見出し画像

価値観のズレ、それは愛の余白

夫と籍を入れたのは、昨年3月末。
入籍と同時に生活を共にし始めた。

新婚生活に幻想を抱いているタイプではなかったが
思いがけないことの連続な毎日。
私はものの2ヶ月で爆発し、実家へ帰るという漫画みたいな事件を起こした。

今となっては懐かしい笑い話。
でも、あんなことをされて、夫はよく耐えてくれたと思う。

特段、大きなきっかけはない。
小さな小さな不満が積もりに積もり、突然の大噴火。
不満の内容はさまざまだったが、共通しているのは
「わたしの期待に相手が応えてくれない。応えようともしてくれない」
ということだった。

好きだからこそ、人は期待をしてしまうもの。
恋人にも、家族にも、友だちにも。
でも、期待と押しつけは違うことを忘れてはいけない。

夫と暮らして1年半程になるが、彼には押しつけというものがない。
それを最初は「期待されてない」と感じたり「愛されてない」という悲観と結びつけてしまったけれど、そうではないことがやっとわかってきた。
彼も私に対して「なんだか違うな」という小さな不満は確実にあるはず。
しかし、それを言ってきたり指摘したりしないのは、それも含めて私と考えて包容してくれているからだ。

私の両親との間でちょっとした誤解が生じたときも
彼は「(私の)ご両親とよい関係を築いていきたいと思ってる。だからきちんと話し合って、これからも仲良くしてもらいたい」と真正面から受け止めてくれた。

ああ、これが愛なのかと思った。
同時に、なんて自分は幼く身勝手な考えなのかと思った。

彼と私は家族。だけど他人。
同じ人間じゃないんだから、違いはあって当たり前。
その違いを受け入れて、愛で包んでくれる夫のような人に私はなりたいと思った。

今も不満を感じる瞬間は、正直ある。
そんなときは彼の頭の中を想像してみる。
すると「彼の価値観なら、きっとこういう風に考えているのか」などと
理解できて、自己解決することが増えた。
もちろん腑に落ちなかったり、不満が心にひっかかるようなら、そのままにせずきちんと話す。
ただ最近は、むしろ違いが面白く感じたり、愛おしくすら感じるときもある。まだまだ試行錯誤の日々は続きそうだけれど、結婚前より今の方が彼のことをとてもとても愛しているのは間違いない。

私たち夫婦の楽しみは週末に連れ立って居酒屋に出かけてお酒を飲むこと。たまにカラオケ。

先日、お酒を飲みながらふと私が
「私たち最近、前よりすごく仲良くなったよね」と言ったら、夫は
「ね、俺もそう思ってた」と答えてくれた。
目を合わせて笑う機会も増えたな、と思ったけれど、きっと彼も思っているなと感じて黙っていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?