見出し画像

旧市街のソバ屋とオンナ/『週末のBún Thang屋は千客万来』


久々の絵です。暑くて外に出ないもんだからネタ切れで。
写真を載せればそれで済むものを、なんで超アナログに絵の具と絵筆を使って描いているかと言えば偏(ひとえ)にそれはワタシの脳、眼、手の劣化防止と精神の安定のためです。
ソバを食べたついでに写真を撮って家でそれを見ながら描きます。でも実際の風景をそのまま描いているワケではありません。ココロの中の風景。絵ってだいたいそういうもんだと思うけど。
 
水彩画は子どもの頃から日常的に描いています。道具一式をいつもソバに置いて早や半世紀。
中学か高校の頃にアンドリューワイエスの大規模な展覧会が竹橋であり、それを見た時の衝撃がきっかけと言えばきっかけでした。
ワイエスの絵はテンペラで超細密に書き込んだものが多く、ヌードなんかは公衆の面前に晒していいものかどうか問題になったほどでとてもマネできません。オケ●の一本一本まで、、
 
その時は水彩画に強く惹かれました。軽いタッチでモノの表面を跳ねる光を描いているような絵。
それは80%くらいは技術の問題で、ある程度の時間をかければ誰でもそこそこの絵は描けるようになります。所謂ボタニカルアートなんか老後の暇つぶしにピッタリ。写経みたいな。
あとの20%はココロの中がどう現れ出るかで、カイシャ経営の苦しさとかアイ人問題のもつれとか、すべてを捨て去った悟りの境地みたいなのが画面に滲み出てその人だけの絵になるワケです。
よくsnsで早回しで見せてるようなのは技術100%の絵で、どちらかというと曲芸に近いものがある。
 
ワタシの場合細かな描写に難があって、要は隅々まで丁寧に描き込むのが面倒で下書きも適当で色塗りに至ってははみ出しまくりで集中力が続くのは2時間が限度という状態。
カネを払わないブラックな客のこととかを一時的に忘れるためにひたすら描き続けます。
でもって描きあがったものはワタシのココロの中を表わしていると。それが何なのかはジブンでもわかりません。ましてや人さまにどう見えているかなんて
 
長々と書きましたが今どき絵って何だろうと疑問に思うことがないワケではないのです。
no art, no life ?
何がゲイジュツかというのはちょっと置いといて、ゲイジュツがなければ人間は人間たり得ないというのはアキラカな事実です。
 
 
話が逸れました。
これは細切りの鶏肉、卵焼き、椎茸その他諸々が丼を覆うBún Thang/ブンタンのウマい店です。
日曜の朝の店の前の人だかりを描きました。
バイクで来たカップルや、観光客と思しき真っ赤なダラッと服を着た若いオジョーや、家で子づくりに励みたい、励ませたいであろうムスコ夫婦に気を使って外に出てきたワタシと同年代の初老夫婦とか、、それぞれのジンセイ
 
この店のもう一つのウリはXôi Gà/ソイガー/鶏おこわです。
ブンタンソイガーセットがこの店の最強メニューで、以前食べた時の写真を見たら去年7月のロックダウン直前でした。束の間の自由な日々を、我ながら貪欲に楽しんでいました。

左がブンタン、右がソイガーのハーフ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?