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研究者日記 Day19

さて、4月2日。 3~4月は出張が少ない。

大学の授業も、まだこれから始まるので落ち着いた時期。とはいえ、準備の期間である。やり残した仕事もあるので、がんばっていたら、静岡方面からいや~なニュースが…

川勝知事、差別発言。 

「県庁職員は知性の高い方たち。野菜売ったり牛の世話したりモノを作ったりとかと違う」とのこと。まあ、どのような脈略で言ったのか、詳しくは分かりませんが…。残念な発言、ここまで軽率な方だったのかと。

最近は、リニアの問題などもあったり、どうしちゃったのかと。

午後遅くには、6月に知事をやめると公表したようです。川勝知事は、私の大切な知人の知人である。なので、複雑な心境です。ただ、それだけではない。

ただ単にツイッターなどで騒いでいる人の多くは知らないのかもしれないが、川勝さんは結構著名な学者さんでした。実は、私も影響を受けたそのひとり。川勝さんの著書に初めて出会ったのは、20年ほど前。面白くって、彼の本は何冊か買って読んだ。

最初に読んだ、『文明の海洋史観』

これは、なかなか衝撃的だった。いや、ごくごく当たり前、というか、私が考えていた、こうあるはずだよね、ということをズバズバと書いてあった、海からの視点。水中考古学、海外の大学で「海からの視点」で歴史を学んだ私にとっては、普通の視点なんだか、どうも、それまでの日本の本にはあまりなかった。

水中考古学と『文明の海洋史観』。愛称はばっちり。本に書かれていたことを証明・またはサポートするには、水中遺跡からの成果がよく使えそうだった。網野先生ほどのぐいぐいと引き込まれるほどではないが、それに近かったほどの読み応え。

網野先生や川勝先生の書かれていることを実証できるのが、水中考古学の向かうべき道なのかもしれない…と当時は思った。

そんな川勝氏が静岡県知事になった。個人的にはうれしいというか、なんでだろうと…。最初は同姓同名かと疑った。最初は良かったと思ったけど、なんだか、どんどんと場違いな発言とおかしな行動が目立つようになっていった。

彼の本は、もう10年以上も読んでいないが、今、読み直してみると新たな発見があるかもしれない―――良い意味だけではなく、あら捜しというか。しかしながら、日本人として読んでおくべき本だと思う。海からの視点で日本の歴史を見直す。


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