①〜はじめに〜

🌟『革命のファンファーレ』に女子訳をつけてみた。その他の記事はこちら♡→https://lineblog.me/tetegift0727/archives/990085.html

「はじめに」を読もう。

「はじめに」はこれからの時代の生き方(在り方)、働き方を模索している人を全肯定してくれています。
素敵な文章なので、ぜひそのままお読みください♡✨


では、さっそく本文に。

はじめに
(『革命のファンファーレ』より全文抜粋。)

「やりたいことが見つからない」と言う人がいる。

これを読んでいるあなたも、もしかしたら、その一人かもしれない。
そして、大人はあなたを指して「ゆとり世代」だとか、「さとり世代」だとか、「草食」だとか云々かんぬん。

自分達に比べると、まるで最近の若者は〝人としての能力が低い〟といった言い草だ。
ただ、「最近の若いヤツは……」という苦言は、それこそエジプトの古代遺跡にも象形文字で刻まれていたぐらいの手垢のついた言葉で、おそらく人類誕生時からずーっと言われ続けていることだろう。

もし、その言い分が正しければ、理論上、人類なんて、とっくに絶滅している。
スケールダウンを繰り返している生物が生き残るわけがない。

だけど、僕らは今日も生きている。
時代や環境に合わせて、アップデートを繰り返してきたからだ。
動物であろうと、植物であろうと、いつの世でも種として優秀なのは〝年下〟で、これは抗いようのない自然界のルールだ。

若者世代への批判は、そのほとんどが〝進化への乗り遅れ〟に他ならない。
だから僕は年下を肯定するところから考えはじめるようにしている。

そのことを踏まえた上で、正直に言うと、少し前まで、「やりたいことが見つからない」という言い分を僕はまるで理解できなかった。
僕は小学2年の頃に芸人に憧れて、そのまま今まで来ちゃったので、余計に。

「なんで、やりたいことがないの?」と思っていた。
でも、「やりたいことが見つからない」を肯定するところから考えてみると、なるほど、理解ができるようになった。
ようやく年下の背中が見えてきた。

こんなことを言うと先輩方から怒られるかもしれないけれど、僕より上の世代は、僕より下の世代のように「職業に寿命がある」という体験をしてこなかった。

多くの大人は「職業は永遠に続く」という前提で話を進めてくる。
だから、すぐに、「お前は何屋さんなんだ⁉︎」と肩書きを付けたがる。

上の世代の皆様には申し訳ないが、今はそんな時代ではない。

スマホの登場以降、職業がなくなる場面をたくさん見てきただろう?
アマゾンに潰された本屋さんを見てきただろう?
「ロボットタクシー」という言葉が飛び交っている今の時代に、「タクシードライバーになりたい!」という発想にはならないだろう?

15年前は「タクシードライバーという職業がなくなるかもしれない」なんて想像もしなかった。
20年前は、日本の本屋さんがここまでのハイペースで潰れていくことなんて想像もしなかった。
職業そのものがなくなっていく時代に突入し、副業、兼業、転職が常識になりつつある。

上の世代は、職業をたくさん掛け持つと「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」と咎めてくるけれど、どっこい、やりたいことを掛け持つことや、やりたいことに迷うことは、これからの時代を生き抜く術だ。

生物が生き残ろうとして何が悪い?
今の時代に「〇〇になる!」と肩書きを一つに決め込む方が、よっぽど危険だ。
やりたいことが見つからないことは、間違いでも何でもない。

肩書きが猛スピードでなくなっていく時代にキチンと対応できている証拠だ。
「アッチがダメなら、コッチだ!」と、肩書きを〝移動〟できる準備ができているわけだ。

周りはとやかく言ってくるかもしれないが、肩書きを一つに絞れずに肩身の狭い思いをしているあなたは大丈夫、何も間違っちゃいない。
いくつかの職業を掛け持つことで新しい選択肢だって生まれる。

具体例を挙げる。
僕は去年、『えんとつ町のプペル』という絵本を発表したんだけれど、この作品の制作に費やした時間は4年半だ。

(*「えんとつ町のプペル」を無料で読みたい方はこちら♫→http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909
*貴子の読み聞かせ音声はこちら→https://youtu.be/k3h5Qx2NJNw )

これは、芸人としての収入があったから可能だったわけで、絵本作家一本で活動していたら、4年半も収入が途絶えてしまうような作品の制作には手を出すことができない。
肩書きを複数掛け持ち、収入源を複数個確保できていたから、そういった作品を作る権利を手にすることができたわけだ。
「結局、何がやりたいんだ!一つに決めろ!」という常識に従っていたら、生まれてこなかった作品だ。

革命のファンファーレは鳴った。

農業革命よりも、産業革命よりも、大きな革命が、よりによって僕らの時代を直撃した。情報革命だ。
インターネットにより、距離や時間の壁がなくなった。

当然、距離や時間に結びついていたいくつかの仕事もなくなる。くわえて、ロボット技術もグイグイ伸びてきている。
ものの売り方が変わり、働き方が変わり、お金の形が変わり、常識が変わり、道徳が変わっていく。超高速回転で。

そして、残念なことに、経験したことを僕らに教えてくれる存在であったハズの親や先生は、この革命を経験していない。
たとえば、あなたの親は、あなたにこんなことを言うだろう。
「好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くない」と。
親世代の常識は「お金=ストレス」だ。

ところがどうだ?
ストレスがかかる仕事から順にロボット化されていき、ストレスがかかる仕事がみるみる世の中からなくなっていくではないか。

自動改札機が生まれ、改札口から駅員が姿を消したような変化が、今アチコチで起こっている。
「好きなことをして生きていけるほど、世の中は甘くない」と言われても、好きでもない仕事は消え、好きなことしか残らなくなってきている。
ここからは、〝好きなことを仕事化するしか道が残されていない〟時代だ。
多くの親や先生は、この変化を捉えていない。
彼らは、この大波の乗り越え方を知らないのだ。

したがって、僕らは自分自身の手や足を使い、僕らの身の回りに起こっている変化を、学び、実践し、思い知り、対応していかなければならない。
この変化から目を背けた人間から脱落していく。
既得権益を守りはじめた人間から終わりが始まる。
頑張れば報われる時代は終わり、変化しなければ生き残れない時代に、僕らは立ち会っている。
面白いじゃないか。

変化しなくても良かった世代の常識と、衝突することもあるだろう。
あなたが革新的な動きを見せれば、それが革新的であればあるほど、摩擦は大きくなる。旧態依然とした連中は、あなたの提案の本質を知ろうともせず「炎上商法」という言葉で片付けようとする。

「炎上=悪」という印象操作をし、そして、世間の批判はあなたに集中する。
単純に彼らの理解が追いついていない場合もあるが、そこに発生する批判のほとんどは「変化することに対する恐れ」だ。
ならば、そんな批判を甘んじて受けようじゃないか。
変化しなければ死んでしまう時代なのだから。

何が必要になり、何が不必要になったのか?
どの職業がなくなり、何が職業となるのか?
一つずつ整理し、対応していこう。
常識のアップデートを止めてはならない。

僕は学者じゃないので体験談を話す。
この1年間の自分の活動の成功と失敗を、数字を交えて皆様にお話しする。
1年前に出版したビジネス書『魔法のコンパス〜道なき道の歩き方〜』(主婦と生活社)の発行部数は10万5000部。
絵本『えんとつ町のプペル』の発行部数は32万部(2017年9月現在)。
オリコン2017年上半期〝本〟ランキングでは、児童書部門とタレント本部門の2冠を達成。

『えんとつ町のプペル』を作る際のクラウドファンディングは2度実施して、支援者数が9550人。支援額が5650万4552円。

これにより、これまでのクラウドファンディングの合計支援者数は、1万5000人を突破、合計支援額は1億円を突破。クラウドファンディングの国内歴代トップとなった。

個展『えんとつ町のプペル展』の動員数は60万人を突破。
これだけ見れば順風満帆だが、どっこい、可視化されていないだけで、キチンと失敗もしている。

成功や失敗には、マグレも不運も存在しない。
成功と失敗の裏にあるのは、理由と原因だけ。全て〝数字〟だ。

僕自身の体験した成功と失敗、そして理由と原因を振り返りながら、「今後僕らは、どのように身を振っていけば、この大変革の時代の動きを捉えることができるのか?」について、僕がお話しできる限りのことは全てお話ししようと思う。

しばし、お付き合いください。
(本文おわり。)

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