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ホテル絵日記/Humble House Taipei

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台湾は地理的にも個人的にも身近な国(国と呼んではいけないってことになってるけど敢て)ですが、まだ一度しか行ったことがありません。ワタシのルーツ、って言い方もナンですけど、1930年代中頃から1945年の終戦まで先祖が住んでいました。
フランス人のマダガスカル、イギリス人のスリランカ、みたいなもんでしょうか。先史時代に大陸から地殻変動で分離した感じとかも。
2016年の年末に、そろそろジブンのやりたいことをやるべか、と思っていた頃に行きました。先祖の霊魂に呼び寄せられて。

植民地で搾取されてたワリに台湾のヒト達はかなり親日的です。押し付けられたニッポン語を今でもしゃべる人がいます。
もちろん個人的な恨みを持ち続けている人はたくさんいるでしょう。
そういう恨みを押しコロさなきゃいけないくらい大陸の巨大な圧力を感じていて、ニッポンとはとりあえず仲良くしておこうってことでしょうか。
先日もソロモン諸島とキリバスがC国と国交を結び、それは同時に台湾と断交するということで、そうやって黒白ゲームみたいに世界中がアッチの色に染まっていきます。カネに釣られて。あるいはまともな客観的判断として。
以前、同じ南太平洋のトンガに行った時、ニッポンがチマチマした草の根支援みたいなのをやってる横で、C国が経済的な部分はほぼ全部抑えていたのを見て、あーあと思いました。何やってんだか。

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それはそれとして台湾は旅行するにはいいところです。気候もいいし、ベトナムにはない秩序もあるし。何度でも行きたくなる。
このホテルは雑誌の台湾特集を見て選びました。アートに浸るホテル、ってこっ恥ずかしい紹介。現代アートが廊下の突き当りとか、レストランのトイレの中とかに飾られています。
ビルの下の方は商業施設で、途中の階にレセプションがあり、上がホテルという構成。
外観からしてキレがあってコクが深いみたいな感じですが、室内も当然それに合わせて窓が少し斜めだったり、壁の切れ目に襞があって照明がボワッと光っていたり。
ムダっちゃあムダですけど、機能を超越した純粋デザイン空間になっています。
因みに設計はロンドンのHirsch Bedner Associates。

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ニッポンじゃホテルの設計は建物はゼネコンとか大手が設計して、インテリアを別のデザイン会社が設計することが多いと思います。無個性な箱の中に自己満足のセカイが広がる、みたいな。
だからここまで外観がインテリアまでキメてるのは珍しくさえ思えますが、考えてみれば当然こうじゃなきゃいけない。両方できる人はそんなにいないけど。
この部屋は隅のやや広い部屋で、ワードローブの部分がちょっと持て余した感じですが、バスタブの脇にも窓があって、便器は離れていて、ニッポン人だとこれだけ広ければトイレは分けてほしい気がしないでもないけど、欧米的なトイレ感で作られたんでしょう。
ただ真っ赤っかなソファの位置が、どういう状況を想定したのかよくわからない。まさかトイレの順番待ち?

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