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秋の野草と急須の選び方

こんにち。白井製茶園です。

先日の台風19号で被災された方々に
心よりお見舞い申し上げます。

当店に被害は奇跡的にありませんでした。
多くの方々にご心配いただき、感謝しております。
本当にありがとうございました。

まず最初に妻作、茶畑周辺野草シリーズ。
ホトトギスという野草だそうです。
こうなるとウザ消ですね。


ホトトギス

ホトトギスF


天気が悪い日が多すぎて、茶畑に全然行けません…
同業者の方もお困りかと思います。


さて、今回はお茶屋の必須アイテム
急須について
私の主観で書いていきたいと思います。

まず当店でも絶賛使用中のタイプを2点紹介します。

おすすめの急須を教えてほしいと言われたら
私は迷わず、濾しあみ取り外し可能タイプを推します。

濾しあみが耐熱性のポリエチレン製で
後で紹介する他のどの素材よりもメッシュが細かい。
※自分調べです!

メッシュが細かいからといって
注ぐときにお茶が出にくいとか
そういうストレスも感じたことがない。

しかも取り外しが可能で
掃除のしやすい事この上なし。

急須は基本的に水洗いのみでOKとされ
長い月日をかけて茶渋をつけ、いわゆる「味」にしていく
なんて考え方もあるのですが、内側は時々は洗いたいですね。

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このバージョンも。
こっちは注ぎ口が筒状ではないため洗いやすさは最高レベル。
自宅で絶賛使用中。

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このタイプを推す理由を詳しく述べていきましょう。

あみ目が細かいので
ほうじ茶、番茶といった大きめの茶葉から
深蒸し茶、粉茶といった細かい茶葉まで
どんな種類の茶葉にも対応できます。

あみ目が粗いと、深蒸し茶や粉茶など
細かい茶葉を入れたときに、茶葉や粉が湯呑に入ってきます。

まあ、お茶なので
多少は入ってきてもいいのですが
淹れた茶の色を確認したい場合、あまり多いと邪魔になります。
口当りにも邪魔になります。

それに加えて、濾しあみを取り外し可能という洗いやすさ。
本体に固定されていたり取り外しがしにくい製品だと
注ぎ口の中を洗うのに細いブラシが必要になったり
外し方を検索して外してみるのですが
割りばしで押しながらとか先のとがった金属で
とかいろいろ面倒くさい。

本来、茶葉の種類によって急須も使い分けるのですが
ご家庭に何種類も急須要りますか?
一般的にはこのタイプが一つあれば大丈夫でしょう。
紅茶、中国茶も当然対応可能です。

あ、ここではデザイン性やTPOを全く考慮せずに薦めています。
紅茶や中国茶を飲む場合
それに合ったの茶器やデザインを使わないと
なんだかチグハグになるのは承知しております。
普段使いにとか実用性に限った観点から述べています。

さて、独断と偏見による以上の理由から私は

濾しあみ取外し可能タイプ

を推しますが
このタイプには弱点もあります。

それは



売ってねぇ!


そして


デザインが少ねぇ!

この2点です。

まず、売ってない事について。
これは街の販売店だけではありません。
ネットでもです。

自分の検索力の無さが問題なのかもしれませんが
ネットで何十分も探してやっと見つけても売ってなかったり
陶器屋のサイトで要ASKになっていて
有るのか無いのか判らなかったり。
まあASKすれば良いのだけど。

それとデザインの少なさですが、ネットで探し出したのが
現在店や自宅で使っているのと同じものばかりで
特に朱泥の渋すぎなものばかり見つかって
何かもっといろんなデザインから選びたいんだけど、と思ったり
そもそも数年前に急須を仕入れていた業者から

※現在、当店で急須の取扱はありません

濾しあみ取り外し可能タイプの急須の終売が伝えられ
当店はこのタイプの急須のヘビーユーザーだからなくなると困るので、
デザインは考慮しないまま、販売中のモデルの中から
当店で使用するためのストックとして在庫を持ち、
現在に至っており、残りは使用中を含めて灰色4、朱泥2
といった感じです。

まだ有るので手に入れるのにそこまで本気になっていないのですが
商売で使っていると結構壊してしまうこともあって
この間も、じいさんが割ってテヘペロ、なんて事もあり
そろそろ入手ルートを探さなければ、と思っていたところでした。
句点の少ないロングブレスセンテンス。
おつかれ俺。
何カロリー消費?
美木良介かよ!

じいさんの話が出たので、一つお詫びし申し上げます。
彼の年齢について
当ブログでは95才と明記してきたのですが
正しくは94才でしたw
謹んで深謝し、深くお詫び申し上げますw
再発防止に努めますw

会話してると禅問答的で楽しいです。
この件でも、何気なく見たじいさんの保険証の生年月日が
大正14年、1925年生まれになっていたから
計算してみたら94才だったので
常日頃から95才と吹聴していた本人に指摘すると
自分は95才という主張を下げず
観ているような観ていないような、達観した顔をこっちに向け

「保険証は去年発行されたやつだから合わなくなるズラ。」

とレベルが高すぎる返しをされ
説破されかけましたが、踏みとどまって無視できました。
よく見ると顔のホクロから毛が生えていました。

思い返せば数年前から95才って言っていた気が…
家族誰も気にしてない(笑)
来年9月でほんとに95才なので
ついに現実とリンクできます。
.
.
.
...... 急須でした。

しかしこの取り外し可能タイプが
急須の主流として定着しない理由がわからない。

万能型で、洗いやすくて
本当に良いと思うんですが。

何か技術的か、コスト的か、利権的とか
難しい事があるのかな?

偶然これを見たどこかのメーカーとか
どこかの窯元の人とか陶芸作家の方が
作ってくれる事を、本気で願っています。
このタイプのいろんなデザイン、サイズが欲しいです。
ガラスメーカーにガラス製の物も作って欲しいです。

他のタイプも紹介していきしましょう。

まず漉しあみがステンレスで取り外しが難しいタイプ。
茶葉はしっかり開き最後の一滴まで注ぎやすいが
取り外しと再取り付けがしにくい。
あとメッシュが取り外し可能タイプより粗い気がする。

ステンレス網

↓これも上と同じ。現在の主流っぽい。
日本茶インストラクター協会でも使っているらしい。
急須の中が広いので、茶はよく開くし
湯切れも良く最後まで出しやすいが
あみを取外しにくいし再取付しにくすぎる。
上もそうだが、基本は浸け置き洗い推奨・・・

※取外し方、取り付け方はググればすぐに見つかります。

帯あみ

淹れるとこんな感じ。
ぐるり帯あみなので最後の一滴まで出しやすいし
湯切れも良いですよ。

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次は陶製のあみが本体と一体化されているこのタイプ↓。
穴がいくら小さくても陶器に開けた穴なので
細かい茶葉はスルーします。
粉茶や深蒸し茶には不向きです。
ほうじ茶や番茶、茎茶など大きい茶葉なら大丈夫です。
作家物とか、ステキなデザインの物が多い気がするので
形状のしっかりした高級煎茶をゆっくり淹れるのに良いと思う。
何も取り外せないので洗浄は難易度高いです。

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最後はこれ。籠あみタイプです。
実はこのタイプの最新バージョンは使ったことがなくて
レビューがしにくいのですが、古いタイプを使った時の感想は
あみ一体型よりも茶葉が開きにくくて
注ぐときに上から浮いた茶葉がこぼれてくる印象があります。
もしそれが改善されているなら、当店ではこのタイプを
選択肢に入れるかもしれません。
ただし、籠あみを入れ子的に急須に入れるので
急須内スペースが限られる関係上
小ぶりな急須は少ないかも。

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古いタイプの籠あみタイプ。洗いやすさは〇。

籠茶こし

以上、独断主観偏見込で述べてきましたが
私の意見が皆様の急須選びの際の参考になれば幸いに思います。

最後にお手持ちの急須のメッシュが粗すぎてお困りの方
お茶は飲みたいけど茶葉の後始末を面倒に思う方に
奥義を授けましょう。

それは『茶葉をパックに入れる』です。
出汁用のパックでも可能だと思います。
細かい茶葉も流出しません。

こういうの画像11

茶葉が開きにくいので抽出に若干時間がかかりますし
味にも少し変化がある気がしますが、後始末は楽です。
普段使うなら便利でいいのではないでしょうか。

ちなみに濾しあみ取外し可能タイプを作っていたのは
常滑のメーカーが多かったと思うので
このタイプが欲しくて、常滑が近い方、常滑に行く機会がある方は
常滑の陶器屋に直接行って探してみてはいかがでしょうか?
街に大きい陶器屋がたくさんあるそうですよ。

それではまた!











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