「できなくてイケてない自分」を認めてからが勝負 -新社会人時代の後悔-

リクルートスーツとそう変わらない格好で、東京の街を先輩に連れられて歩く新社会人さんたち。これから歓迎会なんだろうな。

がんばれー!と心から思うのは、きっとわたし自身の当時を振り返ってみて、辛かった思い出がたくさん蘇るからだ。

でもその辛さは、実はほとんどが必要のない感情だったんじゃないか、って今になって思う。

わたしの言葉が彼らに届くかはわからないけど、それはそれだ。

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ひとことでわたしの新社会人ライフを説明すると、「当たって砕けろ」だった。

大学時代からインターンをしていた小さな編集の会社に正社員として迎え入れてもらったはいいものの、入社式らしいものも、研修なるものも何もない。

そもそも新入社員はわたしだけだし、直属の上司兼社長は現役のプレイヤーで、国内外をしょっちゅう取材で飛び回っている人だ。

人手が足りないことと、インターン中の経験で仕事の内容がある程度わかっていたからか、すぐに現場に出て、わけもわからず取材をしていた。

デザイナーさんとの電話も、クライアントである広告主とのメールのやり取りも、なんとなく他の先輩たちの働きぶりを見よう見まねで覚えた。

そして幸か不幸か、「なんとなく」できてしまっていた。

今になって思えばそれはほんとうに「なんとなく」でしかなかったんだけど、現場で30代のベテラン編集者と勘違いされてしまうくらいには、ジャケットを羽織っていさえすればなんとかなってしまっていた。

もちろん、顔が老けてるというのも大きな一因ではある。

なにはともあれ「当たって砕けろ」方式で育ったわたしは、いつしか「砕けた(失敗した)ら終わりだ」と思うようになっていた。

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社会人5年目。
日々働いていて思うんだけど、「できる」と思っていることの危うさったらない。

「なんとなく」しかできてない新人のわたしは、完璧にはできないことから目を背けていたせいで、後になってとても苦労した。

わたしの場合は、フリーランスになってからいろんな人に迷惑をかけながら、まるで新社会人をやり直すかのように毎日毎日できないことに出会い、あぁどうして新入社員の頃に自分は仕事ができる気でいたんだろうと悔やんだ。

周りの同年代が己の未熟さを知って勉強しているときに、わたしはずっと「なんとなく」で乗り切ってきてしまったからだ。

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がんばるぞ!と思っていればいるほど、
できないことにぶち当たったときにはつらいし、

できればそんなネガティブな感情とはさよならしたいから目を背けてしまう。

そのくせ、気にしても仕方ないささやかなことに「できなかった…」と人知れず悔し涙を流したり。

はぁ
その涙の無駄さよ。

つくづく思う。
自分ができないことに直面して悲しむくらいなら、
できないことを認められた自分をまず褒めてあげる方がいい。

新社会人なんて特にそう。
可愛げのあるうちに、うわーごめんなさい!!!ってたくさん言っとけばいいよ。

できない前提で取り組むのはそもそもダメだけど、できないことを認めないと、努力もしにくくなる。

一回失敗したくらいの方ができるようになる
し、ちなみに物書きになるなら失敗はいいネタにもなる。

かつてのわたしに伝わるものなら言ってやりたい。
できないことを恐れるな。
「こんなこともできないとかマジで自分イケてないわ」と思ってからが本番だよ。

あと、こっそりおやつ食べてるの、たぶん先輩にバレてるから気をつけて。

#日記 #ライター #編集 #4月 #エッセイ

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おいしいもの食べてくださいね
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山越栞

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