2021.8.1 クイーンS パドック前予想

【パドック前結論】
◎6 マジックキャッスル
◯5 ドナアトラエンテ
▲3 フェアリーポルカ
☆10 サトノセシル
☆8 ウィンマイティー
△9 テルツェット
△12 シゲルピンクダイヤ
△1 クラヴァシュドール
△2 イカット


[見解]

まず最大のポイントは、例年の札幌開催ではなく函館開催であるということ。

 札幌競馬場との最大の違いはコーナー角。(他にはコースに高低差があることや、水捌けが悪く柔らかい馬場になりがちなことも)
札幌が緩やかなコーナーで円形に近い楕円形なのに対して、函館はスパイラルコーナーの小回りコースなので機動力が求められ、タフで持続力のある馬が好走しやすい。

つまり大箱東京とリンクしやすい札幌開催とはそもそも適性が違うので過去傾向はそこまで重視しない方向がベター。

 函館1800mの傾向を見ると、(スタート直後下り坂で初角まで距離がある2000mと比べて)初角までが短く平坦な為、前半は緩みがちでスローな流れになりやすい。<画像❶❷>

画像1

画像2


ただし今回のメンバーを見ると、前走逃げて1着となった馬が3頭、プラスダートでここ二戦ハナにこだわっている4ローザノワールも。

テンのスピードは7マイエンフェルトか10サトノセシルが速そうだが、サトノセシルは前に馬がいるとかかってしまうタイプでおそらくハナをとりたい、

更に11シャムロックヒルと4ローザノワール、その後ろには外枠からスムーズに先行しそうな12シゲルピンクダイヤがいる訳で、前半それほど緩む流れになるとは考えにくい。

つまり平均〜ハイペースが想定される


となると直線の短いこの競馬場なら早めに動き出して直線ある程度の位置につけたい意識が働き

ロングスパートのタフな持続戦になる可能性が高い。


ここまでが予想前のスタート地点。ここを前提として予想を始めたい。


【各馬短評】


{注目馬}

6 マジックキャッスル
 G1秋華賞2着.G1ヴィクトリアマイル3着.G2阪神牝馬S2着などこのメンバでは実力は1枚2枚上。
 加えて特筆すべきは、秋華賞や愛知杯などの元々得意とするタフなロンスパ消耗戦だけでなく、高速瞬発力勝負となった阪神牝馬Sでも対応できたその万能性。これはタフな宝塚記念を勝ちながら瞬発力勝負の天皇賞秋でも好走を果たしたクロノジェネシスにも酷似している。ピッチ走法で機動力があるのも同じ。
 牝馬かつこの馬とフェアリーポルカ以外はすべて55キロの別定戦ならまず馬券内は堅いであろう一頭。

★不安材料を上げるなら、万能タイプにはありがちなのだが勝ちきれない傾向があること。
11戦で[2-5-1-3]と複勝率は72%を超えるが勝率は20%に満たない。
そんな小柄な牝馬が初の56キロ…馬券内は堅くても勝ち切るまではという可能性も出てくる。
(ただ戦ってきた相手を見るとここでは突き抜けてもおかしくはないが。)


5 ドナアトラエンテ
持ち味は先行してロンスパ持続戦で粘りこむというタイプ。
トビは大きめでストライド走法になる為機動力はそこまで高くはないが、基礎スピードがあるので対応できるレベル。
適正面を見ると上位の一頭で、休養明けも[2-3-0-0]と得意なタイプ。
先行意識の高い川田Jが継続騎乗なのもプラス。

★通算成績は[4-5-1-1]と抜群の安定感だが重賞勝ちはまだなくG3を9着と2着のみ。
 去年の夏に札幌STV賞を除外受けて北海道競馬は今回が初というのも無理にあげるなら不安にとれなくもない。
(ただし今までの調教ベスト時計は当時の函館W調教のもので、今回も調教はマジックキャッスルと併せて反応は上回る勢いあったのでこの点に関しては恐らく問題はないと思われる。)


3 フェアリーポルカ
去年.一昨年と共に不良でタフな消耗戦となった中山牝馬Sで3着.1着と好走したようにタフな小回り巧者。
ダートでも好走していることからもスピード質と言うよりはパワー型。
上がりの時計がかかる方が良く、小倉大賞典の大敗はその点で説明ができる(加えて得意の急坂コースでなかったことも)
小回り、右回り、時計のかかる消耗戦共に適正は最上位の一頭。

★好走条件の一つに直線急坂が挙げられ、右回りかつ直線高低差1m以上の坂があるコースでは[4-1-2-0]だが
右回り平坦では[0-0-1-4]と極端に成績は落ちる。
向正面〜3角には3.5mの坂はあるが、そこから緩やかに下りながら4角を回って直線平坦の函館はどうか。
 中二週で調教軽めのため評価下げる人も多いようだが動き自体はそんなに悪いものには見えなかった。


1 クラヴァシュドール
11戦中5戦の馬券内全てが1600m、1800以上になると[0-0-0-3]。そもそもタフな函館1800は距離短縮組が好走するコース。レース適正以前に距離適正に疑問は残る。
 また、近三走全て出遅れており、テンのダッシュ力も乏しいので展開的には後ろからでも届くハイペースが好走条件になる。
 タフなロンスパ持続戦に関しては適正は高いため、展開が向いて距離が持てば好走する可能性はある。


2 イカット
函館1800同コースは3戦して2勝.4着1回と適正は高い。斤量55キロも勝利実績があるのはプラス。
懸念材料はそもそもの力が通用するのかというところ。3走前敗れたロータスランドと0.3差はクラヴァシュドールと同レベル。
 今回出走のサトノセシルにも2走前0.3差で敗れている。
 馬券内に入るには上位陣プラス サトノセシル、クラヴァシュドールに先着しなければならずそのハードルは低くない。


4 ローザノワール
馬券内はすべてダートコースで芝レースは[0-0-0-5]。
 そこそこの先行力はあるものの、そもそもの芝への適正自体が疑問。
 ブリンカー着用で一変かつ馬場&展開が向いた時のみ穴を開ける可能性が。


7 マイエンフェルト
前走2勝クラス勝ちは高速馬場札幌&50キロでの逃げ切り勝ち。
 今回は同型多数の展開不利に加え55キロでメンバー強化。
 極端な前残り馬場にでもならない限り厳しそうだが、追い切りの動きは素晴らしい。
 当日パドックでも好気配で、かつ万が一展開がハマれば残ってもおかしくない。


8 ウィンマイティー
昨年オークス以降全く調子が上がらないまま半年以上の休養を経てここへ。
 秋に向けての叩き台の匂いがプンプンする。
ただ調教の動きは活気もあって良いし、ゴールドシップ産駒の函館芝1800成績は[2-1-5-8]と好成績。
 当日気配良く変わり身見せるなら穴で一発頭の片隅に置いておきたい。


9 テルツェット
ロンスパ持続戦よりは明らかに瞬発力勝負で力を発揮するタイプ。
 テンが遅いので後方からがデフォルトで、前半スローで流れる展開になればかなり有利になるが、今回のラップ想定では合うとは言い難い。
 ただ調教では良い動きを見せており、基礎スピードも高い能力を持っているのでハマった時の怖さはある。
 デビュー後二戦以降1600ばかりだが2000のミモザ賞好走歴もあり距離はこなせそう。


10 サトノセシル
逃げ馬多数の中、前に馬を置きたくない同馬がハナに立つには枠的にもかなり出していかないと厳しいので前半の負荷が大きくなるという点とメンバ強化がマイナス。
 前走同舞台勝ちで適正はあるし、調教も良い動きを見せているので楽に逃げれるようなら同型馬の中では最も残る可能性はある。
 このまま人気を上げないようなら、パドック次第で3列目に入れるのはアリ。


11 シャムロックヒル
前走マーメイドSは内前バイアスがかなり強い中、50キロで最内枠から単騎逃げでの勝利。
 ラップ的にも斤量的にもかなり楽なレースだった。
 今回は同型多数でメンバー強化プラス55キロの増量でなかなか買い要素は少なめ。


12 シゲルピンクダイヤ
古馬になるにつれ瞬発力勝負から先行して粘りこむ持続力勝負に好走パターンが変化しつつある。
 ただし粘りこむには前半スローで後半スピード質のロンスパ持続戦になればという条件があり、ハイペースの前受けは力不足の感あり。
 今回は平均〜ハイペース寄りになる想定なのでどこまで粘りこめるかがポイント。
 気性面に難ありなので大外18番でゲート入りが後になるのと先週函館入りして滞在調整できるのはプラス。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?