きれいな花が咲き乱れれば、余すところなく鑑賞したい。
風流韻事に明け暮れる我々としては当然の欲求でしょう。

花そのものを育てるというのも大事ですが、ここでは花畑の配置という観点からお話しします。

■鑑賞会を始める前に

鑑賞会を始める前に、お客様から持ち込みがある場合もあります。
それを無下にして鑑賞会を始めるなどもってのほか。必ず花畑に加えましょう。

例えばこちらの花畑にお客様から北が持ち込まれたとします。それはちゃんと花畑の適切な場所に配置します。

きれいに置けましたね。そして必ず最後に自らの心に留めていた花畑の最後のピースを完成させます。未完成の状態で鑑賞会を始めるなどあろうことか。
早く花を咲かせたい。はやる心を落ち着かせて、まずはここに9pを配置しましょう。

ここまでは鑑賞会を始めるにあたっての最低限の作法です。

また、このように代用品が用いられる場合もありますが、これはあまり推奨しません。やはり本物の方がきれいですから、お客様にお伺いを立ててでも本物を用意するのが望ましいです。

なお、花畑への入場料は鑑賞会の前にお納めいただきましょう。
咲いた花々の美麗さに多くのお客様がそこからさらにチップを置いていきますが、酔いしれて物事を失念してしまうのもやむをえないこと。満開の場合はなおさらです。
花畑に入場する側に立つ場合も、忘れずに入場料を前払いするよう心がけましょう。

■お客様を招き入れる前に

・基本配置

上記の状態でも鑑賞会は始められます。しかし、鑑賞会をより良いものにするためには、適切な花畑の配置が不可欠。

鑑賞しに来たお客様を招き入れるまでは多少の乱れはあってやむをえませんが、
いざ招き入れる際には鑑賞しやすく整えておきましょう。

こうしておかないと、5sや6pが開かれた際に、少し鑑賞しづらくなってしまいます。せっかく咲いた🌷が見過ごされてしまっては忍びないでしょう。

他にも何点か基本配置をしないと鑑賞しづらいパターンを例示します。

（例1）

456sが開かれた際に見づらくなってしまいます。

（例2）

3sが開かれたときに満開になるのを見過ごしかねません。

このように順番に配置するのが基本ですが、この基本配置よりもっと鑑賞会がしやすい場合があります。

・循環配置

こちらの基本配置ですが、これでは鑑賞しづらい箇所があります。それは1s9sが開かれた場合ですね。

花畑を耕す際には両端が分断されていますが、花が開く際にはその両端は循環します。
この開花の循環する性質から、循環箇所をつなげて配置することにより、鑑賞会はより豊かなものになります。

こうしておけば19sが開かれても安心ですね。
目線を動かすことなく開花を確認できます。人間の目は不完全なものですから、それを受け入れて鑑賞しやすいように整えます。

こうしておけば、お客様から東の持ち込みがない限り、最後のピースを2sにすること。それにより1sが開かれると満開になるのが一目瞭然です。

ただし、これは789pを左に動かしても今度は57pのつながりが離れてしまうため、基本配置に従います。

・お客様の持ち込みによる配置調整

鑑賞会が家主を中心に開催されるのは当然ですが、お客様の持ち込みによる粋を汲み取るのも家主の技量。
わずかにお待ちいただくことにはなりますが、より良い鑑賞会のためには必要と言っていいでしょう。

先ほどのこの手牌。
持ち込まれたのが2pか5pかで配置を変えるといいですね。

以上、花鳥風月を愛でるにあたり、参考になれば幸いです。