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頼りない最新ベトナム映画紹介/『Kẻ Ẩn Danh』


3週連続の週末映画です。映画館は空いてて静かで涼しいので暇なときは映画館に行くしかありません。
ロビーでは図書館の自習室みたいに高校生くらいの子どもたちが勉強しています。長閑な光景です。ダンスの練習をするグループも。
 
これはポスターを見る限りワタシが好まない暴力系ですが、ホラー系以外なら観ることにしているので行ってきました。
タイトルをGoogle翻訳するとAnonymous/名も無き、みたいな意味です。普通の人々の日々の生活に忍び寄る暴力を描いているのか。今日的なテーマです。こっちにも一見普通に見えるウラ社会は確実に存在するので。
 
映画はいきなりの暴力で始まります。10年前の回想シーン。
男が暴力集団に追われて闘っている間に、妻と母親が捕まって理不尽にもコロされます。その怒りを胸に秘めつつ男はココロ静かに生きようとしています。
今はサイゴン川の畔のバラックで一人の女とその娘の3人で住んでいます。そこに至った経緯は不明です。
ある日娘が母親と喧嘩してこんな生活から抜け出したいと言い何かのオーディションを受けに行きます。それを男は自由にさせてやれと言って許しますが女は心配でいたたまれません。
 
それで案の定 娘は悪い奴らに捕まってどこかに売られそうになるのを、一度逃げ出したかと思ったらまた捕まって、、
男は娘を連れ去った若いオトコを見つけ出しますが後をつけて行くと集団で襲われます。
悪い奴らは男の家にも行き娘を返せと叫ぶ女を襲います。
血シブキがこっちにも飛んできそうなリアルな暴力シーンです。ベトナムでは性的表現は一切不可でも暴力はいくらでもオッケー。この感覚は理解できません。
 
男は遂に悪い奴らの居場所を見つけ川をボートで走りアジトの船に乗り込みます。で 出演者一同見せ場の大暴力大会。男は悪い奴らを次々に投げ飛ばし閉じ込められていた娘を見つけ出します。
そこに敵の親分が現われて女のネックレスを男に見せてこれ見ろや、みたいに言います。それで男はすべてを察し狂ったように親分に立ち向かいますが哀れにも後ろから刺されて、、
親分が男にとどめを刺そうというときに例によってコーアンの皆さんが特別出演して1発ぶっ放して一件落着‼
 
数日後 男は回復して家に戻っていますが娘と一緒に女の写真に話しかけた後、コーアンに出頭するために去っていきます。それを隣近所の人たちが見送ってほんわかムードでオシマイオシマイ。
観終わって疲れ果てる、それだけの映画です。ただ川べりのバラックと試運転中のメトロと、遠くに見える高級コンドミニアムを映したドローンの絵が美しい。
 
こういう映画が世の中に必要なのか一度聞いてみたい監督はTrần Trọng Dần/チャンチョンダン。
主演のKiều Minh Tuấn/キエウミントゥアンはサッカーのナカザワさん似の渋いニーさん、可哀そうな女役はVân Trang/ヴァンちゃん。
ワタシの隣に若いニーサン2人が座り決闘の場面では身を乗り出してヨッシャーって声を出して観ていました。そういう楽しみ方?

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