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バインミー百科事典/その7 牛挽肉そぼろ+紅白なます+パクチー+極薄切りキューリ バインミー

どの店のバインミーを食べるかはいつも行き当たりばったりです。店構えや材料ケースの中身を見て、標本として見栄えがするかどうかを想像して買います。
これは家から旧市街の西エリアに歩いて行く途中で見つけました。店先に物語が溢れていました。
 

ロゴマークは創業者の肖像です。1998年創業、Bình Mỗが店の名前です。
立て看板にはベトナム語と英語でいろいろ書いてあります。この店はワタシのお母さんの優しさと愛に溢れた饅頭屋よ、みたいなこと。
メインで売ってるのは蒸かした饅頭で、ニッポンの肉まんあんまんの具があったりなかったりするアレです。
 

文面から察するにお母さんはもう死んじゃってて、店で働いているのはBìnhさんのムスメさんです。そっくり過ぎる。
あまりそういうことには立ち入りたくないキモチもありますが、それぞれの店に物語があって、そこから生み出されるモノは物語と切り離しては味わえないのです。
 

土曜の朝10時、周りでは近所の人たちがコーヒーを飲みながらのんびり過ごしています。店の前にはプラスチック椅子が積み重ねられています。朝食のピークは過ぎたんでしょう。
それなのに注文して待ってたら次から次にお客が来てWebかなんかで注文済みの蒸かし饅頭を受け取っていきました。それでワタシのバインミーづくりは断続的に中断して結構時間がかかりました。ここはバインミーより饅頭が人気の有名店でした。
 

家に持ち帰って味わったバインミーは牛挽肉のやや甘く味付けして炒めたモノ=そぼろ? がメインで、あとは控えめに紅白なますとパクチーと、透けて向こうが見える極薄キューリが1枚挟まって、見た目は悪いがなかなかウマい。
具は主役が一つドカーンと出てて、脇役的に野菜類があって、あとはピリッと辛いソースが全体をまとめる、そういうバランスがいいように感じました。
 
ところでワタシが家に持ち帰って食べたのは店の椅子が低過ぎて腰が痛くなるからです。温泉の洗い場にあるようなアレ。この低さはハノイ路上食生活の大きな特徴です。
歩道にはゴミがいっぱい落ちてるしバイクが目の前に置かれるし全然快適ではないんだけど、道行く人を見上げると犬になった気がして、犬もこっちをじっと見たりして。
 

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