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バインミー百科事典/その5 ハム3種+パテ+パクチー+人参+玉葱+肉田麩のサイゴン風バインミー


バインミーはサイゴン、いまのホーチミン発祥という説もあり、北の住人としては一つくらい南発祥の食べ物があってもいいんじゃね、という寛大なキモチで異を唱えるつもりはありませんが、北と南でどこが違うんだろと思い、サイゴンの名前を掲げるこの店で一つ買ってみました。
 
これまでにない特徴としては縮れた黄色い肉田麩(にくでんぶ)つまりは尻の肉、ではなく「そぼろ」が入っていたこと、
ハム、練り物系がこれでもかというくらいに入っていたこと、
具を並べ終わって最後に鉄のハサミでぎゅっと挟んでオーブンで焼いたこと、ですかね。パンの背中に焼き目の筋が出ています。
最後の工程で完成品が平べったい板状になったのが最大の特徴でした。これぞサイゴンバインミーか?
 
味はケッコウ複雑でした。肉田麩の甘しょっぱいのとマヨネーズっぽいソースが口の中で混じり合って、、悪くありません。
因みに肉田麩はこっちのXôi/ソイというもち米おこわによく振りかけて食べます。裂きイカの代わりにビールのつまみにもなります。
ハムは何の肉かわかりません。ピンクっぽいのと白っぽいのと。所謂ベトナムハムです。柔らかい練り物的な食感です。
 


 
これで5つ食べました。食べ物としての共通性はパンしかないんじゃないか、という見解を持ちつつあります。ほかは全部違う。
パテはどこも塗りますが見た目も味もいろいろ。
パクチーを入れるのは共通していても微塵切りにして敷き詰める店もあれば、葉っぱを2,3枚挟み込む程度の店もある。もちろん抜きにもできます。
 
紅白なますは意外にも必須ではなく、それによりニッポンで言われているようなヘルシーっぽいイメージは消えました。
タレは基本的に辛くニンニクたっぷりなのはベトナム人の好みだからです。気を付けないと激辛になります。
メインの具は選択の問題で店先のガラスケースを見れば何を選べるかわかります。その具こそは店のアイデンティティというか、ウチはこれで30年やってんのよ、みたいな店もあれば、スーパーで売ってるハム、ソーセージをそのまま並べている店もあります。
 
そういえばよく見るとパンも全然違います。ラーメン屋の麺と同様に卸のパン工場の違いによるものです。

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