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ホテル絵日記/庭のホテル/Hotel Niwa Tokyo


今回のニッポン滞在では6年振りに東京に行く用事があり、若干高かったものの安くてつまらない所よりはいいだろうと思ってここに泊まりました。
東京のホテルは狭くて高い。インターナショナル系5スターは値段相応の広さなんだろうけど。
ここは20m2ちょいで200ドルちょい。狭い中でいろいろ工夫はされています。

水道橋の駅から歩いて5分。近付くと敷地からはみ出す緑が見えて、ああアレが噂の庭のホテルかと。ロビー周りと2つのレストランが囲む中庭に滝や水が流れ、樹木が半端なく生い茂っています。
もともとは旧神田区三崎町に1935年に創業した日本旅館で、時代の流れとともにビジネスホテルに建て替えられ、最近になってこのホテルになりました。
すれ違った宿泊客の9割がガイジン。カレ等カノジョ等が喜びそうなニッポン的雰囲気がそこかしこに漂っています。
 

使用前のベッド周辺

部屋は狭くてベッドの片側が壁か窓。ベッドサイドのランプが置かれるべき小さなテーブルはありません。その代わりアタマの部分に柱隠しの飾り壁があって和紙風のアクリルの裏から照明が点く仕組み。
ミニバーが凝っていて冷蔵庫やコーヒーメーカーやワイングラスのハンガーがコンパクトに納まっています。
その隣のテレビスタンドも地震で倒れないようにとかいろいろ考えてのことでしょう、床から梁下までツッパリ棒風に立っています。でもたかがテレビを取り付けるのにこんな大袈裟ことしなくてもいいような。物珍しくてスケッチしました。
 
浴室は手摺がいろんなところにあって親切な作りです。もしかしたら高齢化ニッポンの標準かも。
トイレ脇の小壁の先端30cmくらいがステンレス枠のガラスで、立ち上がって洗面に行くときに肩をぶつけちゃいました。いててっ
同じようにベッドの足元と浴室の壁の隅に10cm角の木の飾り柱が立っていて、見方によっては邪魔で無駄なだけなのにそれだけで部屋を和風に仕立てています。普通 ここに柱一本打つか、みたいな発想はなかなか出ません。
 

謎の木の柱(写真やや右側)


仕上げは全体にベージュ~茶色系。無難と言えば無難。椅子だけが赤系で牛丼弁当の中の紅生姜のような。
窓は大きなFixガラスで端っこがパネルで10cmくらい開くようになっていますが鍵がかかっていました。その内側に枠付きのロールスクリーンがあって、更に内側に障子。カンペキ
 
部屋の間口(幅)が4.3mとベトナムの5スター並みです。普通のニッポンのホテルは3mくらいなので。
トイレを風呂、洗面とはっきり分けたり、ベッドの足側に机やらミニバーやらをそこそこゆったり並べたりするにはこれくらいの幅が必要だということがわかります。
それで面積を絞るために奥行きは小さくして5m弱。普通は7mくらい必要なところ。その結果ベッドのサイドテーブルなんかなくていいんじゃないか、と。
 
先月のNinh Binhのホテルがノートのギリギリ1ページだったのに対し、ここは半分に収まりました。
よく言えば箱庭幕の内弁当的狭いながらも楽しいホテル。見事なガラパゴス的進化。

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