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33デシリットルしかない

金曜日に子ども(7歳・女子)の参観日があった。
子ども曰く、「すめちゃ、(自分のこと)学校ではおもしろい事をしないようにしているんだよ。目立ったら恥ずかしいから。」ということで
周りにはおとなしく見せているようなのだが、
普段の言動からおそらく
「おとなしい風に装っているが少し変わった人」と思われているだろうと推測している。

なので私は参観日の日、今日発表するかな、どんな風にはりきってるかな、というような期待より、
何か起きるのではという緊張がすごい。
(子どもよごめん。)
今回、その緊張がついに現実化した。

金曜日は算数の授業で、「何リットル、何デシリットル」という内容だった。

中盤までは普通に、急に教室外に出ていく者、前後で小競り合いをしている者、何かわからない申告を先生にしに行く者など、まだまだ小学2年生といっても子どもらしく、微笑ましいなと思いながら見ている。
特にご時世もありトイレにはみんな自由に出て行く。昔は何かしら「我慢しなさい」のような風潮があった。これも無理を強いるということではなく、良くなったところだなと思う。

しかし、我が子もあと残り10分のところで席を立って先生に何やら言いだした。
どうやらトイレらしく席を外す子ども。
なんとなく不穏な気持ちになる私。
その間も授業は続いている。

先生「今日は全員で34リットルです。みんなが1デシリットルずつカップにいれたら、何デシリットルになるかな?」

みんな「34デシリットル!」

先生「そうだね!それでは一班の人から順番に、この色水を汲んで置いていってみましょう!」

子どものいた2班の水汲みがおわったところで、ちょうど子どもが戻って来た。

しかし、子どもは全くみんなの動きに気づかずボーと席についている。

先生「では、3班の人〜!4班の人〜!」

先生も気づいていない。
そして子どもは他の子どもと話しているが、全く気づいていない。


「…これは、「…なぜか一杯足りない…!!?」ってなるやつや…!」

〜〜〜

先生「…では皆さん終わりましたね!数えてみましょう!1杯、2杯…」

先生「…31、32、33… アレ!?33…?!33しかないよ!?」

ザワつく教室

みんな「アレ?全員やったよね?!!」

私《やっぱり…!!…すめちゃ!!》

隣の席の子が何か子供に話しかけてくれている!

隣の子 「×××(たぶん、やってなくない?みたいなこと)」

子ども 「(肩をすくめ、さあ?みたいなポーズ)」

《《《《 シラを切った!!! 》》》》

クラスメート1「あっ!●●さん(子どものなまえ)じゃない!?」
クラスメート2「そうだ●●さんだ!!」

またザワつく教室

注目を浴びた子どもはゆっくりとたちあがり、
ムッとしたような顔のまま無言で前に進んだ。

子ども「…」
みんな「…」 

子どもはみんなが注目する中、ゆっくりと水を汲み、カップを置いた。
(私にはその間の子供の動きが、太極拳のようにゆっくり見えた)

みんな「…ワーーー!34デシリットルだー!(拍手)」 

子ども「…」(何故かちょっとうなずいている)

子どもはその後急激に立ち去り、外の水道で長らく手を洗っていた。

他のお母さん「恥ずかしかったのかな」
他のお母さん「かわいいね」 

みんなの温かい想いがありがたかったが、
なんの意味もないところで教室中の注目を集め、
母はなんとも言いがたく恥ずかしかった…。
しかしながら、子供の方がずいぶん恥ずかしかったことだろう。かわいそうなので、責めないであげよう。。。

〜〜〜その夜〜〜〜

私「…今日、ビックリしたね!(気遣って、あえて明るく)」

子ども「ウン、すめちゃ全然気がついてなかったんだよ。」

私「…恥ずかしくて、手を洗いに行ったの?
恥ずかしがらなくて大丈夫だよ!誰でも間違いはあるから…」

子ども

「エッ?すめちゃぜんぜん、恥ずかしくはなかったよ!
(顔をしかめて)…あの水、へんな液だったらどうしようと思ったんだよ!みょうに、赤いからね!紅生姜のやつかな〜先生ったらもう〜!」

私「紅生姜じゃないと思うよ。」

心配して損した。

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