ダンパーの合わせ方 (Ver.SSE2.7)
1.はじめに
1.1 まえがき
今回の記事と、前回書いた「フィーリングで組むセットアップ」と合わせてセットアップ全般の解説は終わりになります
もう少し記事を改善すればよかったなと思うところは有るんですが、それは公開してから少しづつやっていこうと思います
ダンパーは車の動きに対して働くもので、とても理解しにくいものです
それを理解しやすくまとめています
本記事で理解し、自在にセットアップが組めるようになれば自分も嬉しいです
ぜひ車の動きをイメージしながら覚えてください
1.2セットアップの前にお読みください
この記事のコピー、転載、販売など購入者、著者の利益を害する行為はやめてください
ノウハウを公開すれば、僕だけではなくこの記事を購入してくれた人全てが損をします
悪質であれば法的処置を行います
本記事で書かれていることはあくまでレースシムにおけるセットアップの話であり、実車では検証を行っていないので自己責任でお願いします。
1.3 改訂
1.3 改訂の項目を追加
3.8.6 複合コーナーダンパー解説 ポールリカール T9-T10 を追加
2.ダンパーの合わせ方
レースシムのGT3では4Wayのダンパー(4項目)であることが多いため
ダンパーのセットアップが複雑で分かりにくくになりがちです
今回はそのダンパーをシンプルに考えられるようにしていきます
ダンパーを理解する上で必要なことは
・前後重量バランス
・硬いダンパーと柔らかいダンパー
・スローダンパーとファストダンパー
・リバウンドとバンプ
・コーナーの進入と旋回と脱出
です
走行中車は常にサスペンションが伸び縮みして車を安定させています
そのスピードをコントロールし、車の姿勢を変えたりタイヤを路面に押し付けたり、時には浮き気味にしていらないグリップは削りコントロールします
2.1前後重量バランス
車によって前後重量バランス、ジオメトリ、タイヤの使い方、スプリングの硬さそれぞれ違います
そのため4輪の荷重の掛かり方が違うため荷重移動を考慮しながら調整していきます
他のセットアップの解説では
「曲がりにくい車はフロントを柔らかく、リアを硬く」
と書いてあると思います
確かに前後ロール剛性配分をリア寄りにすれば車は曲がるようになると思います
でもそれだとピッチング方向(前後)のバランスが取れなくなってしまうのです
例えば
フロントが重たい車にリア寄りのセッティングを施したとしましょう
コーナーリング中はリアが踏ん張るため車が曲がるようにセット出来ます
ですがブレーキング、アクセル時はどうでしょう
ブレーキング時は重たいフロントに対して柔らかいフロントのため急激にフロントが沈みフロントが縮みきってしまいます
この時にステアリングを切ったらどうなるでしょうか
ただでさえ重たいフロントを柔らかいスプリングで支えているためハンドルを切ってもロールする余裕が無くフロントが容易に底づきを起こします
バンプストップを使っても良くはならないです 空力マシンでは無いGT3車両ではバンプストップに当たってる時にまともなメカニカルグリップは出ません
バンプストップに当てて走れるのはダウンフォースで車高が下がりすぎるような空力マシンだけで
GT3規格の車ではあくまでバンプストップはオーバーステアになる直前の予防策としてそれ以上沈まないよう当てるだけで
硬いバンプストップに当たった状態では更なるフロントグリップは得られないのです
リアもそうです
ただでさえ軽いリアを硬いスプリングで支えているためハンドルを切ってもまともにサスペンションが伸びず ブレーキングでリアタイヤが浮きます
加速時もリアが硬く軽いため荷重が乗らずトラクションがかかりません
結果 加減速時に不安定でタイヤに負荷のかかる車が出来上がるのです
根本的にセットアップを変えていく必要があります
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