出す。なんだこれ。料理が変わる。食卓が変わる。

Twitterを開くのと同じように、日に何度かポケマルのアプリを開いては、次々と更新される出品の新着情報を眺める。今日も、日本のあちこちで野菜が育っている。魚がとれている。普段、自分の住むこの街では意識しないようなことが、見えるようになる。

ヘビーユーザさんの中には、仲良くなった生産者さんの元へ実際に足を運んでいる方々もいる。生活のより深い部分に、地方が根付いていく。ただ食材を買うだけではない。買ったものを楽しむだけではない。ポケマルによって暮らしが少しずつ変わっていく。

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映画「リトル・フォレスト」で流れる時間が好きだ。橋本愛ちゃん演じるいち子が、東北の小さな集落でお米を作る。あけびをとる。くるみを拾う。料理の過程で一晩寝かせたり、さらに長い期間漬け込んだり、じっくり時間をかけながら作って、食べて、おすそ分けする。ただそれだけの映画なのに、惹きつけられる。ささやかだけれど、ああ、こういう幸せの形っていいな、なんて思う。

「丁寧な暮らし」と言ったら陳腐に聞こえてしまうかもしれないけれど、日々食べるものに想いを持てたら、きっとそれだけで時間に色を塗れる。

もちろん、どうしても料理をするのが億劫な日もあるし、忙しくて時間がない時もある。だから、私は無理のない時だけ。心や時間に、少し余裕がある時だけ。花を買うみたいに。これからの時代は「持続可能」であることが大事になる。幸せだって、きっとそう。

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ポケットマルシェは、社会起業家たちのコンテスト「CHIVAS VENTURE 2019」世界大会に日本代表として出場しています。WEB投票期間は4/30(火)までで、現在20カ国中9位です。
ポケマルに興味を持ってくださった方、下記ページで、社会課題解決に向けたポケマルの取り組みを知っていただけると嬉しいです。もし共感いただけたら、ぜひ、ぜひ一票をよろしくお願いいたします!シェアもとても嬉しいです!
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https://www.chivas.com/ja-jp/the-venture/finalists/pocket-marche

ポケマルはこちらから。
https://poke-m.com

※本記事は、会社の公式な見解ではなく、あくまでも個人的な投稿です。

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