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ある男

ある男を語る会に参加した。少し遅れて着席したテーブルには、2人の経営者と1人の医者、そして勤め人の私。

自己紹介の際、韓国人の妻を持つという人が語り始めた。
「在日三世である城戸さんはアイデンティティに決着をつけるきっかけがなかった。だから他人の傷を生きる必要があったと思うのです」。

一冊の本に描かれる様々な登場人物について会話を重ねながら、いつしか各々が自身について語りはじめる。それぞれの人生経験に紐づいた「ある男」感があり、聞き手はそれを受け止める。とても心地よい空間だった。

別の人生を生きるならどんな人生を生きたい? 

あの場では話さなかったが、私は2人目の子を妊娠中、癌の疑いがあることを医師から告げられた。出産を優先させ、産後検査を受けたところ予後が悪いとされる未分化癌だった。それから4年、生かされるかもしれないの希望が見え始めた時期に私は「ある男」に出会った。

ある男の中で私が最も心打たれたのは、“遼は結局、自分の死を、自分で死ぬしかなかった。里枝には、里枝が死ぬべき死しかないのだった”という一文。自分の死ぬべき死を免れた私は、どんな人生を生きるべきなのだろうか。

「ある男」は、これから先の人生に進み始めるきっかけになった作品。  偽りの誠実さと愛にとっての過去についても、いつか書き記してみたい。

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白鳥 桃子

■リテール&年金&金法向け金融商品のマーケティング / NPO確定拠出年金教育協会立ち上げ■2児のママ■#議論メシ ■noteでは次のチャレンジについて綴っていきます twitter:@white_peach_27
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