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「無期限活動休止」という言葉について

2023/12/4(定期演奏会を終えて)

ようやく活動休止のことを公式にアナウンスしました。(正確には2日前の冬の定期演奏会が初出ですが) 。タイミングとしてはまあちょうど良かったのかなと思う反面、どこか完全に納得し切っていない自分も存在してしまうことに嫌気がさしています。みんなで話し合って決めたのでもちろんここから大どんでん返しを起こす気などさらさらありませんが。

「実質解散でしょ?」という意見はごもっともです。やまうとれいちゃんが就職で東京に行ってしまうので、メンバーは散り散りではないにせよしっかりと分断されてしまいます。
でも、「解散という言葉は絶対に使いたくない」という強い気持ちがありました。理由はいくつかあります。一つは、またいつかみんなでバンドをやる日がもしかしたら来るかもしれないという希望的観測。もう一つは、解散という言葉の強さへの恐怖です。

・希望的観測
これは割と単純な話です。就職して生活がガラッと変わってしまうのはもちろん承知だし、そもそも距離が遠すぎるというのもあるので、「今まで通りやろう!」なんて口が裂けても言えないです。
でも、もしみんなの生活が落ち着いてきて、「なんかたまにはまたバンドやってもいいかもなぁ」なんて思ってくれたとしたら、その時はまたみんなでallureという場所に戻ってきたいなと思うわけです。居場所を残しておきたい。再結成とはちょっと訳が違うと思っているので、解散にはしませんでした。

解散という言葉への恐怖
こっちは、どっちかというともっとパーソナルなものです。ここからは、「こいつはこう思ってるんだな」くらいの気持ちで読んでくれると嬉しいです。

allureというバンドは、人生で初めてといっていいくらい自分が率先して作り上げてきたものです。結成するまでの自分は引っ張る役割というのがとにかく嫌いで、出来れば誰かの下についてぬくぬくとやっていたいなという気持ちが強い人間でした。

でも、このバンドをやるためにギターを必死こいて練習して、作曲をするようになって、学生が終わってもバンドを続けるために札幌での就職を決断して(ここは想定とは違っていますが)、仕事の時もバンドのことばっかり考えてるくらいにのめり込んで。ここまでどっぷり沼にハマるとは正直思っていませんでした。

少し脱線しますが、自分の作る曲は割と自分の人生を反映しているものが多いです。一番わかりやすいのでいうと、熱帯夜がそうです。暑い夜に寝れなくて夜な夜な散歩していた時期。コロナ禍で息が詰まりそうになる毎日の中で、あの時間だけは救いになっていたと思います。まあ、そんな感じで自分の中身を曝け出しているようなものです。

どう繋がるかというと、こうです。
allureというバンドは、作曲を通して自分を曝け出していくことで、もはや「もう1人の自分」になってしまっていました。とても感覚的なものではありますが、生き写しのようなものです。

僕には、解散という言葉が、もう1人の自分を殺してしまうと恐れてしまうほど強い言葉に思えて仕方がありませんでした。
これは、正直理解してもらえる感覚でないことはわかっています。でも僕にとってはとても恐ろしい力を持つ言葉になってしまいました。

まあそんな感じで、自分を殺すことはできないので、無期限活動休止という言葉に逃げました。悪あがきに見えるかもしれませんが、そうでもしないと本当に苦しくて死んでしまいそうだったので、多めにみてください。

というわけで、「無期限活動休止」という言葉を選んだ理由でした。言葉の違いの裏にはいろいろな思いがあるわけです。女々しいかもしれないですけど精一杯の自衛です。(記:2023/12/4)


2024/2/29(新千歳空港にて)

ここまでは、去年の暮れに書いていた内容です。
なんとなく自分の記事を見返していて「あ~そういえばこんなこと書いてたなぁ」と思うと同時に、今の自分の考えはここから少し変わってきているな、とも思いました。

最近は、それほど深刻に物事を考えないようになりました。
それが成長なのか、はたまた目を背けているだけなのかはわかりませんが、でも気持ち的には比較的穏やかに過ごすことができています。


話は少し変わりますが「最高の終わり方」って何だと思いますか?
なんでもそうですが、始まりがあれば終わりがあります。永遠なんてものは存在していないので、絶対に避けることはできないのです。

バンドももちろんそうです。
死ぬまでバンドを続けることができる人もいます(そういう人にとっては永遠なのかも知れないですね)が、大体の場合はどこかで一区切りをつけてそこまで、という形をとるのかなと思います。


「終わりよければすべてよし」、と必ずしもそういうわけではないと思いますが、でもまあ終わりはよい方が良いだろとはもちろん思います。
そうなると、来るべき終わりをいかに美しく迎えるか?という点について考える必要が出てきますよね。
ここまで醜く延命しておいてそれかよ、と思うかもしれませんが、情けないながらも生き延びてきたからこそ、終わりくらいは美しくありたいと思うわけです。

そういうことを考えるようになったのも、以前ほど深刻に思いつめることがなくなった原因なのかもしれないですね。
今はとにかく、残された短い時間の中で役割をしっかり果たして、できる限り爪痕を残したいな、という風に思っています。

まずは3月2日、東京は下北沢にてre:lapseのリリースパーティー。
そして3月14日、PLANTにてallureラストライブ。

どちらも気合入れて臨みますので、ぜひ皆さま足をお運びいただければと思います。

飛行機の時間が来たのでこの話はここまで。
東京は花粉がすごいらしいのでわざわざ死にに行きたくないです。(おい)
ではまた。

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