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人形≒ヒトガタ

 満月ですね。そして低気圧の真夜中です。それもあってか身体が重く、ぐったりと過ごしております。こういう時、自分は生きているのだなあと実感しますね。

 生きているというか、
 肉袋だ。
 血の詰まった肉袋。
 肉体ってそういう認識です。

 私はTwitterのプロフィール欄に「血の通った人形」と書いております。これは「ニンギョウ」と読んでいただいてもいいのですが、「ヒトガタ」とも読む意味合いが強いです。役者というのは、役が入る器であって、人の形をした入れ物だな、と常々思っているので。魂の部分は演じる役(役者が創る部分は勿論のこと、演出であったり脚本を書いた人の思い入れであったり、スタッフさんの創り上げるキャラクターデザインも込み)だと思っています。なので役が入っていない期間、公演やお稽古が無い期間は正直抜け殻のように生きています。

 とはいえ、お人形(ニンギョウ)への憧れがあるのも確かです。お人形って感情が無いではないですか。無。なのに異様な存在感があり、時に愛らしく時に恐ろしく、見る者に想像をさせます。夜中に髪の毛が伸びる呪いのお人形とかネ。
 世の中に対して変な執着や猜疑心も愛情も持たず、無感情。それでいて他者の気持ちを掻き立てるというのは、何とも言えぬ魅力があります。

 というわけで普段の私は肉袋として、血の通ったヒトガタとして生きているのですが、こんなんじゃ駄目だ! という気持ちもあります。
 肉袋期間を充実させるべく、BARロオルという演劇酒場に時折ご奉公に出ております。役の入っていない白永歩美本人を人前に出す数少ない機会であり、実験のような気持ちでカウンターに立っております。
 場所は下北沢はスズナリ横丁。次回のご奉公は2月6日と7日の土日。web店なるものもございます。

 また、まさかのお人形の役をいただいた「冥婚ゲシュタルト」の《究極映像版》も販売中です。
 意思を持つ人形の一人、ミチコを演じさせていただきました。ヒトガタの自分がニンギョウの役を演じるというのは大変不思議な心地でございました。
 この記事の書き始めはこのミチコを演じたことについて深堀りしようと思ったのですが、「やっぱり観ていただくのが一番手っ取り早いしわかりやすいのだよな」という結論に至ったため、宜しければ究極映像版をご覧くださいませ。
 ただ、自分の人格をかなり投影させたとても思い入れの深いキャラクターなので、もう少し時を経て落ち着いたら振り替えりたいとも思っております。

 そんなわけで、深夜の、前置きの長い、コマーシャルでございました。
 皆様低気圧にお気を付けてお過ごしくださいませ。

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