TWDW リーダーには「編集力」が必要だ。

11/21(月)に渋谷ヒカリエで行われたTokyo Work Design Weekの公式プログラム『リーダーには「編集力」が必要だ。』にお誘い頂いて、江口晋太朗さん、モリジュンヤさん、長谷川賢人さん(モデレーター)のトークセッションを聴いてきた。 

テーマはリーダーに求められる「編集力」の話だったけど、編集者と名刺に書いている私にとっては、3人の考える「編集の在り方」が響いたのでそれを中心にまとめることにします。(いつか自分がリーダーになったときにももちろん活きると思うし。)

複雑化する仕事や社会、通り一遍でない暮らしの環境、そして人生のタイミング。これからのリーダーは、メンバーの現状を捉えながら全体を率いなければなりません。その仕事は、あらゆる要素を収集し、構築し、まとめあげていく編集者に近しいと感じます。
さらに、リーダーならずとも一人ひとりが編集的観点を持つことで、オーソドックスに物事が進められない現状を自分たちらしくも変えていける。かつて、編集者の後藤繁雄が著書『僕たちは編集しながら生きている』で示したように、物事をすべて編集的に考える「生活編集術」を用いることで、仕事や暮らしをより良い型に組み上げていくのです。
では、編集的観点とは何か?どうすれば養えるのか?どんなシーンで使えるのか?

こんなコトがテーマのプログラム。
本番前の控室にも一緒にいさせてもらったんだけど、3人ともとても和やかで自然体だったので、「打ち合わせとかリハーサルとかしないんですか??」と食い気味に聞いてしまったりした。笑
(余談だけど、今年の夏にトークセッションのモデレーターのようなことをさせてもらって、その難しさは痛感済みだったりする)

もう、3人の中には「編集」についそれぞれの芯みたいなものが固まってて、きちんと言語化できる状態みたいだった。


実際に本番では、それぞれの思う「編集とは?」がまず語られる。
(以下、3人のお話のなかで私が心に残ったフレーズです)

江口さん:編集とは、モヤのかかった場所に差す光のようなもの。社会がどんどん変わっていくなかで、人々は今後どう振る舞っていくべきかを迷ってる。光を指して、土壌をつくり、世の中の「解像度」を上げることができる力を、編集の視点は持っている。
モリさん:編集の大きな役割のひとつが「言語化」だと思う。編集者は、その場で行われていること、起きていることを交通整理して、全員が分かりやすいようにまとめていくことができる。要するに、編集者はコミュニケーター兼翻訳者でもある。
長谷川さん:編集は、子どもの頃に遊んだ「レゴブロック」のようなもの。車のドアのパーツがお城の窓になったりと、限られたパーツを組み替えたりすることで、全く別のものも作ることができる。編集者には、それを組み立てる能力が求められる。

どれも、なるほどなー。そうだなぁぁ。と納得した。
そして、3人の意見に共通しているのは、「編集」を本や雑誌、はたまたwebの媒体などだけで捉えていないところ。


今となってはもう幻のような過去にすら思うのだけども、去年まで私は紙媒体全般を扱う編集プロダクションで働かせてもらっていた。

取材に行ってインタビューをして原稿を書くだけじゃなくって、例えば雑誌の特集ページをつくるなら自分で写真の配置やキャッチコピーの位置や大きさ、全体の文字組みを考えて白紙に書き込んだページ構成のラフをつくって、まず「ゼロ」を「イチ」にする。

それをデザイナーさんにかっこよくしてもらって、同時にクライアントの要望も聞きながら、取材のアポと日程調整もして…いろんなことが同時進行していく中で、クライアント、取材対象者、編集長、デザイナー、そして読者。いろんな人の要望や潜在的なニーズを捉えながら、限られたスケジュールの中でモノを作ってかなきゃいけない。

編プロで過ごした新人時代は(今も新人ではあるけど)ライターだけやることなんてほとんどなくって、むしろ原稿書いてからが本番みたいなもので、制作スケジュール通りに進むように周りとやり取りをしてわたわたしてるうちに気がついたら校了して、近所の本屋さんに自分のクレジットが入った本が積み上がってた。笑

ずっと「編集者」に憧れて、キラキラした世界をいろんな人に発信したいと思っていたんだけど、よく考えたら「編集者」って、雑誌やwebの世界以外にも使える肩書なわけで。

広い意味での編集が、いま私たちの生活をガラリと変える力を持ってることに、少しずつ社会が注目してきているみたい。

例えば、私がいまこうやってPCをぱちぱちしてる中目黒の蔦屋書店だってそうやってできた空間なはず。

「このエリアにこんな場所があったら良いな。そこにはきっと潜在的にこんなものを求めている人達がいるから、こんなものを置いて、こんなことを提案していこう。そして、こんな空間を目指していこう。」

という議論が交わされたから、私はこうして最高のノマドスペースを確保出来ている。

話が脱線したのでTWDWの話に戻すと、江口さんがこんなことをお話しされてた。

江口さん:これまで数々の社会現象が雑誌発で起きてきた。編集者が「今後はコレが来る!」と独自の視点で見抜いたものを、ある種盲目的に追究して発信をし続けることで、逆に社会の人々がそれを後追いすることで、ムーブメントができあがっていった側面もある。これは、あくまで誌面上に限らず、リアルの場である会社組織や地域社会に対しても応用できるコトだと思う。

実際に、さまざまなプロジェクトを通して社会に新しい価値やムーブメントを提供している江口さんが言うから、とても説得力があった。

そしてもう一つ、私がなんとなく常々思ってることに近いことをモリさんがまさに「言語化」してくれていたのがビビっときた。

それが、「カウンセリング的インタビュー」。

情報を与えてくれる側の取材対象の方が、かえって何かを得られるようなインタビューができるライター/編集者でありたいと最近思っていて。

これだけだとちょっと厚かましく聞こえてしまうかもしれないけど、インタビュアーがちゃんと相手を理解した上で取材に臨んで、何を聞くべきか、「きっとこんなことも経験してるんじゃないかな」と表面化されてない部分まである程度予想してお話を伺うことで、現場でもらえる情報の質は全然違ってくる。

決め打ちで聞きすぎてしまうとこちらが設定したレールに取材対象者の方が合わせてくださるようなカタチになってしまうのでなかなかバランスが難しいとは思うけれど…

「そうそう、そんなこともあったねぇ。うーん、たしかに、こんな想いがいつも芯にはあるかもしれないな。」

なんて、取材対象者の方にとって大事なことを一緒に掘り下げて行けたら最高だと思う。読者のみなさんも、聞きたいのはそういうコアな部分なんじゃないかな。(というか、私はそういうコアを大事にしてるメディアが好きだし、そんな場所で仲間や読者の方々と一緒に育っていきたい。)

なにはともあれ、最近自分は何を生業としているのか説明しにくい働き方をしているので、「編集」という視点はいかようにも横展開できるってことを改めて実感できて、とても有意義なプログラムでした。

「編集者」としての自分の在り方が少し見えたきがする。

とても貴重な時間をありがとうございました!





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(∩´∀`)∩ワーイ
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山越栞

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