まさか，作業療法ってこんなに面倒くさい仕事だとは思わなかったでしょう？

まさか、作業療法ってこんなに周りから理解されてない仕事だとは思ってなかったでしょう？

まさか、作業療法ってこんなに分からない仕事だとは思ってなかったでしょう？

最終学年の実習生を担当させていただく時には意識的にお伝えしている。

意地悪で言っているわけではないよ。
この業界に落胆してほしくて言っているわけではないよ。

これから先に待ち受ける荒波を予期したうえで、然るべき備えをしておいて欲しいからどうしても伝えてしまうのかもしれないね。

もしかしたら君にそんな準備は不要かもしれないし、僕の勝手な老婆心かもしれないね。

論文や実用書には、作業療法の専門性や行うべきことがハッキリと明記されているかも知れない。
理論を学ぶと作業療法らしさが分かるかも知れない。

だけど、これから作業療法士として生きていく君は日々どんなことをしたらいいのかと悩むかもしれない。

それほどに作業療法というものは分かりにくくて掴みどころが無いものなのかも知れないね。

それほどに柔軟に使えるという利点もあるかもしれないけど、決まった形があるような無いようなところは君が真面目であればあるほど君の頭を悩ませるかも知れないね。

そういえば作業療法の基盤には哲学があるらしいよ。

答えが出そうで出ないものを考えて考えて、そういう営みは君にとってどんな影響があるんだろう？

目をつぶって霧の中を進むようで気持ちが悪いかもね。
水中メガネも無しに海底まで潜っていくようで辛いかもね。

もっと分かりやすい職業だったら、他職種からもCLからも正しく理解してもらえる職業だったらどんなに仕事がしやすいだろうかと考えたことがあるよ。

作業療法の専門性を分かりやすく社会に伝えてくれなかった先輩達を恨んだこともあったよ。

ちょっとだけね。


ソクラテスは自分がなにも知らないことを知っていたそうだね。
自分の無知を認めたうえで、アテナイの人々と愛や友情や正義についてあれこれと話し合いながら考え抜くことが何よりも楽しかったそうだよ。

作業ってなんだろうね。
作業療法ってなんだろうね。

どうして僕たちはこんなに悩まないといけないんだろう？
もしかしてこれは呪いなのかな

作業療法に足を踏み入れた人はどうしてこんなに悩まないといけないのでしょうか？

答えが出そうで出ない問題について、それでも思いを巡らせて話し合うことは、君にとってどんな意味があるのかな？

苦しくなるほど悩むって、それほど真剣に作業療法に向き合っている証拠なのかも知れないね。

君にとって楽しい営みだと嬉しいんだけどね。
楽しさを感じるまでには長い道のりかも知れない。

ガイドラインや理論書には載ってないあなたの言葉で教えてよ。