店でバインミーを買うと紙で巻いて輪ゴムで止めてビニール袋に入れてくれるか、細長い紙袋に入れてそのままか、のどちらかで渡してくれます。
後者は歩きながら食べるのに適しています。ワタシの場合、以前歩きながら食べて大事な具を落としてしまうという失態を演じたことがトラウマとなり前者のほうが有難いワケですが、ここではビニール削減という大義の前に文句は言えず、延々と家まで手持ちすることと相成りました。
 

この店のある旧市街の南東端から家まで20分。紙袋を立て、変形を避けるためパンに圧をかけないよう指で挟み、重力と指先の摩擦力の均衡を保ちながら歩きましたが、家に着くと中に塗ったバターが溶けて下に流れ落ちパンの半分がぶよぶよ状態になっていました。
 

注文したのはメニュー右上の鶏肉バインミーです。カレーの臭いがそこはかとなく漂ってきます。パテは塗ってあると思いますが見えません。キャベツと人参の紅白なますが全体を埋め尽くしています。若干酸味があります。
そこにバター。ぶよぶよのパンはいつものフランスパンの硬さがまったくありません。むしろコッペパン。バターと紅白なますって意外と合ったりして。見た目はイマイチだけど悪くないじゃありませんかあ。
 
ワタシは外皮の硬いフランスパンはあまり好きではありません。口の中がパンの皮の角で擦れて痛くなる。
アンパンとかクロアッサンのほうが好きです。なのでこのぶよぶよバインミーは大いに気に入りました。
 

ところでここはTake awayだけの小さな店ながらバインミーは8種類、内2種類はベジタリアン向けでした。写真を見る限りバターは使っているのでただ単に肉を使っていないという意味でしょう。
ベトナム人には敬虔な仏教徒が多いので最近はハノイでもそういう趣味的ベジタリアンの店が増えています。
殺生は良くないという思想です。当店のオフィスにゴ●ブリが出現してもコロさず外に逃がせと言うスタッフがいるほど。
 
ワタシは常日頃それほどたくさん肉を食べませんが、出されりゃイタチでもハリネズミでもなんでも食べるので、残りの人生も特にそういう方向に走ることはないと思っています。
馬と昆虫は諸般の事情で遠慮させてもらっています。