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綿津見

何かを学んでいると、まるで海に沈んでいくような感覚になることがある

浅瀬で足をちゃぷちゃぷ
水がキラキラ

もう少し行ってみたらもっと綺麗なものが見れるのだろうか?

色とりどりのサンゴ礁とか、変な形の魚とか、海中に差し込む淡い光とか、

もうほんの少しだけ進んだら自分も大きなものの一部になれたような感覚を味わえるのだろうか?

身体がどんどん拡大されていって大きなものの一部になれるのだろうか?

きっと楽しいな
きっとワクワクするな
きっと美しいな

そんなことを考えながらぼんやりと漂っていたら、いつの間にか結構沖まで来ていたのだろう

いつの間にか足が届かない
いつの間にか波が高い

あまり遠くまで行くと戻って来れなくなるよと忠告していた友人の言葉が頭の中で繰り返す
本当に戻れなくなったらどうしようと最悪の未来を想像してゾッとする

確かに海底は美しいのかもしれないけど、その影には危険が大きな口を開けて手招きしている

先人達はいとも簡単に沖に出て美しい景色を見せてくれるけど、簡単そうに見えてこんなに危険なことをやっているんだ

自分にはまだ早かったのか?
無謀だったのか?
練習が足りなかったのか?
どこまで練習したら楽しんで潜れるようになるんだろう?

やっと浅瀬まで戻ってきて一安心

昔に比べるとほんの少しだけ深く潜れるようになってきたのかな?
それならまだまだ初めたての人に何かを伝えられるのかな?
さっきまでちょっと危なかったんだけどね

やぁやぁ。ここまで来るだけでも大変だったでしょ?
僕もまだまだなんだけどね。
これからもう少し深く潜るコツを伝えるね。

その前に、僕の分も浮き輪も用意していただけませんか?

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