見出し画像

絵本を出版します! たくさんのふしぎ

去年に引き続き、今年も本を出版します。

今回は、絵本。

小学生の絵本、人気月刊シリーズ福音館書店の『たくさんのふしぎ』7月号。沈没船はタイムカプセル。

絵は矢野恵司氏に書いていただきました!


おそらく、日本で初の子供向けの水中考古学の絵本。少なくとも、この分野で博士号を取得した人が書いた本は、日本にはありませんでした。それは、確実かと。


筆者がバハレーン国で発見した沈船

私も、20年ほど水中遺跡の調査に関わっています。実際に水中遺跡を発見しています。

そもそも月刊誌ですので、書店ではあまり並びません。大きな書店ではおいてあることもあるそうです。年間購読者(学校や図書館など)が多いです。もちろん、書店で注文は可能。そのため、購入はオンラインが基本。アマゾンなどですね。ただし、ネットでは在庫がなくなるとすぐに中古などがでまわるそうで、新品よりも高い!

定価は770円と安い!


制作には、結構時間と手間がかかっています。出版社の担当者、矢野さんと鷹島など現地を視察。また、書いていただくモノに関しては、すべてきちっと資料をお渡しして書いていただいてます。(そろそろ貸した本を返してもらわないと…20冊ほどだったかな)

つまり、適当に書かれた絵ではないということ。よくある、「イメージ図」ではなく、学術根拠によって描いています。数回の打ち合わせ、何度もの修整…。

文章を書いていた時に考えていたことは、いかに面白いことを、短く、丁寧に、伝えるか。また、沈没船を学ぶことが重要であり楽しいことを知ってもらいたい…それをどう伝えるかを一番としました。

子供向けの本なので、文章は長くありません。そのため、「水中考古学とはどんな学問か」、「探査方法や発掘手法」、「なぜ遺跡を守ることが大事なのか」、「日本政府(内閣府)の対応は世界最低である事実」などは割愛しています。

まあ、いつも長くなりがちな私の文章に比べると、かなりカットしています。それは、子供に伝えたいから。これまで、「水中考古学、もっと若いころに知りたかった…」という言葉をよく聞きます。そう、大学院などに進んでから水中考古学の魅力に気が付く人がいかに多いことか…キャリアが固まった後に、やりたいことを発見しても、なかなか一歩を踏み出すことができない人が多いようです。子供たちに水中遺跡・沈没船の魅力を知ってもらうこと、それが水中遺跡を守るためにできる最善のことだと信じて、この本を書きました。

あ、大学生や大人にもおススメです!水中考古学、なんとなく興味のある方もどうぞ。10分で読めますし、値段も安い。それでいて、数百ページの本を作るのに費やした努力とさほど変わらない…。

購入は、アマゾンからどうぞ。


以下は、出版社からのコメント

「元寇で本当に神風が吹いたのか?」
「海賊たちは船のなかでどんな生活をしていたのか?」
「古代の船はどうやって作られていたのか?」
これらの答えは沈没船の調査から明らかにされています。沈没船といえば「金銀財宝」がまず思い浮かぶかもしれませんが、海底に残された船体や遺物を調査することで、金銀よりも価値のある歴史的発見がなされてきました。著者の佐々木ランディさんは日本では数少ない水中考古学の研究者です。本作では、日本と世界の沈没船のなかから、専門家の視点で特におもしろい水中遺跡を選りすぐり紹介します。まさに沈没船のベスト版とも言えるような登場ラインナップはこちらです。
(1)神風で沈んだ元寇の船/日本
(2)古代の宝船ウルブルン沈没船/トルコ
(3)古代の廃品回収船ケーブゲラドニア沈没船/トルコ
(4)鎌倉時代の高級品を運んだ新安船(韓国)
(5)海底から船ごと引きあげて調査が行われた南海1号/中国
(6)進水後すぐに沈没してしまった豪華軍艦ヴァーサ号/スウェーデン
(7)荒くれのもののイメージを覆す海賊船アン女王の復讐号/アメリカ
(8)津波で海底に沈んだ海賊の街ポートロイヤル/ジャマイカ
(9)復元船が日本にも来た古代の船キレニア号/キプロス
(10)特攻で沈んだアメリカ軍の駆逐艦エモンズ/日本
(11)世界ではじめて実戦投入された潜水艦ハンリー号
それぞれを佐々木さんが研究者ならではの視点でシンプルに楽しく解説してくださっています。そして、沈没船の調査からわかったことやそのエピソードに驚きながら読み進めるうち、水中考古学の奥深さにふれる・・・・・・そんな作品になっています。
 本作の絵を担当したのは、イラストレーターの矢野恵司さんです。児童書の仕事ははじめてです。元寇の遺跡の眠る長崎県鷹島で取材をしたり、膨大な量の写真や資料を元にしたりしながら、水中考古学的発見のエッセンスを色彩豊かに美しく表現した絵は、本作の見所のひとつです。

著者について

佐々木 ランディ(ささきらんでぃ) ’私のことです…
1976年生まれ、神奈川県出身。高校卒業後、渡米し考古学を学ぶ。テキサスA&M大学大学院にて博士号(人類学部海事考古学)取得。帝京大学文化財研究所准教授、一般社団法人うみの考古学ラボ代表理事。主な著書に、『水中考古学:地球最後のフロンティア』(エクスナレッジ)、『沈没船が教える世界史』(メディアファクトリー新書)など。

矢野 恵司(やのけいじ)
1988年生まれ、高知県出身。イラストレーター。東京藝術大学彫刻科卒業、同大学院美術解剖学研究室修了。株式会社任天堂でデザイナーとして勤務後、2017年よりイラストレーターに。主な仕事に、資生堂プロモーションDM、中村佳穂シングルジャケット、劇団ロロのチラシビジュアルなど。横浜美術大学非常勤講師。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?