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セカイの車窓から・インドシナ半島編/ハノイ~ニンビン、2023年7月 ベトナム国鉄の旅

あと何年ベトナムにいるかわかりませんが、ワタクシ密かにベトナム国鉄全線走破を目指しています。
というとスゴいことのように聞こえますが、やろうと思えば1週間でできるでしょう。路線図はこんな感じ。Ha Longに行く列車はなかったと思うけど。貨物専用かな。
 

ベトナム国鉄全路線図


これまで乗ったのは黄色い部分です。大物のハノイ~サイゴン間で言うと途中のThanh Hoa~Nha Trangは乗っていません。これは案外簡単で30時間くらいかかる寝台特急に乗れば一発でイケます。苦行には違いない。
あとハノイからHai Phongまでと北京行国際列車もまだ乗っていません。国境のDong Dangで引き返すつもりです。
そう思いつつ今回は以前乗った部分をまた乗ったので全線走破上は進展ありません。なのでベトナム国鉄に乗る場合の注意点などをまとめて書いておきます。
 
まず切符はVietnam Railways/ベトナム国鉄のWebsiteで簡単に買えます。支払いはカードも可。J●Bは使えません。ウチの近所の日系!スーパーでもJ●Bは使えないのでベトナムに来る場合はVISAかMasterを持ってきたほうがいいでしょう。
 

複雑怪奇な座席図


席の配置は前方半分が進行方向後ろ向き、後方半分が前向きシートです。中央で向かい合います。Webの表は紛らわしくて今回ワタシは往復とも前向きを選んだつもりが後ろ向きの席でした。単にモウロクしただけか。
料金は高くもなく安くもなく。約100km離れたNinh Binh往復で普通席が257k.ドン≒1,540円です (2023年7月現在) 。
買うときにパスポート番号を入力しますが改札や車内でチェックはありません。メールで送られてくる乗車券の画面を見せるだけ。

出発前のひととき

全席指定ですが基本的に緩くてみんな適当に座ります。席が違ってもどいてもらうのはオトナゲないって雰囲気です。どう思われようとワタシはどいてもらいますけど。
席の配置も極めてわかりにくい。進行方向1列目は右から左に1、2、3、4。2列目は左から右に5、6、7、8。以降繰り返します。一筆書きですかね。Webの表を見るとそのようになっているので写真に撮っておくといいでしょう。
その番号が席の背の裏側に貼ってあり、擦り切れて読めないことがあります。みんなわからなくて右往左往します。そんなこともあって適当に座るワケです。
 

見にくい座席番号なり


走りだすと次から次に車内販売が来て匂いが混じり合います。具のない肉まんとかバインミーとか、ニンニク臭が強烈なソーセージとか茹で卵とか、大きなポリ容器には茹でたてトウモロコシとか。販売員はみんなオヂサンでお客にすり寄ってきます。買ってチョォー!?ってな感じで。
 

車内販売オヂサン


時々エアコンが強過ぎて冷蔵庫の中みたいになることがあるので上着を持って行ったほうがいいでしょう。毛布、のようなものは一応あるけど。
平均時速40kmくらいで走ったり止まったりします。トイレはあります。とだけ書いておきましょう。
 
停車する5分前くらいに放送でベトナム語と英語の案内があります。駅名くらいは聞き取れるので止まる直前に出口のほうに行きます。駅によっては列車の出口とホームの高低差がかなりあり、ワタシなぞ高齢者扱いなので近くの若者がさっと寄ってきて手を取ってくれたりします。Ninh Binh駅は普通でした。
 

ニンビン駅のホーム


地方の駅はだいたい町はずれにあるので駅から町への足を選ばなければなりません。タクシーやバイクの客引きオヂサンが寄ってくるので身構えてしまいますが値段が妥当であれば問題ないでしょう。
今回Grabが一応あるみたいだったので呼んでみましたが見つかりませんでした。そうこうしているうちに客引きもいなくなり6km歩くかと思っていたら地味で若めのおネーさんがバイクに乗る?って言ってきて、状況的にはオヂサンより危ないワケですが、50k.ドン≒300円だというので、ま、いいかと思って乗りました。
結果的には人助けおネーさんでした。帰りに町中から駅までバイクに乗ろうとして値段聞いたら120k.とか言われたので。結局乗ったけど。
 

立派で閑散としたニンビン駅舎


Ninh Binhでは目玉のTam Cocボート下りが運営の適正化とか言って休止中で、これもまたバイクオバサンの勧めで近くの別のボート洞窟巡りに行きました。洞窟巡りはTrang Anが有名ですがもう何度も行ったので今回はパスです。
それで若干ボラれたモノの良かったですよ。蓮の花が咲きヤギが草を食べる中、岩山の間を縫って洞窟2か所。一緒のボートに乗ろうとした欧米系の若者2人は値段交渉が決裂して乗りませんでした。常識的にはヤバい状況だったのかもしれません。最近そういうのあまり気にしないワタシ。
 

洞窟巡りのボートから


町に銀行はありません。いやオフィス街に行けばあるんだろうけど。
写真は駅の売店で、ATMと書いてありますが銀行の引出機があるワケではありません。町なかの店にもATMの看板がいたるところに出ています。これはカードで現金化できる仕組み。普段セキュリティーですぐにブロックされるJ●Bも使えました。2 millionドン≒12,000円もらうのに90円の手数料は取られましたが便利です。
 

駅の売店に謎のATM


帰りはNinh Binh駅を15分遅れで出発しました。30時間かけてホーチミンから来たにしてはほぼ正確。
それでちょっとスピードを上げてハノイには時刻通りに着きました。
 
ハノイに近づいて麺食らったのは放送でベトナムど演歌が15分くらい繰り返し流れたこと。
このハノイ~ホーチミン間の鉄道は南北統一鉄道と呼ばれていて、国の歴史の何か重要なモノを象徴しているんでしょう。サブちゃん風に感動的に歌い上げる感じでした。
間に、ワタシたちの旅ももうすぐオシマイです、繁栄と平和がなんたらかたら、、みたいな放送も流れ、みんな神妙に聞き入っていました。
 

ハノイ駅に到着

全線乗った人はそこはかとない達成感に浸ってもいたでしょう。寝台車、いつか乗ってみたいな。
列車を降りると迎えの人でごった返していました。夏休みももうすぐ終わり、こんな駅の混雑は滅多にありません。
ワタシは雑踏を背に渋滞する道をさっさと渡って徒歩15分の家まで歩きました。考えてみればこんな便利な乗り物はほかにありません。
次回はハイフォン往復、そしていつか片道でいいので全線乗りたいと決意を新たにしたのでした。

混雑するハノイ駅

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